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三度ダンジョン調査

ネクロマンサーのミミ

 魔王がいた居城というダンジョンにエージェントとフィル、そして19730118が転移魔法陣をつかい訪れた。

今回の調査目的は、ダンジョンコアルームの確認を第一目的とした。なぜなら、あらかたエージェントたちが魔王の財宝などが隠してある、隠し部屋も調査してあったからだ。


不意にフィルが魔物の気配を感じた。しかし、いとも簡単に魔物を捕まえてきた。

ダークは何がおこったかわからず、エージェントたちに光学迷彩を着て透明になるように指示した。それでも、フィルと19730118は捕まえた魔物と会話をしようとした。


透明になったダークは、そのままの状態で、フィルに尋ねた。

「フィル、何やってるんだ!早く光学迷彩服を着ろ。今日は魔物が出てる。何かやな予感がする。」


 そんな言葉を聞き、フィルは少し嬉しそうな顔をした。19730118も魔物の特徴を読み取ったり、スキルを確認したりしている。エージェントたちは透明になりながらも、この奇妙な行動を見ていらだちを覚えたらしくあえて大声を発した。


「あなたに倒されたい勇者一行が来ました。魔物退治されちゃうぞー。」

「何言ってるの、レッド。本当にやばい魔物が来たらどうするのよ。しょうがないわね~。ここにいい女もいます。イケメン募集中ですよ。カッコいけてる魔物も随時募集中~。」

「不味いな!ブラックも言ってやってよ。みんな戦闘する気満々になってるわよ。」


冷静にならずにはいられない見えないエージェントにフィル魔物と話すのはやめて大声で叫んだ。

「自分の姿も見せれないけど、いい女と叫ぶ乙女もいますよー。ハハハ。みんな今日は勇者になろうぜ!」


その叫び声に反応したのか、エージェントは着たばかりの光学迷彩服を脱いだ。

「わかったよ。フィル。戦うわよ。それより、あんたは腕には自信があるわよね。」


「話してなかったっけ。以前俺は、異世界で勇者やってたんだよね。まーある意味、魔物は友達みたいなものなんだよね。」


イエローは突っ込みを入れる。

「以前って何よ。あんたは単なる外交官でしょ。」


19730118は喰いかかるイエローをいさめた。

「フィルは地球に転生する前はこの異世界で有名な魔物使いの勇者であり、この国の王だったほどのお方お知らんなのか。妻の皇后には、今でも我のいたダンジョンにおいてもいろいろお世話になっているんじゃぞ。」


エージェント一同、ダンジョン中に響き渡りそうな声で驚いた。



呆然としていた一行にフィルは昔話をした。

「約50年も前の話だよ。昔は勇者フィリップ王なんて呼ばれていたんだが、今じゃ地球に生まれ変わって地球連合国家の外交官さ。」


すかさず19730118はフォローをする。

「皇后さまのお力で勇者の記憶とスキルを持ったまま、転生された貴重な人材ですぞ、勇者フィリップ王。」


しかし、エージェントは裏腹に、地球に生まれなかったら、その才能が発揮してたんだろうな~かわいそうな人なんだろうな~がんばれフィル!と思った。


そうこうしていると、魔物たちに囲まれてしまった。しかし、雑魚相手では、すべて、魔物使いの魔眼といえるスキルですべて、フィルになついてしまう。それでも、自我をもっているような魔物は抵抗しよとするが、フィルの口笛とともに、懐いた魔物たちが、攻撃を仕掛ける。ある意味で、無敵状態に近い攻防が繰り返された。


 エージェントブラックはこの異様な光景の中で急遽、エージェントたちに支持をする。

「レッド、イエロー、今回のダンジョン調査は何か様子がおかしい。まさか、新たな魔王が誕生した可能性を視野に、例の装置でダンジョン内のマップを確認してくれ。グリーンとピンクは一度ダンジョンを出て、周辺を調査及びバックアップの準備!我おブルーは新たな魔王誕生を確認任務に入る。」


「イエッサー!」


エージェントたちは散らばり、ダークも光学迷彩服と魔法を詠唱し始めた。

それを見て、フィルはやれやれといった感じをかもしだした。頃合いを見て、フィルは大きく叫んだ。

「お前の部下たちから聞いたぞ。いるのはわかってるぞ。」


そう叫ぶと、ダンジョンの通路が光出した。一人の大きなマントを来た妖術師が現れた。ケタケタケタお笑い出したかと思うと、すぐさま、スーと消えて、近くに現れた。そして、またスーと、奥から、何体も何体ものゾンビやスケルトンが軍団となって襲って来ようと、ダンジョンの通路や壁から現れた。しかし、フィルはあわてず、妖術師の目を見た。


「死人使いとは珍しい。今回の魔王は人間の死者まで働かせるのか。可哀想にな。」


フィルはためらわず、指から雷系の魔法を放った。それをみた19730118は手をたたいた。

「いやいや、すさまじい威力ですな~。一瞬で30体のアンデッドが塵にかえりましたぞ。次は私が魔物を屈服させましょう。」


「いやいや、ダンジョンコアのメインシステムを抑えればいいだけだから先を急ぎましょう。」


フィルがそういうと、透明になっていたエージェントブラックとレッド・ピンク・ブルーが姿を現した。

「フィル殿、実はこのダンジョンには、現在、魔王ではなくネクロマンサーが住み着いています。すでに、確保しました。」


猿ぐつわをされ,手足を縛られた幼女らしきネクロマンサーを担いでいたブラックは、変態としかおもえなかった。


必死で、笑いを堪えた179730118は思わずグッジョブと親指を立てたサインを送ってしまった。

フィルはおろす様に指示をし、可愛らしいネクロマンサーの額に手を当てた。


「終わったぞ。これで安心だ。猿ぐつわをはずすぞ。」


そういうと、フィルは可愛らしいネクロマンサーにがっちりと縛られた猿ぐつわを外した。

それを見ながら、あわてて、ブルーはネクロマンサーに飛びかかった。


フィルは笑いながらブルーの背中をさすった。


「私は魔物と主従関係の契約を結ぶことや契約を破棄することもできるんだ。このチビッ子ネクロマンサーには奴隷契約が結ばれていたから破棄してやった。そのうえで我と主従契約を締結させたぞ。もう好き勝手はできないか安心した前。」


よく見ると、この女の子というほどの可愛らしいネクロマンサーは涙をだして喜んでいた。


ブラックは不思議そうに聞いた。

「もしかして、フィル殿はテレパシーが使えるのですか?」


フィルは恥ずかしそうな顔をしながら答えはじめた。

「この世界の勇者だったころは、魔物使いが疎まれていて誰にも話さなかったんだが、実はテレパシー以外にも、表情や仕草に匂い、そして、精霊や妖精の声で教えてもらってるんだ。そのうちに魔物と会話もできるようになってね。それは楽しかったよ。転生してからはアンデット系とも意思疎通ができるようになったんだよ。」


ブラックはさすが元勇者様といわんばかりに尊敬の眼差しをおくった。

また、ピンクは少し悲しそうにつぶやいた。

「心がわかるって、少しつらいわね。ましてや意思疎通ができれば頼われるばかりかもしれないわ。」

同じように、ブルーもうなづいた。レッドは相槌まがいにいってしまった。

「そうよね。逆に誰かに頼りたくなるときもあるかもね。フフフ。」


そんな女子の会話に入るがごとくネクロマンサーのチビッ子が声を出した。

「フィリップ王。やさしいメアリーに合わせてあげる。」


フィルはいきなりネクロマンサーを両手でつかみ、高い高いをするかのごとく持ち上げた。

「いとしのメアリーを知ってるのか!ミミ!」


突っ込みどころ満載のフィルにブラックが問いただす。

「あのー。テレパシーで会話すると周りがついていけないんですけど。ちなみに、そのおチビちゃんの名前はミミでいいですかね~?そして、いとしのメアリーってこの世界に彼女がいるんですか?フィルさん?」


「悪い悪い、少し動揺してしまって、・・・えーと・・・なにから話せばいいかな?そうだ、こんな話は知ってるか、他人のスキルが確認できる鑑定というものを・・・ちょっと待ってて・・・えーと、ダーク君の魔法スキルは・・・水魔法がレベル5で・・・」


「ごまかさないでください。何ですか、その鑑定スキルって!何もないところも見たって・・・???えっ!エーーーー!まさか本当にわかるの!!!フィル殿!!」


ミミをゆっくりおろし、頭をなでなでしながら、ポケットから飴を出し、与えながら照れくさそうに説明し始めた。


「前世の前世は地球人で、この国の新官達に転生させられて王子になったんだけど。転生するとき、前世の前世であまりにも不幸な生い立ちで不慮の事故にあって死んだんだけど、見かねた精霊神がチートばりのスキルをつけてくれたんだ。魔物使いや鑑定みたいなスキルもね・・・まーゲームみたいに、人には見えない、ステータスなんかを確認できるパネルなんかが見えるんだよ。精霊神の技術という力がこの異世界には張り巡らされてるんだ。かなり、便利なんだよ・・・」


ダークは一歩にじみよってもう一度聞こうとしたが、さらに一歩前に出たレッドが聞いた。

「なんとなくわかったけど、知りたいのはいとしのメアリーってだれよ!おしえなさいよ。聞かないと、気になって、今夜ねむれないじゃないのよ。」


隠さなければ良かったと少し後悔しながら、50体以上の魔物の前で話す羽目になったフィル。口ごもりながら話すのであった。

「実は・・・地球に転生する前に、パーティを組んで・・・それで、結婚したエルフの名前がメアリー・・・ていうんだ。恥ずかし・・・」


ブルーはすかさず聞いた。

「エルフは長生きだから、今も生きてるんだ~。会いたいの!!ねえねえ。言っちゃいなさいよ。この亜人泣かせの色男さん。まさか、他の魔物も泣かせてるんじゃないの~ヒューヒュー。」



フィルは目をつぶり、昔話をはなし始めた。


百年も前に、魔王を倒すために異世界の神官によって、地球から転生して異世界のパル王国に王子として生まれた。生まれたとき精霊神の加護を受けたため、順調に勇者となって活躍した。あるとき、別次元の異世界から、エルフの巫女がやってきた。エルフ勢力をもってしても魔王討伐はできずにいた。そして別次元の異世界の勇者には精霊神の加護がなかったため死んでしまった。そしてエルフは、別次元の魔王を一緒に倒してほしいと、次元を超えて救援を頼んだ。実は別次元の勇者とエルフと結婚していた。最初はさみしさとくやしさを紛らわすために、死んだ勇者のかわりに、精霊の加護が宿ったこの異世界の王子に頼んだのだ。そして、そのエルフとパーティを組み別次元の魔王を倒した。その後、エルフに一目ぼれしていた王子はエルフと結婚し、王位を継承した。しかし、幸せは続かなかった。なぜならば、ケガが元で、精霊の加護を受けた王も、こちらの魔王は討伐できずに・・・一人の息子を残して・・・死んでしまったからだ。別次元と異世界の2つの世界の王と王女なってはいるが、女王エルフは、2人の愛する王を亡くした悲劇という悲しさから、王の骸に『悲劇の回帰』という呪いを施し、魂の異世界転生を願った。その術は、異世界に今まで得たスキルと経験や記憶すべてをもって転生できるという術なのじゃが・・・それを施した者と再会すると転生者は呪われ死んでしまうというもので・・・ただ忘れてほしくない・・・生きて忘れないでいてほしいという悲恋の術・・・をエルフの巫女の願い・・・しかし、この術精霊神の力でもこの呪いを解くことはできなかった。


フィルは最後にこういった。


「・・・・でも・・・・術が解けました!メアリーに会うことができるんです。」


とてもうれしそうな顔をした、それを見ていた魔物たちも一緒にはしゃぎだした。


あまりにも喜びに沸いた空気に、おまどいながら、声が聞きこえた。


「すいませーん。邪魔して申し訳ない。ダンジョンコアルームを確認できました。来ていただけますか。それに、ダークさん助かりました。エリアマスターらしき魔獣を倒して封印解除していただいたおかげで仕事も十順調に終わりそうです。」

本当に申し訳なさそうに19730118はへこへこしていた。


ブラックも、ついつい、フィルの話に夢中になっていたため報告を忘れていた。

ダンジョンのメインシステムがある部屋にみんながつき、19730118はダンジョンコアのメインシステムにリンクして起動させた。


19730118はすぐに、壁にメインモニターを出し、通信を始めた。

「こちらダンジョンコア19730118。ダンジョンコア回線から応答願います。ザンジョンマスターミミの報告あり・・・」


なにやらダンジョンコアのメインシステムから通信を始めた。そして、別のダンジョンにつながった。


「こちら、メアリーダンジョン。サイトNo.4からの通信許可します。ミミの報告を聞こう・・・」


小さなネクロマンサーのミミは乗り出してモニターに話だした。

「メアリーおばさんいる。おはなしがしたいの?」


フィルはいきなり胸が苦しくなるようなドキドキ感が半端ないような悶え方を始めた。


そうとは知らず19730118はダンジョンシステムの説明をブラック・レッド・ブルーにした。

どうやら、ここのダンジョンはメアリーダンジョンと同系列のダンジョンになったと説明をされた。

ぼちぼち書きます。

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