皇后のエージェント
M○6の○○7とは違いますから
だってフィルがいるからね!情報がダダ漏れなんだもん。
あえていうなら二重スパイのエージェント?ちがうか!
ダンジョンコアルームがいきなり停電にあったように、漆黒の闇が突然おとずれるとともに、緊急警報が発報した。ダンジョン中が地震の揺れている。壁にひびが入るとともに、明かりが復旧した。
「メアリーダンジョンサイトNo.4につぐ、そちらのダンジョンシステムはこちらの監視下に入った。これより、メアリーダンジョンメインNo.0のシステムに回線が移行中である・・・」
19730118はこの状況がかなりまずい状況とさとるや否や、ダンジョンコアシステムを破壊しようとした。
ところが、フィルは冷静に別の部屋にいく隠し扉を見つけた。
「驚くなよ、まだダンジョンコアを見つけてないだろ、たぶん今のは偽装だ。ミミ通信をしてメアリーにつないでおくれ。」
そういうと、エージェント達と一緒に隠し部屋に入っていた。
すると、大きな監視制御モニター室があった。そこには2人部屋にいたが、一人は部屋の隅に顔を隠しうずくまっていた。そしてもう一人が、モニターを前にして驚いたようにシーシー言って威嚇してきた。エージェントも身構える前に、フィルが鈴が入った跳ねるスーパーボールのような、良く弾むきれいなボールのようなものを投げ転がした。エージェント達は、爆発物をよけるように四隅に避難すると、突然シーシー威嚇してた者が飛びついた。
「コンコン~!」
突然のことで、皆把握できなかったが、どうやら、じゃれつくように飛びついたらしい。
すかさず、フィルはボールについた紐を自分の目の前に引っ張った。すると、一匹の猫?いや一人の可愛らしい妖狐の女の子が釣れた。フィルは女の子の額に手を置き、呪文を詠唱した。
妖狐の下に魔法陣が現れ、体は光に包まれた。妖狐はぐったりと横になった。フィルは威風堂々と、もう一人の者に問いかけた。
「顔だけ隠してどうするんだ。この可愛い妖狐の奴隷契約を破棄して、我と主従契約を締結させたぞ。逃げるなら逃げてもいいぞ。」
すると、さらに意固地になったように震えだした。
「我の顔を見ると、お前たちは石のように固まってもいいのだな!」
フィルはその声を聴いてもなお、隅の者に近づいた。
「メアリー大丈夫だよ。そんなことを言わないでも。呪いが残っていると思っているならもう大丈夫。解呪したよ。君がかけた祈りは叶ったんだよ。もう、僕はどこにも行かないよ。メアリー愛してる。」
隅にいた者は皇后メアリーだった。
「なんで、本当なの!あなたを見てもいいの?死なないの?」
「僕は死にましぇんあなたが好きだから!」
昔懐かしいドラマみたいなセリフを吐くが、メアリーはフィルのほうをまだ向かなかった。
メアリーはモジモジしながら照れ始めた。
「フィリップのことが好きー。だけど、私がおばちゃんになっても、好きでいられる?」
「大丈夫だよ。こっちも、転生したのは人間だぞ。そっちこそ、見てガッカリするなよ!」
フィルは笑い飛ばした。我慢できずにウズウズしだしたメアリーはもう一度聞く。
「エルフに転生を願ったほうが良かったの?死ぬ前に地球に戻りたいって言ったから・・」
「エルフに生まれたら、まだ僕は子供で、君にもう一度結婚してくれって言えないけどいい・・」
「フィリップ愛してる!」
メアリーはまるで16歳の少女のようなあどけない笑顔と泣き顔が混じったような素直な心で、真実の愛をつかんだ。そして二人は、抱き合い抱擁しながら、熱いキスを交わした。
「ほんと、フィリップったらお爺ちゃんね。」
「メアリーは昔より、幼くなったのかな?でも、お爺ちゃんはないぞ。」
メアリーはボーとしてる妖狐の手をつかみ、フィルの顔に当てた。
「よく、こうやって、ヨーコに殴られてなかった。フィリップ!」
フィルは思い出したくないような記憶がよみがえった。
「まさか、ヨーコの子・・違うの?孫なの?」
メアリーは首を振りながら答えて見せた。そしてフィリップ王が死んだ後の話をした。
魔物使いの勇者といえども、魔物の主が死んでしまったら、魔物は凶器に変わる。それを恐れた、臣下の者たちが奴隷契約を魔物達にしてしまった。不憫に思ったメアリー王女は、王女付きの護衛メイドにした。そして、月日がたち、結婚させたが王家につかえる以上奴隷契約は絶対条件であったため、生まれてくる子や孫まで、奴隷契約を結ばなければならなかった。
フィルは幼い妖狐の手を握り微笑むのであった。
「名前はなんていうんだい。」
「わっちは、ユーユ。伝説の勇者フィリップ王の臣下ヨーコおばあちゃんの孫だ。凄いだろ!」
フィルは何となくわかっていたことをメアリーにきいた。
「まさか、メアリーは僕の臣下すべて面倒を見ていてくれたのか。」
「そうよ。あなたのいやらしい魔物すべて面倒見たのよ。でも、本当にいい娘たちだったわ。結婚するときは娘を嫁に出すようだったわ。でも、一人だけ・・・・不幸な事故にあってしまったの・・・」
そう言いかけると、エージェント達がすまなそうに話を中断させた。
「あのー込み合ってるところすいません。19730118さんがシステムを復旧させたいらしいですけどいいですか。」
フィルと皇后メアリーは二人の世界に入ってしまっていたので、周りの者たちはあてられていた。しかし、エージェント達はすきを見つけて、というより放置されている状態から抜け出したかったのである。
「それと、呪いも解けたんだから、ゆっくり城でお話ししたらどうですか?メアリー皇后様?」
「わかったわ、でも、このダンジョンの管理を私たちの可愛い孫達ミミとユーユに扱い方を教えないといけないの?」
メアリーはそういうと、フィルはどうしてここいるのかをたずねた。
「でも、なんで、魔王城だったダンジョンにネクロマンサー・ミレーユの孫と妖狐ヨーコの孫をダンジョンマスターとダンジョンコアとしようとしたんだい。」
「そういうフィリップもなぜ、私がいるってわかったの?」
質問を質問で返すあたり、バカップルを発揮している二人にもう一度エージェント達が言った。
「問題なしってことで、私たちは仲間がダンジョンの外にいるので・・・失礼しますね。では!」
しかし、メアリー皇后はエージェンとたちを引きとめた。
「待って、ダンジョンコアの19790118ときたんだから、このダンジョンを管理しようときたんでしょう。だったら、このダンジョンに住まない?魔王が倒されて空いたダンジョンを放置できないし、急遽、私が管理している、別次元のダンジョンも荒らされちゃったから、知り合いの孫たちまで応援に来てもらってるのよね。猫の手も借りたいってやつよ。どうかしら?」
フィリップやエージェント達はメアリーが不動産会社のオーナーのように見えてしまった。
「ダンジョンを管理?管理するものなの?」
メアリーは急に眼鏡をしだして、リクルート姿に変身した。
「私はこの国の皇后もしてるんだけど、毎年、亡くなった冒険者たちの供養をおこなってるのよね。ダンジョン自体、システムコアを破壊すれば埋まっちゃうんだけど、ダンジョンマスターがなくなった、ただのダンジョンは、良い観光先にもなるし、民のほとんどがダンジョンに親類縁者がなくなってる者が多くて、巡礼して永代供養をおこなってるのが大半なのよ。それに、管理しないと、盗賊とかの住処にもなりかねないしね。」
「だから、ネクロマンサーと妖狐・・・」
エージェント達がつぶやくと、被せるようにニタニタしだした。
「それに、ダンジョンは異世界人にとって、いい繁殖環境なのよね!先にダンジョンを管理しないと、魔王が生まれ育っちゃうんだから。だから、ダンジョンを見つけると異世界人にダンジョンを紹介したり、商売をする輩もいるんだから。まさにダンジョンビジネスってやつよ。昔は、ダンジョンビジネスにあやかって転生者を呼ぶ者もいたのよ。」
エージェント達はメアリー皇后の舌が饒舌になっているので、素直に聞いてみた。
「それで、ダンジョンビジネスで儲かってるんですね。」
「そりゃ、もうかるわよ。伊達にギルドマスターまでやって情報を得てるわけじゃないんだから!」
「本音出てますよ。メアリー皇后。」
メアリー皇后は少し小さくなってしまった。
「だってフィリップの呪いを解きたかったし、寂しさを紛らわすために商売に打ち込んだんだもん。」
「あんた、皇后だろ。政治に打ち込めよ。」
フィルは場が荒れだした雰囲気を察し、その場をおさめるように仲裁に入った。
「まあまあ、ダンジョンの管理は別次元でもやってたからな、メアリー。お前のことだからこっちの世界でも管理しようとしたんだろ。ありがとうな。」
「いいのよ、フィリップ王。私は皇后としてやるべきことをやったまでよ。でも・・・どうやって呪いがとけたの。よく後姿で私ってわかったわね?」
フィルはメアリーにこれまでのいきさつを話した。それは、地球で呪いが解ける者がいることや報告書でダンジョンが昔メアリーと管理していたダンジョンと同じつくりになっていること。そして、ダンジョンマスターがネクロマンサーで、ダンジョンコアが妖狐だったからメアリーがいるってわかった。
そう話すと、外野から「声でわかったんじゃない?」と、やきもちを焼くように突っ込みを入れている。
メアリーはうらやましいだろうと言わんばかりに、舌を出して照れている。
「このダンジョンは魔王が長年いたから、結構ダンジョンポイントがたまってるから、好きに使ってもいいわ。もしなんなら、独立してもいいわよ。でも、今まで通りに、メアリーダンジョンサイトとしてつかってもいいわよ。」
「ダンジョンサイトだとメリットある?」
「あまりダンジョンのこと知らないのかしら?19730118教えてあげてないの?」
19730118は軽くお辞儀をして話し出した。
「今ここの部屋は元いた異世界の魔王城のダンジョンとは違いますよ。この規模のダンジョンですと、ダンジョンコアルームに限り、異世界同士や別次元だろうとダンジョンをつなげることもできるんですよ。まーメインシステムで管理すればですけどね。」
エージェントははしゃぎだした。
「そのドアはどこでもドアになるの!凄い!」
19730118は冷静に突っ込みを入れた。
「どこでもドアにはなりません。ダンジョンコアルームをつなげるだけですから?でも・・・行先を指定するプログラムを入れて管理・・・・できるかな?」
皇后はエージェント・ブラックの背中をたたいた。
「住むなら、ダンジョンコアルームだけ改造してもいいぞ、他の階層は素人はいじらないほうがいいぞ!ダンジョンマスターが新に現れたと間違われるからな!取あえずシステムキーを渡すから、詳しくは19730118に聞け。そーだ、19730118。私はお前たちが逃げ出したと勘違いしていたぞ。後で詳しくフィリップ王から聞いておくぞ。いいな!」
メアリー皇后は19730118をしかりつけるように睨んだ。19730118は蛇に睨まれたように固まってしまった。
エージェントたちも少しビビったのか、一度ダンジョンを出ますと言って、光学迷彩を速攻で着込み、透明になりその場から消えてしまった。
エージェント達がいなくなり、メアリー皇后は仕方なくミミとユーユに19730118がダンジョン教育するように申しつけて、フィルとお城に向かうのであった。
「フィリップ、そこの通路に色が違う模様があるでしょ。そこを強く押して。」
メアリーが言った通りにフィルが壁を強く推すと、次元の穴が現れた。その穴をくぐると、あの日フィルがなくなった、王の寝室につながっていた。
メアリー皇后はフィルに寄り添いながら強く抱きしめた。
「あなたがなくなった日のままよ。ここだけは何も変わってないの。」
「メアリーごめんね。私は人間に生まれかわっても、やはり、先に死んでしまうだろう。でも君を愛する気持ちは永遠だよ・・」
フィルはそういうと唇を重ね・・・ふたりは王のベットの中へ消えてしまった。
そのころエージェント達は合流し拠点に戻っていった。
ダンジョンでの話をみんなと共有していると、突然パイが大声を出した。
「皇后のお墨付きをうけたんでしょう。ダンジョンに住もうよ。そして皇后のエージェントとして異世界で活躍しようよ。なんか、かっこよくない!スパイ映画の主人公みたいでさ!」
ダークは冷静な顔でみんなの表情を読み取ろうとしたが、それぞれ、主人公になったようにニヤニヤしていた。
「ウン。では、まず、報告書を地球連合国家に挙げてこれからのプランを再度検討してもらおう。OKが出ればすぐに引っ越しだ!」
「なんだダークも魔王城に住みたかったのね。わかる~わ!」
「そうだ、未開の地のダンジョンのことも皇后に聞こうよ。あそこなら、こちらの異世界の魔物調査が詳しくできるかもしれないでしょ」
「それに、皇后はダンジョンの知識も技術もありそうだから、味方になったほうが絶対得よね。エルフだから魔法封印技術も詳しいんじゃない。いろいろ教わりたいわ。」
こういう風向きの時って仕事は、早いに決まっている。ごり押しというか、根回しというか、おれよあれよという具合にダンジョンに引っ越しをしてしまった。
そして、この異世界に皇后という後ろ盾を得た今、地球連合国家は秘密裏に進めていた、異世界交流移民計画が本格的に実のなるものへと着実にすすみ始めるのであった。
ぼちぼち更新します。




