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第16話:本物と偽物

お読みいただきありがとうございます!


現役高校生プロデューサー・KAIからの煽りを受け、緊急の「生演奏ライブ配信」を決定した拓真たち。

「口口だけの素人」「修正だらけの偽物」と叩くアンチやKAIの信者たちが押し寄せる中、一切の誤魔化しが利かない一発勝負のステージが幕を開けます!

「同接続数……10万人突破。現在も爆発的に増加中だよ」


部室に臨時に設営した配信ブース。

画面の向こうからは、KAIの信者や野次馬たちによる心ないコメントが滝のように流れ落ちていた。


『どうせ口パクだろ』『生演奏なんてできるわけない』『KAIさんに謝罪しろ』


画面の端では、KAI本人もアカウントを使って「見ものだね」と煽りコメントを投稿している。


美咲は鍵盤の前で静かに目を閉じ、深く息を吐いていた。

その隣には、リアルタイムで映像エフェクトを生成する長谷川さんと、音響を完璧にコントロールする木村が控えている。


「美咲、準備はいいか?」


「うん。……怖くないよ、たくま。私の音で、全部証明してみせる」


美咲が目を開けた。その瞳には、揺るぎない絶対的な自信が宿っていた。


「配信開始まで、3、2、1……スタート」


木村の合図とともに、画面が切り替わる。


一瞬の静寂。そして――


ポロン――……。


美咲の指先が鍵盤に触れた瞬間、配信画面のコメント欄がピタリと止まった。


マイクを通して流れるのは、ノイズ一つない、あまりにも純粋で圧倒的なピアノの音色。CD音源どころか、生の音だからこそ伝わる圧倒的な臨場感と感情の奔流が、画面越しに世界中の視聴者の耳へと直接叩きつけられる。


長谷川さんがその場で描いたリアルタイムのデジタルアートが、木村のプログラムによって美咲の演奏と完璧に同期し、光の粒子となって画面内を舞い踊る。


音・映像・技術のすべてが完全に融合した、まさに「神の領域」の生パフォーマンス。


『……嘘だろ……?』


『マジで生演奏なのかよこれ……!?』


『音圧がヤバすぎる……鳥肌で鳥になりそう』


『KAIのプロデュースした曲より百倍凄くて草』


手のひらを返したように絶賛のコメントで埋め尽くされる画面。

同接数は一気に30万人を突破した。


その頃、自室で配信を見ていたKAIは、ガタガタと震える手でスマホを握りしめていた。


「な……なんだよこれ……! こんなの、僕の機材でも作れない音だぞ……!? 偽物なんだろ……っ! 嘘だと言ってくれよ……!」


彼の頭上に浮かぶステータスが、惨めな音を立てて崩れ去っていく。


『才能:作曲・トラックメイク 潜在レベル:A 覚醒度:82% ⇒ 60%(プライドの崩壊)』


自分こそが最高の天才だと信じて疑わなかった男のプライドは、美咲の解き放った本物の『SSS』の前に、跡形もなく粉砕されたのだ。


演奏が終わると同時に、配信画面には1秒間に数千通もの投げ銭(スーパーチャット)と歓喜のコメントが吹き荒れた。


美咲はカメラに向かって飛び切りの笑顔を向け、そして――カメラの横に立つ俺に向かって、嬉しそうにピースサインを作ってみせた。


(見たか。これが俺たちの『日常』で磨き上げた、本物の才能だ)


アンチも、嫉妬も、大人の悪意も――すべてを圧倒的な才能と熱量でねじ伏せていく。


俺たちのプロデュース無双は、もう誰にも止められない。

第16話をお読みいただきありがとうございました!


KAIの煽りを一発勝負の生配信で完全に返り討ちにし、圧倒的な実力差を見せつけました!

美咲の完全覚醒した『SSS』の音色とチームの絆が、世界中の視聴者を黙らせる爽快な回となりました。


次回、ネットの枠を飛び出し、ついに巨大フェスへの出演オファーが舞い込む中、拓真の前に新たな「才能の持ち主」が現れ……!?

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