第4話:学校WEBサイト改ざん事件を裏から解く
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クラスの地味男子・木村達也の覚醒度91%という怪物級の才能を知った拓真。
そんな中、学校の公式Webサイトが何者かに攻撃される事件が発生!
パニックになる職員室をよそに、拓真と「影のプログラマー」木村のタッグが裏で動き出します。
「おい、聞いたか? 学校のWebサイトがハッキングされたらしいぞ!」
放課後、教室に飛び込んできた男子生徒の叫び声に、クラス中がどよめいた。
スマホを取り出して学校の公式ホームページを開いてみると、本来のトップページではなく、悪趣味なドクロのイラストと「この学校のセキュリティはゴミだ」という煽り文句が表示されている。
「うわ、マジじゃん……」「これって警察沙汰になるやつ?」
ざわつく生徒たちを制するように、担任の教師が慌ただしく教室に飛び込んできた。
「みんな、今日は部活も中止だ。速やかに下校しなさい!」
教師たちのパニックぶりから察するに、外部の業者を呼ぶにも時間がかかり、対処の手立てがなく手詰まりになっているらしい。
(学校のサーバー程度なら、素人のスクリプトキディレベルでも落とせるかもしれないが……放置すれば生徒の個人情報まで抜かれるぞ)
俺はふと、教室の隅に視線を送った。
他の生徒たちが騒ぐ中、木村達也だけは落ち着き払った様子で鞄からノートPCを取り出し、静かにキーボードを叩き始めていた。
彼の頭上に浮かぶ文字『才能:プログラミング・セキュリティ 潜在レベル:S 覚醒度:91%』が、まるでエンジンがかかったかのように青く明滅している。
俺は迷わず木村の席へと歩み寄った。
「木村、状況は?」
突然声をかけられ、木村はビクッと肩を揺らした。厚い眼鏡の奥の目が、驚きで丸くなっている。
「えっ……さ、佐藤くん? な、なにが……?」
「隠さなくていい。お前なら、あのサイトの改ざんを直せるだろ?」
「な、なんでそれを……っ!?」
木村が息を呑む。自分の「裏の顔」を見破られたことに動揺しているようだ。俺は彼の隣の椅子を引き寄せ、腰を下ろした。
「直せるか、直せないか。どっちだ?」
俺のまっすぐな視線に押されたのか、木村は眼鏡のブリッジをクイッと押し上げると、ボソリと呟いた。
「……直せるよ、こんなの。海外のクラッカーが公開してる既知の脆弱性をついた典型的なスクリプト荒らしだ。ログを解析してIPを特定して、バックアップから復旧するまで……5分もいらない」
その声音には、普段の気弱な面影は一切なかった。本物の『プロ』の自信が、そこに溢れていた。
「ただし……」と木村は俯く。
「僕が勝手に学校のサーバーにアクセスしたのがバレたら、盗聴とかハッキングを疑われて退学になっちゃうかもしれない。だから……助けたくても助けられないんだ」
自分の才能に怯え、目立たないように生きてきた男の葛藤。俺は彼の肩をポンと叩いた。
「安心しろ。お前が目立つ必要はない。
お前は俺の指示通りにキーボードを叩いて、裏でサーバーを修復すればいい。
表の『功績』は……そうだな、生徒会か情報処理部の名義にして誤魔化してやる」
「佐藤くん……どうしてそこまでしてくれるの?」
「決まってるだろ」
俺はニッと笑ってみせた。
「こんな面白いチート能力持ってる奴が、指くわえて見てるだけなんて勿体なさすぎるからな」
木村は一瞬ポカンとした後、眼鏡の奥の目を細めて小さく笑った。
「……変な人だね、佐藤くんは。じゃあ、3分で終わらせるよ」
木村の指が、高速でキーボードの上を躍動し始める。
流れるようなタイピング音。画面上に流れる無数のコード。
わずか2分半後、俺のスマホの画面に映る学校のHPは、何事もなかったかのように正常なトップページへと戻っていた。
「……完了。侵入経路も塞いで、攻撃者のIPアドレスもログに残して生徒会のアドレスに匿名で送っておいたよ」
「完璧だ」
俺は木村と固いハイタッチを交わした。木村は自分の手を眩しそうに見つめている。
「……僕の力、役に立ったのかな」
「役に立ったどころじゃない。お前は今日、この学校を裏から救ったヒーローだ」
木村の頭上のステータスを見ると、『覚醒度:91%』だった数値が『93%』に上がっていた。
才能は、発揮され、誰かに認められた時にさらに開花するのだ。
(異世界で魔王を倒すのもいいが……こういう『影の功労者』をプロデュースするのも、悪くない)
俺の現実世界での無双は、まだ始まったばかりだ。
第4話をお読みいただきありがとうございました!
木村くんのSランク才能が遺憾なく発揮され、学校の危機を裏から見事に解決しました!
拓真の「プロデューサー」としての立ち回りも板についてきましたね。




