地竜
湿地到着して、足場の悪さに、まず驚く。
「所々湿ってて、背の高い葦原によって、視界も悪い。さて、どう探そうかな。」
呟くクレイ。
とりあえず鉈で切り開きながら入っていく。
突然現れたのは、ゴブリン2匹。瞬殺してから、死体を見て思いつく。
少し奥までは入りこみ、そこの葦を開く切り開き、その中央に、腹を裂いたゴブリンを置いておく。
餌を置いての待ち伏せだ。
血と内臓の臭いに寄ってくるモンスター、それを討ち取り、同じように晒しておく。
やがて夕焼けが葦原を照らす頃、大きな気配が、近づいてきた。
出た!地竜だ。
心てガッツポーズをしながら、右手は刀に。飛び出たクレイに気が付き、戦闘態勢をとる地竜。よく見ると、角は真っ直ぐに伸びた1本角。体色は、黒と茶色と緑のマダラ模様。大きさは聞いていたより、はるかに大きい。その迫力に眼を奪われた。その一瞬が隙になる。地竜が角で正確に心臓にめがけて突っ込んできた。
避けることが出来ず、心臓部分に、角が当たった。
が、キンッ!っと、音を立てて、弾かれた地竜。
もちろんクレイは吹っ飛んだのだか、命に別状はない。
貰った防具のお陰である。革の部分は、破れているが、その中に有ったミスリルが光っている。
「助かった〜〜」クレイが思わず声をこぼす。
『ほほう、お主、面白い防具を着けておるな、エルフの匂いがする」
「え?!頭の中に声が響く。誰?」
『お前の目の前におる地竜だ、それぐらい空気読めよ!』
「え?え?マジで?地竜って、言葉喋れるの?てか、なんでエルフの匂いとか、え?どうなってんの?」
『とりあえず落ち着け小僧。パニくるなよ!とって食ったりしないから。喋っているのでは無く、念話だ。ワシの喉は、喋れるほと器用には出来ておらん。だが、脳の作りはお前達以上だぞ。まあ、ワシは、特別にだが。』
「えっと、地竜さんは、頭良いと。コレ、マジ?スゲーぜ!地竜さん、お腹減ってる?なんならそこの餌、とりあえず食べちゃって!その後、俺と話しない?、いや〜〜興奮するわ!」
『・・・お前、変わってるな。』
「ああ、よく言われる」
『だろうな・・・とりあえず食うか』
バリバリ音をたてて食べる地竜を、嬉しそうに見るクレイ。
食べ終わるのを待って、声をかけた。
「ちょっと触っていい?」
『まあ、少しなら良いぞ。』
「へ〜〜硬いのに弾力あって、しなやかだな〜〜ねえねえ、なんで黒と緑と茶色のマダラ模様なの?珍しいよね?」
『色は、その個体の加護を表しておる。茶色は、土の。黒は、闇の。緑は、森の加護だ。ワシは、3つの加護を受けておる、故にこの色なのだ。普通は、一色だな。』
加護とは、力を分け与えて貰える。例えば土の加護とは、その足が大地の上にある限り、体力回復のサポートを。闇なら、暗闇に溶け込んで察知されにくくなる加護を、森ならば、森の恵みを分けてくれる。そんな加護だ。
「3つってスゲーな!やっぱカッコ良い地竜は違うな!」
『え?ワシ、カッコ良い?おいおい、もう一回言ってくれ!怖いとか言われた事はあるけど、カッコ良いは、初めてだ。チョー嬉しい!』
「おいおい地竜さん、いきなりどした?チョーとか、JKかよっ!まあ、カッコ良いのは、認める、むちゃくちゃカッコ良いしな。」
『ウオォォォ!むちゃくちゃカッコ良いとか言われた!よし!お前!気に入った!仲良くしてやろう!』
「ワシから、俺になってるし、、、まあ、仲良くするのは賛成!よろしくよろしく!」
なぜか意気投合。夜中まで話込み、その夜地竜にもたれかかって寝るという馴染みよう。次の日の朝。
左手にシャル、そして、お尻の下には地竜がいた。クレイと一緒に行動することにした地竜。なんか残念地竜である。
「仲間になったんだから、呼び名が必要だな!」
そう言ったクレイが、地竜に名前を付けることに。
マダラ模様だし、マダラでどう?そう問うクレイに、問題ないと答えるマダラ。
もっとカッコ良い名前付けてもらえよ!カッコ良いに感動してたじゃねーか!この残念地竜!
地竜の乗って帰るクレイ。来る時2日もかかったのに、帰りは1時間であった、恐るべし地竜。
で、街に戻ったクレイ達に、住民が悲鳴をあげて逃げていった。
ん?なんでこうなった?
そりゃ逃げるわな




