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第14話:神絵師の苦悩と最高のチーム

お読みいただきありがとうございます!


クラスの大人しい女子生徒・長谷川しずくの正体が、SNSで話題の神絵師『ILLUST-X』だと見抜いた拓真。

突然のスカウトに動揺する彼女ですが、実はネットで大絶賛される裏で「ある悩み」を抱えていて……?

「な、なんで……私が『ILLUST-X』だって知ってるの……? 誰にも言わないでって、お父さんやお母さんにも秘密にしてたのに……っ」


長谷川さんはパニックを起こし、小さな身体を縮こまらせて震えていた。


『才能:デジタルアート・イラストデザイン 潜在レベル:S 覚醒度:88%』

『悩み:商業化への恐怖・自分の絵への不信感(抑圧度:70%)』


(やっぱりか……ただ正体を隠したいだけじゃないな)


「ごめん、驚かせるつもりはなかったんだ。ただ、文化祭の美咲の絵を見た時に確信したんだよ。あんなに愛と熱量を持って誰かを描ける絵描きは、身近に長谷川さんしかいないって」


「……っ」


俺の言葉に、長谷川さんはゆっくりと顔を上げた。


「私は……自分の絵に自信がないの。ネットでいくら『神絵師』って持ち上げられても、依頼を受けて商用イラストを描くとなると、途端に指が動かなくなっちゃう……。大人の都合で修正指示を山ほど出されて、自分の好きだった絵が壊されていくのが怖くて……だから個人の趣味として描くしか出来なかったの」


美咲がかつて抱えていた「他人の評価への恐怖」や「大人への恐怖」。

形は違えど、長谷川さんもまた自分の才能を守るために殻に閉じこもっていたのだ。


「長谷川さん。俺たちのチームには、理不尽な指示を出す大人なんて一人もいない」


俺はスマホの画面をタップし、木村が構築したチャンネルの管理画面と、美咲が新曲の練習をしている動画を見せた。


「プログラミングと音響の天才・木村。ピアノで世界を目指す美咲。そして、彼らの魅力を100%引き出す俺。ここに長谷川さんの『描きたいもの』が加われば、既存の事務所なんて足元にも及ばない最高のチームになる」


「私を描きたいもの……?」


「ああ。修正指示なんて出さない。お前が美咲の音を聴いて、感じたままに描いた絵を、俺たちが世界に届けてやる」


長谷川さんは言葉を失い、静かに画面を見つめた。

その目の奥に、ぽっと小さな情熱の火が灯るのが見えた。


『悩み:自分の絵への不信感(抑圧度:70% ⇒ 20%)』

『覚醒度:88% ⇒ 95%』


「……本当に、好きに描いていいの? 美咲ちゃんの曲のジャケット……私が描いていいの?」


「お前以外に誰がいるんだよ」


俺がニッと笑うと、長谷川さんはメガネの位置を直しながら、初めてハッキリとした笑みを浮かべた。


「……やる。私、佐藤くんたちのチームで絵を描きたい!」


音楽の美咲、技術の木村、視覚の長谷川――そして全体を統括するプロデューサーの俺。


これで、現実世界を駆け上がる「最強のクリエイター集団」が完成した。


「さあ、次の動画で……ネットの連中を全員ひっくり返してやろうぜ」


俺たちのプロデュース無双は、さらに加速していく。

第14話をお読みいただきありがとうございました!


神絵師・長谷川しずくが正式にチームへ加入し、ついに「音・映像・絵・プロデュース」が揃った最強のクリエイター集団が誕生しました!

自分たちの「好き」を貫く若者たちの熱い展開となっています。


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