シーズン2 第4話:崩壊する金の城、そして新たな幕開け
いつもお読みいただきありがとうございます。『トラックに轢かれたのに異世界転生できませんでした。~現実世界で【才能鑑定】のチートが生えたので、隠れ天才たちをプロデュースして最高に面白い日常を作ります~』、シーズン2・第一部の完結となる第4話をお届けします。
カジノ王ヴィクターの不正と全財産を世界中に暴露し、ラスベガスの街を完全にファンタジーの迷宮へと染め上げた壮大な作戦のフィナーレ。世界を巻き込む天才たちの狂宴と、さらなる高みへ向かう旅の続きをどうぞお楽しみください!
「――おい、これはいったいどういうことだ……っ!」
ラスベガスのカジノホテル最上階、豪華な執務室。カジノ王ヴィクター・クロフォードは、目の前で次々と赤く点滅を始めるモニターの群れを見て、絶叫しながら総天然皮革のチェアから転げ落ちた。
世界中の金融機関と結ばれていたはずの全メイン口座が、一瞬にしてすべて「凍結」の文字に変わり、彼の不正蓄財の証拠データが、世界中のすべてのSNSやメディアのトップ画面へと強制配信されていく。
「メインフレームのファイアウォールが完全に全壊しました! 相手のハッカー、化け物すぎます……! このままでは資産の全没収どころか、国際手配が秒読みです!」
側近の秘書が顔面蒼白で怒鳴り声を上げるが、ヴィクターがそれを耳にする余裕はもう残されていなかった。
階下のカジノフロアでは、幻想的なルーン文字やドラゴンの幻影に包まれた空間の中、パニックに陥った富豪客たちが我先にと出口へ殺到し、街全体が「現実とは思えない狂騒の巨大迷宮」と化していた。
その光景を、高層ビルの暗がりの屋上から冷静に見下ろしている男がいた。佐藤拓真だ。
彼の隣では、九条奏がノートPCをパタンと気持ちよく閉じ、満足げに伸びをしていた。
「ふう、お疲れ様。ヴィクターの隠し口座から引き出した資金の大部分は、世界中の慈善団体と――私たちの今回の遠征費として、キレイに洗浄して回収しといたわよ。プロデューサー、いい仕事したでしょ?」
「上出来だ、九条。お前の指先一つで、世界を牛ルカジノ王がただの無一文の裸の王様に成り下がったな」
拓真は不敵に笑い、冷めた缶コーヒーを喉に流し込んだ。
その傍らで、如月蓮と蓮見も心地よい疲労感を漂わせながら笑い合っている。
「いやぁ、派手に暴れまくったな! あの警備員ども、俺の磁場で全員天井に貼り付けてやったぜ」
「私の描いた壁画、あの街のネオンに負けず劣らず最高にイカしてたわよ。芸術の価値が分かってない連中に見せつけてやるにはちょうどいいお仕置きね」
地球全土を巻き込む狂宴は終わらない
バチカンでの神聖な奇跡に続き、ラスベガスのカジノ王を完膚なきまでに沈めた今回のグローバル作戦。
世界中のニュースは「現代の怪盗集団による前代未聞のエンターテインメントテロ」の話題で持ちきりになり、一般の人々は恐怖するどころか、次に誰が標的にされるのかという狂熱的な期待に胸を躍らせていた。
飛行機のファーストクラス。日本を飛び出し、さらなる広大な世界へと向かう航空機の窓から、拓真は夜空に輝く星々を見つめながら静かに呟く。
「異世界に行けなかった俺たちが、現実の地球を最高のファンタジーに染め上げる。……さて、次はどこの退屈な大国をバグらせてやろうか」
天才たちの暴走と、それを率いるプロデューサーの終わらない悪戯は、海を越え、大陸を越え、さらなる混沌と熱狂の渦へと突入していくのだった。
(シーズン2・第一部 完 / 次章へ続く……!)
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
バチカンでの神聖な奇跡に続き、ラスベガスのカジノ王を完膚なきまでにプロデュース(?)して見せたシーズン2の第一部。九条奏の圧倒的なハッキング、蓮の物理無力化、蓮見の狂気の空間アート、そしてそれらを統率する佐藤拓真の冴え渡る采配が、地球規模のスケールで炸裂したエピソードとなりました。
現実世界を自分たちの手で最高のファンタジーに変えていく彼らの暴走劇は、ここで一区切りとなりますが、世界にはまだまだ退屈な大国や眠れる天才たちがたくさん待ち受けています。さらなる混沌とワクワクに満ちた次章の展開も、どうぞ心待ちにしていてください!
温かい感想やレビュー、毎話の応援を本当にありがとうございました!また次回の新たなステージでお会いしましょう!




