シーズン2 第3話:カジノ王の反撃、そして仕掛けられた罠
いつもお読みいただきありがとうございます。『トラックに轢かれたのに異世界転生できませんでした。~現実世界で【才能鑑定】のチートが生えたので、隠れ天才たちをプロデュースして最高に面白い日常を作ります~』、第3話をお届けします。
カジノ王ヴィクターの反撃により、一気に緊迫したサイバー戦と防衛戦へと突入した今回。逆探知の罠を逆手に取り、拓真たちが仕返す痛快な反撃劇と、カジノ全体を巻き込んだ壮絶な攻防戦をお楽しみください!
「――おい、防犯システムが完全にロックされた! メインフレームの制御権が、どこの馬の骨とも知れないハラスメント野郎に奪い返されかけてるぞ!」
ラスベガスのカジノホテル、その最上階の統制室。九条奏は普段の不敵な笑みを消し去り、冷や汗を拭いながら猛烈なスピードでキーボードを叩いていた。
モニターの向こう側から押し寄せてくるのは、世界最高峰のセキュリティAIを操る未知のハッカー集団の猛攻。カジノ王ヴィクターが私財を投げ打って雇い入れた、国家レベルのサイバー傭兵たちだった。
「……ほう。さすがは世界中の金を牛耳るカジノ王だ。ただの成金で終わるわけにはいかないってか」
モニタールームの隅で腕を組んでいた佐藤拓真は、険しい表情を浮かべながらも、どこか楽しげに口元を歪めた。
その頃、カジノのメインフロアでは、ファンタジーの迷宮へと書き換えられた空間にヴィクターの私設警備部隊が突入していた。重装備に身を包んだ屈強な男たちが、蓮見の描いた幻影の壁画を銃口で威嚇しながら進んでくる。
「おい、不法侵入者ども! 直ちにその悪質なシステムを解除しろ!」
「はっ、あのおっさん、数で押せば何とかなるとでも思ってやがる」
如月蓮は空間に歪みを作り出し、飛んできたゴム弾の弾道をいとも簡単に捻じ曲げながら冷ややかに笑う。
その隣で、蓮見はスプレー缶を片手にフンと鼻を鳴らした。
「私の芸術を銃口で脅すなんて、いい度胸じゃない。もっと派手に空間そのものを歪めて、あの警備員どもを出口のない迷宮の奥底に閉じ込めてやりなさいよ、レン」
交錯する謀略と、拓真の次の一手
状況は一筋縄ではいかなくなっていた。奏のハッキングによって一時的に停止していたカジノの換金システムが、ヴィクター側の逆ハッキングによって少しずつ息を吹き返し始めている。
「プロデューサー! 向こうのファイアウォールの中に、厄介なトラップコードが仕組まれている。このままじゃ、私たちの位置情報が逆に世界中の警察と Interpol に逆探知されるわ!」
奏の緊迫した声が、チーム全員の耳に飛び込んできた。
絶体絶命のピンチ。世界を股にかけた大掛かりなカジノジャックが、逆に自分たちの首を絞める罠になりかねない瞬間だった。
だが、拓真はその場で一歩も引かず、冷徹な瞳で全てのモニターを見渡した。
「……焦るな、九条。あいつが逆探知を狙ってトラップを仕込んできたってことは、俺たちの『本当の居場所』にまだ気づいてない証拠だ」
拓真は自分のスマホを取り出し、不敵な笑みを浮かべながら画面をタップした。
「むしろ、向こうから隙だらけのメインサーバーを差し出してくれたなら……利用しない手はないな」
拓真の【才能鑑定】のチートスキルが、カジノ王ヴィクターの隠された口座データと、彼が裏社会で行ってきた違法取引の全貌を鮮やかに暴き出す。
「九条、相手の逆探知の回路をそのまま利用して、ヴィクターの全財産と裏の黒い証拠データを――世界中の全メディアとSNSに一斉にばら撒け!」
「――っ! なるほど、そういうことね。了解、一網打尽にしてあげるわ!」
奏の指先が狂ったような速度でキーボードを叩き、反撃のエンターキーが力強く押し込まれた。
ラスベガスの夜空に浮かぶ巨大なイリュージョンの真下で、世界中のマネーと権力を支配していたカジノ王の城が、内側から音を立てて崩れ去ろうとしていた――!
最後までお読みいただきありがとうございます!
世界最高のサイバー傭兵を相手に、九条奏のハッキング能力と拓真の【才能鑑定】が噛み合う熱い展開を描いた第3話。ただのイリュージョンや悪戯ではなく、権力者の不正や隠された富を暴いていく「プロデュースの真骨頂」が見えてきたのではないでしょうか。
ヴィクターの全財産と裏の顔が全世界に暴露されたとき、ラスベガスのカジノはどうなってしまうのか。そして、地球規模を揺るがすこの大騒動の結末とは――?
怒涛の展開が続く次回の第4話もお楽しみに!感想や温かい応援、いつも本当にありがとうございます!




