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LOVERSコード3neon―1係応援案件編―  作者: 蒼貴みかげ


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code08:vision01 MAGENTA PHONE

 それから数日。

 新たな事件は起きず、捜査に進展はない。


 司令部第三係は組織犯罪対応に切り替え。

 高桐奈守の不在の時間が増えた。

 

 三朝は基本、本部待機で。

 資料の用意、調べ物、雑務を担当して。


 そうして迎えた5月13日。

 出勤直後に鳴った電話で事態が変わった。


『医局からだな』


「昨夜、女性が収容されたとかで」


『こっちにも早瀬先生から連絡があった』


 おや? 私用電話ですか~?

 と茶化す声が、電話の奥から聞こえて来る。

 声の主は、もちろん三係の某Nさん。


「言われていた資料はどうしましょう」


『いい。倉橋に振る。

立樹は行ってこい。あとで経過、教えて』


「わかりました。では」


 もっと何かないのかよ――。

 Nの声を消すようにブツっと電話が切れた。

 本部のどこかでは、ある様子だったが。


 三朝は、女性対応要員でもある。

 被疑者、被害者を問わず、女性ならば

 まずは三朝が対応する、という役回り。


 ともかくも1階、医局へ出向いた。


「立樹補佐。お疲れさまです」


 立樹三朝司令官補佐。

 略して『立樹補佐』という呼び名が。

 いつしか部署外で定着しつつあった。


「お疲れさまです」


「診察室へお通しするよう言われてますので、

こちらにお願いできますか?」


 にっこりと。

 可愛らしく微笑んで、その看護師さんは。

 三朝を案内して、診察室の扉を開く。


「イス、お出ししますね」


 大きな黒目で、いちいち三朝を見て笑う。

 綺麗にアップした髪からこぼれた前髪が。

 揺れて印象的で、つい見つめてしまう。

 自分より明らかに……3つは下じゃないか?


 『有村友乃』のプレートをつけたその看護師は、

 丸イスを2つ出して、また笑みを見せる。


「ありがとうございます」


「少ししたら椿先生が来ますから。

私も待つよう言われているので。ご一緒させて下さいね」


 ……無言で待つのは気まずいよな。

 腰を落ち着けた有村友乃を振り返った。


「有村さんは、最初からこちらに?」


 リスを思わせる大きな目が揺れる。


「はい、開設の時から。去年の9月ですね」


「お若いのに、慣れてる感じがしたので」


「そうですか? 働きやすい職場なので。

早瀬先生が親しみやすい方でしょ?

来て良かったねって皆で言ってるんですよ」


「それは、そうでしょうね」


 というか声までホントに可愛らしくて。

 何かファンになりそうな引力を感じていた。


「立樹補佐は4月からでしたよね、今年」


「そうです。やっと少し慣れたところで」


「司令部ですもんね。三係は事件もハードで。

高桐警視まで、ついに怪我されましたよね」


 そう。

 他でもない、この診察室で、あの夜。


「早瀬先生に診ていただきました」

「聞きました。けっこう騒ぎになってて」

「え?」


 訊き返すと、笑顔のまま声を潜めた。

 

「派閥の人が多いですからね。

何かあると、すぐ噂が広まるんですよ」


 ――ああ。

 

 あるのか、ここも――と思っていた。 

 北海道警の本部と同じ。

 その種の熱感はJPOにもあると知った。


「司令部の方は、特に目立つでしょ。花形?

それぞれ派閥ができちゃってて」


 それぞれ……。


「高桐派、奈守派、チーム白石……みたいな。

看護師も女性職員の方も所属員、多いです」


 三朝は言葉を返せなかった。

  

 それって有村さんも入ってるんですか?


 聞きたいところだったが。

 先に友乃がイタズラっぽい色を見せた。


「着々と男性職員の方も分かれてますよ」

「え?」

「立樹派と、椿派に」


 そこで診察室の扉が開いて。

 椿と、もう1人。

 若くて派手な女性が姿を見せた。

『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。

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