ギルドマスターの苦悩
その日、ギルドは、オーク大進行の後始末で、上を下への大騒ぎ。
オークの肉は、豚の味と同じなので、倒したオークを街に運び、肉屋に卸したり、怪我をした冒険者の治療、特別依頼の報酬の支払い、ギルド職員が忙しく動いていた。
そして頭を掻きながら、唸るギルドマスター。
「あの坊ちゃんを、Fランクのままは、マズイよな〜1人で300以上のオーク倒す実力、どう考えてもランクに合わない。実力的には、Sランクくらいありそうだが、登録してからの日数や、依頼達成件数は、まだ数が足りない。でも、あの実力は、Bや、Cでは、受けられる依頼は、限られる。あの実力を無駄にするのは、ギルドにとっても損失だしな〜」
独り言のように呟くギルドマスター。
そう、ギルドの依頼を受けるのには、基本的に決まりがある。依頼には、推奨ランクというものが決まっていて、自分のランクの1つ上までしか、受けれないようになっている。この措置は、ランク上げたい、儲けたいという、実力の足りていない冒険者が、無茶をして死亡しないように、ギルドが配慮しているのである。。ゴブリンやオークは、2、3匹の討伐なら、依頼は、Dランク依頼。Fのクレイでも受けられる。だから農場などの依頼を受けていた訳だ。
が、数の脅威というのは、凄まじい。同じオークでも、数が20になると、依頼は、Cランク。50だと、B。100で、Aランクである。それが300だ。どう考えてもS以上なのだ。今回のオーク大進行は、ギルドの特別依頼なので、全冒険者が、参加出来た。いや、参加しないと、オークを止められないと判断したからだ。例えFであろうと、何人もの冒険者と協力すれば、何頭かは、倒せるし、数を減らせば、街の被害も減る。もちろん、街には、街の護衛の騎士団というのも、存在する。が、数が少なく、基本は、街の要所を護っている。外壁には、普段、門の所に門番として、2人居るだけだ。とても騎士団だけで護れる数ではなかった。だからこそのギルド依頼であり、ギルドの発言力は、街では、かなり大きい。
領主といえ、ギルドにそっぽ向かれては、街の運営は出来ないのが普通である。
まあ、ジャックは、ギルドとべったりになるのは良しとしないため、ある程度の距離を置いているらしい。だから、クレイを事前に紹介もしていなかった。
領主の息子なのにである。
ギルドマスターは、とりあえずクレイを、Aランクにする事を決めて、次にクレイが、ギルドに来たときに、ギルドカードの書き換えを、職員に命じるのであった。




