第17話:巨大フェスのオファーと生徒会長の秘密
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生配信での圧倒的なパフォーマンスで『KAI』を返り討ちにし、ネット上の評価を揺るぎないものとした拓真たち。
そんな彼らの元に、ついにネットの枠を超えた「巨大屋外フェス」からの出演オファーが届きます!
高鳴る胸を抑えて準備を進めようとする拓真ですが、その前に立ちはだかったのは……全校生徒が恐れる容姿端麗な生徒会長で!?
「同接30万人の生配信を経て、チャンネル登録者数はついに100万人を突破したよ」
部室でノートPCを操作する木村が、いつもの淡々とした口調で報告する。だが、その眼鏡の奥の瞳はどこか誇らしげだ。
「ひ、100万人……!? 私、そんなたくさんの人に自分の絵が見られてるなんて、まだ信じられないよ……」
長谷川さんがスケッチブックを胸に抱えながら、感極まったように溜め息を漏らす。
美咲も自分のスマホに次々と届くファンからのメッセージを見て、嬉しそうに頬を緩ませていた。
だが、プロデューサーである俺の視線は、木村の画面に届いた一通の「公式メール」に注がれていた。
「おい木村、これ……『METROPOLIS MUSIC FESTIVAL』からの出演オファーか?」
「ええっ!?」
美咲と長谷川さんがハッと息を呑む。
『METROPOLIS MUSIC FESTIVAL』――通称メトロフェス。プロのトップアーティストたちが一堂に会する、国内最大級の野外音楽フェスティバルだ。ネット発のインディーズ高校生ユニットがオファーを受けるなど、異例中の異例だった。
「どうする、拓真? これに出たら、もう『ネットで人気の高校生』じゃ済まなくなるよ」
木村が俺を見つめる。美咲も、長谷川さんも、期待と少しの不安が混ざった瞳で俺の判断を待っていた。
「受けるに決まってるだろ。俺たちの才能を、リアルの巨大ステージで世界に見せつけてやる絶好の機会だ」
俺がニッと笑うと、三人は顔を見合わせ、力強く頷いた。
フェスへの参加を決めた翌日、俺たちの前に予期せぬ「壁」が立ち塞がった。
「校外での大型イベントへの参加? 許可できるはずがありません」
生徒会室、冷ややかな声で俺たちの申請書を突っぱねたのは、生徒会長の神崎凛だった。
容姿端麗、成績優秀、全国模試でも常にトップを維持する学園きっての才女。だが、ルールに厳格で「氷の女王」と恐れられている人物だ。
「高校生の分分を弁えなさい。学業に専念すべき時期に、見知らぬ大人が集まるフェスなど……教育上、不適切です」
「校則には違反していません。期末テストの成績も維持しています」
俺が反論するが、凛はピシャリと書類を叩きつけた。
「理由の如何を問わず、認めません。お下がりなさい」
聞く耳を持たない態度。だが、俺は彼女の冷たい瞳の奥に潜む「何か」を見逃さなかった。
(……待てよ?)
俺はそっと【才能鑑定】を発動し、凛の頭上をスキャンした。
『才能:バイオリン演奏・絶対音感 潜在レベル:S 覚醒度:15%』
『トラウマ:厳格な家柄による音楽の禁制・挫折(抑圧度:95%)』
(……嘘だろ? 氷の生徒会長が、バイオリンのSランク才能持ち……!?)
凛の冷徹な態度の裏にあったのは、規律への執着ではなく――音楽への強い未練と、抑圧されたトラウマだったのだ。
俺は突っ返された申請書を拾い上げると、凛に向かって不敵に微笑んだ。
「神崎会長。……本当は、あんたが一番あのステージに立ちたいんじゃないのか?」
凛の美しい顔が、一瞬で凍りついた。
第17話(通算第17話)をお読みいただきありがとうございました!
ついに国内最大級の野外フェス『メトロフェス』からのオファーが舞い込んだ拓真たち!
その前に立ち塞がったのは「氷の生徒会長」神崎凛でした。
彼女の頭上に浮かぶ『バイオリンSランク』と重いトラウマの存在を知った拓真の、次なる「プロデュース」が始まります!
次回、規律の裏に隠された凛の過去と、彼女の心を溶かす拓真の仕掛けとは――!?




