50話 へこみ
しばらくは、必要そうな機械について話したのだが明らかに必要な機械が多くその機械のいずれも高額で時間が掛かるというのが最終的な答えだった。その後は流石に疲れた咲夜と知佳は寝るとことになった。
翌朝珍しく早く起きた咲夜は、そのままログインするのではなく昨日洗うことなく放置された食器を洗うことにした。ただ食器は、水には付けられてはいたので軽く洗ってから食洗器に入れた。その後も洗濯をしたりとしていると知佳が起きて来た。
「おはよう」
「おはよー、 眠い」
「珍しく早いな」
「でも、そんなに早くないでしょ」
知佳が指さした場所にはプロジェクターで時計が表示されていた。そこには9時35分と表示されており普段であれば完全に遅刻な時間ではあったのだが知佳は休日12時とかまで寝ているので早い時間ではあった。
「朝食どうする?」
「お茶漬けが良い」
「了解、すぐに準備するから服でも着替えてこい」
「そうする」
知佳は、部屋に戻って行き咲夜は昨夜、知佳が炊いて小分けにして冷蔵庫に入れていたご飯を温め直した。その間も咲夜は、お湯を沸かしたりとお茶漬けだけではなくおかずも準備していると完全に覚醒した知佳が戻ってきた。
「できたー」
「ちょっと待って、お湯沸いてるからポットに入れて」
「わかった」
咲夜は、温め終わったご飯をよそい卵焼きと浅漬けを小皿に取り分けてカウンターに置いていると運んでくれたようで食卓台を見ると並んでいた。咲夜は、お茶葉を急須に入れて席に席に着くと食事が始まった。
「今日は、何するんだ」
「うーん、そっちは警察車両作るんでしょ」
「お前らがそうしたからな」
「それは、仕方ないこと」
「そうか、それで何するんだ」
「うーん、折り畳み機構を組み立てとく」
「結構難しいと思うけど」
「それに関しては、昔の戦闘機から構造持ってくるから」
「最後はAIでの調整か」
「うん、終わったらログインする」
「わかった」
咲夜は、昨夜の続きをするためにログインすることになった。一方で知佳に関しては咲夜が心配した事案を解決するための設計をすると決まった。
ーーー
流石に朝早くからログインは咲夜しかしていなかったので咲夜はすぐに製作機で警察車両の作製を始めた。
「残り6台か」
作製機のスタートボタンを押した咲夜は、昨日運び入れたコンテナがさすがに場所を占領していたので流石に動かすことにした。この時、材料として残っている5台分のエンジンと素材は端に避けてコンテナを元置いていた位置に戻していった。どうもコンテナ自体は一度駐車されたら場所を記憶するようで前回の様に苦労することなく指定するとシャッターを事前に開けてはいたので勝手に動きだした。二つとも完全に止まったことを確認した咲夜は、シャッターを閉め咲夜の作業をするために3階に上がった。
その後は設計の続きをしていたのだが主翼の中央翼の骨組みは同じなので設計図自体を書くのは苦ではなかったのだが同じような骨組みと羽を形成する板に関するところまで書く必要があったのでそれ相応の時間が掛かった。翼の中には燃料タンクもあるのでさらに手間取った。因みに咲夜が昨日の夜に完成させた外翼にもあるのでそのにもあるので書いていた。こんだけ見ると燃料タンクが多くあるように見えるのだが今後のことを考えて本島から日本まで飛ぶことも考えているので機体の中にも燃料タンクは設置される予定だった。そんな中央翼の作業をしているうちに咲夜は警察車両を2台完成させており3台目に入ろうかというタイミングで知佳がログインしてきた。
「どう、出来た?」
「中央翼は、ほぼ完成した」
「そう、折り畳み機構は出来はしたけど強度が心配だから模型でも作ろうかな」
「まあ、それもありではあるけどこの翼どうする?」
「そのまま進めてもいいけど」
「その延長した部分だけ折り畳むけど欠落しても飛行になんか支障があるか」
「そのことは、考えたけど問題はないと思うけどはっきりとは分からない」
「そうか」
「まあ、胴体とか垂直尾翼かまだ残ってるからその時までに決める」
「了解」
知佳がログインしてきたので3台目の作製に取り掛かり、知佳には警察車両を届けてくると伝えて出発した。
ーーー
何も問題が起きることは無く納品自体は終わったのだが昨日納品した車両がまだ地下の駐車場にトレーラーから出された状態でおいてあり既にナンバープレートが付いていた。どうやってナンバープレートを付けているのかわからなかった咲夜だったが登録できる機械でもあるのだと考えたのだがその予想は外れていた。ナンバープレート無しでも公道走行は不可能なのだがセンタータワーで仮ナンバーを取得することで正式なナンバープレート取得するまでの2日間だけ有効なのでその間に取得しているだけだった。そんな納品した車両を見ながら変更が掛かっているか確認していたのだが当然、昨日納品された車両なので追加で改造はされていなかった。そもそも警察官に対して車両が余りにも足りていないので10人で1台使っている状況だった。
「納品してすぐに使うわけじゃ無いんだな」
そんなことを思いつつ咲夜は、警察署を後にしようとしたのだが、地下駐車場に入ってきた車両が想像以上に損傷していた。気になった咲夜は思わずその警官に何があったのか聞いた。
「その傷どうしたんですか?」
流石に警察署の駐車場でいきなり質問したものだからその警官は、一歩後ずさりした。それに気が付いた咲夜は名乗ることにした。
「あ、すいません。私は、咲夜で警察に車を下ろしている物です」
そう、自己紹介されたことで少しは緊張を解いた。
「すいません、いきなりだった。ものですから」
「いえ、こちらこそすいません」
「それで、先ほど何か言われてましたよね」
「はい、何故これほど傷と言うよりもへこみがあるのかと思いまして」
「このへこみですかこれは」
そう言い警官が何があったのかを教えてくれた。要約するとNCPの犯罪者が逃げている際にいきなりブレーキを踏んだことで高速で追っかけていたこの車両が突っ込んだとのことだった。そう説明された咲夜はそのへこみ方の要因が分かり納得した。
「エンジンとかに損傷はないんですか?」
「本当はすぐにでも整備したほうが良いんでしょうけど何しろ車両が足りないものですから」
「それは、そうですね」
「はい」
「ありがとうございます]
「いえ、こちらこそ車両を下ろしてくれたありがとうございます」
そう言って頭を下げた警官は警察署の中に入って行った。それを見届けた咲夜は、今の警官の話を聞いてオプションの中にバンパーガードを追加することにした。
ーーー
本拠地に帰って来ても製作機はまだ動いていたので水平翼の設計に進んだのだがこの水平翼も中央翼と同じように同じ形状が続くだけなのでさほど手間はかからなかったのだが可動部分があるのでそこは別に設計をしなければならないのでその設計が終わるころには2台の警察車両が出来ていた。




