47話 脅迫
真川が帰ったのでお開きになるかと思ったのだがリリアンだけが残り前島は、真川を送らないといけないと言い退出した。
「今回は本当にすいません」
「別に良いですよ。こうなることも若干予測もしていたんで」
頭を下げたリリアンに対して咲夜はいずれこうなることも予測はしていたので対して問題は無かった。ただ、想定しているよりも早かったが本音ではあった。知佳和と言うと今まで出していなかったお茶を取って来ると言って3階に取りに上がって行った。もともと裕福なこともありお茶をたてるなど一通りできるため良いところのお嬢様と勘違いされることもある。
「それでも、すいません」
「そこまで考えなくても大丈夫ですよ。いざとなったら売らなかった良いだけなんで」
「それは、困りますね」
「何とかなるでしょう。電気自動車で代用すればいいんでは」
「私としては、売って欲しいんですが」
「流石に1000番台の警察署には販売しますよ。今のところ」
「それは、ぜひ変えないで頂きたいです」
「それは、どうでしょう」
その後は、知佳が来るまでたわいもない話をしていたのだが、話のほとんどは事件の発生についてだった。話によると犯罪のほとんどがNPCが起こしているとのことだった。これは、プレイヤーがまだ犯罪を行うことができるほどものがそろっていないのも起因していた。
「紅茶で大丈夫ですか」
「大丈夫です。ありがとうございます」
「無理でも紅茶しかないんだけどね」
そう言って紅茶を蒸らし始めた。もちろん、この家には日本茶の茶葉もあるのだが知佳は紅茶をメインで飲んでいるために紅茶の置き場所を知っていたから持ってきていた。因みに他の茶葉は、その紅茶の茶葉の何個か横に置いてあるのだがそれに気が付いていなかった。
「それで何話してたの」
「事件の発生させてる割合」
「そう、どうせNPCの方が多いんでしょ」
「何でわかったですか?」
「そんな難しい話じゃない、道具があっても逃げるための車が無いってな感じでしょ」
「そうです、プレイヤーのほとんどの逮捕者が逃走中やその後に捕まっています」
「それは、今後逃走できる犯罪者が増えると思う」
「どうしてですか?」
「今は、車が全部架空の上にプレイヤーが操作できないと思うし、奪ったとしてもすぐにばれる」
「確かにそうですね」
知佳が言うようにNPCが運転、所有している車はすべて白で同じ形状をしているため明らかにおかしな運転をしているのを警官が見つければ職質をするので当然ともいえた。因みに知佳の運転できないは半分正解で不正解でもあった。運転できる個体と運転できない個体の2種類存在していた。
「言われればそうですね」
「知佳の言う通りかもしれないな」
「でしょ、だから早く会社を作った方が良い」
「会社ですか?」
「また、言ってるよ」
「会社立てるんですか?」
「何で知らなの、咲夜からさっそたと聞いてたけど」
「確かに誘われはしましたが本気だとは思っていなかったので」
「たぶんだけど結構本気だったと思うよ」
「本気だったんですが」
「そうだったんですね。本当にすいません」
咲夜は、あの時本気で誘っていたのだがリリアンからしてみれば何度かしかあったことが無いので本気で誘っているとは思ってはいなかったようだった。
「なら、もう一度。リリアンさんうちで働きませんか?」
前回はすぐに返答が返ってきたのだが今回は返答に時間が掛かった。どうも、今回は本気で考えている様だった。知佳は、警察では現場に出ることは無く経費など事務処理をしているだけで現場に出ていなかったので警察官らしくは無かった。
「うちに来たら良いんじゃない」
「どうしてそう思うんですか?」
「簡単な話で、自由に居られるから」
「自由ですか?」
「そう、何をやろうが怒られることは無いし働けばそれにあった金額が手元に入って来るそんなの警察に居たらあるの?」
「無いです」
今回は返答が早かった。そこに関してはリリアンも思っていたことなのだろうこのゲームが始まってすぐに警察官になったプレイヤーの大半は仕方なく警官を続けているプレイヤーも少数だが存在していた。そしてせっかくヴィジオンの中心である本島で生活できるのであればその分楽しんだ方がよかった。
「それでも悩むの?」
「はい、残した仕事も多くありますし咲夜さんのところと仲介する仕事もあるので」
「なら、うちに来てくれないとさっきの言いふらす」
知佳の発言は脅しだった。確かに先ほど真川のここでの発言は、違法性はないがこの島だけではヴィジオン内で広まれば本島全体の警官の信用度が下がるようなことだった。
「ですが、私にはあまり関係ないことのでは」
「給料面で、ですよね」
「そうですね。給料は、ヴィジオン自体から出ているんで」
「では、真川さんを逮捕してください」
知佳の発言は耳を疑う内容だった。咲夜も初めは何の権限があって逮捕を願っているのかが分からなったが原因かはすぐに思い当たることがあったので納得できることではあった。しかし、どういう理由があってそう言う発言をしたのかわからないリリアンは声を荒げた。
「なんの権限があって逮捕しなければならないんですか」
一方で知佳は落ち着き払っていた。
「なんの権限が、では逆になぜこの場にあの二人がいたんですか?」
「それは、この住所を知っていたからでは」
「咲夜も私も教えていないのにですか?」
「それは」
知佳の質問で何が問題なのか分かったようだった。確かに警官は、プレイヤーの居住している家の場所を知らべることができる。だが、勝手に知らべることは違法でさらに咲夜は、犯罪行為は全くしていないので調べる理由が無かった。
「何が問題なのかわかりましたか」
「はい」
「では、それでも逮捕しないと」
このことは、うやむやにできないことも無かっただが同時に警察車両が購入できるかできないかも掛かっていた。さらに警官を逮捕した場合は公表しなければならず先ほどまで出ていた問題発言と問題のレベルが異なっていた。そしてこの問題を同時に解決できる方法は1つしか残って居なかった。
「それは、脅迫では」
「脅迫してる」
知佳は、ためらうことなく脅迫を認めた。リリアンはそんなに簡単に認めるとは思っていなかったようだった。しかし、咲夜としてもリリアンを仲間に引き入れることができるいい機会だとも思い援護射撃をすることにした。
「別に逮捕云々は私としてはどうでもいいですが、今後警察との取引は考えます」
その咲夜の発言は、現状の警察に対して死刑宣言にも近い内容だった。値段が上がってしまえば配備できる台数が減り、たださえ休みなく動いているのでそれだけは遠慮したかった。
「今、納品予定の車両の納品が終わってからでも良いですか?」
「良いけどそんなに時間は無いんじゃないの?」
「残り8台だけどすぐに納品できるのが1台あるから実質7台」
「わかりました。最後の1台に関しては、入金の確認のもあるのでその際お伝えします」
「知佳もそれでいい?」
「それでいい」
「納品に関しては早くても今週末になると思いいます。最速では今週中です」
「わかりました」
話はまとまりはしたものの何かしこりが残るような終わり方をした。




