キツネ狩
キツネ狩りはじめました。
晩餐会から数日間、お酒ばかり飲んでいた勇者一行もさすがに、キツネ狩り決行のこの日はばかりは、顔つきが違った。ダークはある屋敷について話を始めた。
むかし昔、その屋敷にはある豪商が住んでいた。豪商の若い時は、村々をまわる大道芸人の一座の一員とだった。その大道芸人の一座は、魔王に苦しめられていた人々にとって、年に一度の祭りの時にくる唯一の娯楽だった。
大道芸人の一座は芸を見せる傍ら、珍しいお菓子や食べ物そして、変わったお酒や甘い飲み物まで売っていた。その一座で一番人気があったのは人形劇だった。大道芸人たちは笛を吹き、太鼓をたたき、鈴を鳴らす。まるで、おとぎの国にいざなうかのような人形劇だった。
ある時、大道芸の座長が変わった人形を手にしたところ、行った先々の村々に疫病がはやってしまった。それからというもの、大道芸の一座を見なくなってしまったそうじゃ。
しかし、ある時、大道芸の団長が持っていた変わった人形が一座の一人が手にして、莫大な富をてにいれ豪商となったらしい。
その豪商は今は、首都の中にあるスラム街の近く一帯を買い占めたらしい。しかし、その一帯は大盗賊の根城になっている。
今回の作戦は至って簡単だった。首都近くで根城となっている山賊たちをけしかけて豪商の家を襲わさせる。というものだが、仕込みとしては、すでに終わっていた。なぜならば、もう山賊が忍び込んで、ある物ない物も闇市で出回っているという情報と、未開のダンジョンの隠し財宝からいくつか、闇市で豪商の家から盗まれた一品として、嘘の情報と共に売り払っていたのである。中には、この異世界の古代の宝飾品から、大きな魔石まで、数十点も珍しい珍品を首都以外の大都市にも売りさばいた。
この成果、首都近くの山賊たちも、情報を知ってか、消息が不明になっていた。他の盗賊から見れば雲隠れをしている風にみえるが、もしかしたら、殺されたのかもしれない。山賊たちがねぐらしていた家々はどこも、もぬけの殻になっていた。もし、やってもいない山賊がこのようなでたらめな嘘の情報を手にしたら、逃げたほうが賢明である。情報の出どころで、もし、ダークのこの屋敷までたどれたとしたら、異世界の諜報員に間違いないだろう。でも、諜報員でしたならば、なぜ、山賊のふりをしていたのかは捕まえて聞き出せばいいだけだが、ダーク達は気になっていた。もっとでかく、多くのキツネが釣れることを。もしくは、釣れなくても、尻尾を出しさえすればいいとさえ思っていた。
とりあえず、勇者一行は豪商のところにいって心配したふりをしてきてもらい、そのあといったん別の都市で落ち合おうと決めた。なぜならば、ある程度、我らの動きをつかんでいるならば、勇者一行に晩餐会のように接触するキツネもいるはずだ。もしくは、ダーク達の事も聞きたいキツネもいるはずだからである。
勇者一行は言われたように、豪商の家にまず向かった。豪商の商売は手広くやっており、卸から、他国からの荷揚げまでなんでも扱っており、商人の商人みたいだったが、貴族にはいい顔をしていたが、怖い人も出入りもしていたせいか、庶民には人気がなかった。そして、変わった趣味を持つ変人と呼ばれていた。
豪商の屋敷につくと勇者ミヒロが2人の門番に声をかけた。
「我は勇者ミヒロだ。先日、よからぬ噂を聞き、お主のあるじカカに会いに来た。お目通り願いたい。」
「もしや、あなたが勇者の・・ミヒロ様ですか?今確認をしますお待ちください。少し、時間がかかるかもしれません。」
「何かあったのか、いやいや、そうじゃ、ありません。実は私も、今日から門番を始めたもので・・・」
「前任者はどうしたんだ!」
「昨日、ご主人様から里に帰るように言われたらしくて・・・あッ、いっけねぃ。しゃべっちゃいけないんだった。すいません。聞かなかったことに・・・」
「わかったから、早く主人に会わせろ!!」
「わかりました。お前早く、ご主人の所へ行って確認して来い!!」
もう一人の門番は走って屋敷に入っていった。ものの2、3分で戻ってきたかと思ったら、豪商みずから門まで出てきた。
「これは、これは勇者様の御一行様方ではありませんか。先日は晩餐会で声をかけたのを覚えておられますか。」
「はて、記憶にないが、今日はちょっと小耳にしたもんでな。」
「記憶にないって!!そうだ、慌ててたのでカツラをし忘れた!!!!!!見ないで・・・」
「いいではないか、ハゲでもデブでも。」
「いいわけないですよ。ただでさえ、若いメイドからはハゲデブと呼ばれ、汗をかこうものならワキガと呼ばれる始末・・・・」
「我はあまり気にしないぞキモくても!」
「いつ、自分の事をキモいって言いました、キモいなんて言ってませんからね。」キリッ!
「悪かったよ。ホントに気にするな。ますます、毛が薄くなるぞ。」
ミヒロは肩についた毛をとってあげた。
「ありがとうございます。親切なんですね。」といいながら自分の肩のあたりを軽くたたいた。
少しフケが飛んだのを見た勇者一行はホントにこのままかえってもいいかなと思っていた。
でもこのズラと少し話をしないといけないという責任感から涙ながらがんばろうと思った。
「苦労しているのであろう。噂を聞いたぞ主人。」
「例の噂ですか。そうなんです。困ってたんですよ。根も葉もない噂で。私もつい自分自身を疑いましたよ。お気に入りのピンクのパンツが無くなった時にはね。でも、そのせいで門番をやめさせてしまいました。でも、あったんですよ。風で飛ばされ庭の隅にありました。ものずきな盗賊を疑いましたよ。」
「ご主人、ピンクのパンツが好みなのか。そうじゃなく、盗まれたものはないのか!」
「勇者様、門のところで、ピンクのパンツって大きな声で言わないでください。恥ずかしいですからよかったら、屋敷に入りませんか。」
「お前がピンクのパンツっていうから!!!」
チヒロはミヒロの頭を小突きながらいった。
ゴン!「入るわよミヒロ。」
ドン引きしたようにいやいやピンクパンツおじさんの屋敷に入る勇者一行だった。
「よくおいでになりました。お茶を用意させます。その間、よろしければ私のコレクション見ます。といいながら、カラフルなステテコからパンツ、そして、かなりエロい女性もののショーツも見せようとした。
「おい、変態じじー!!なに、勇者様に見せようとしてるんだ。そこで履き替えようするなハゲ!」
「そうよ!このキモデブ!私たちは何しにきたと思ってるの!」
「いや~外でピンクのパンツってはしゃぐから、趣味が似てるのかな~なんて思ったので・・・!でも少し、見てもらって少し嬉しいな!」
パンパンパン!!ゴン!ゴン!バシ!ビシ!バシ!
「すいませんでした。調子に乗りすぎました。」
「いや、それより、盗まれたものはないようだから我らは、帰るぞ。なにもないようだから、この国も出るぞ。お主みたいなキモい奴がいる国は嫌だからな。」
勇者一行は、首都から出て旅立つさんだんを、豪商に聞こえるように屋敷から出た。
そして、少し歩いていると、後をついてくるものもいた。
「釣れたぞ、エルザ!警戒を怠るなよ。」
「あわてるなよ。チヒロ。屋敷の部屋の奥から監視してた奴よ!」
「後は、ダーク達まかせましょ。ダークたちの情報によればもしかしたら、豪商の手の内の者・・・首都を根城にした盗賊の一派だろうからな。モチは餅屋にね。」
「そうよミモザ。私たちは、一端、城に言ってこの国を出るって言ってきましょうよ。」
「王様になんていうの。」
「とりあえず。晩餐会に出てた。王子にお目どおりして、出るっていえばいいよね。」
「次の行き先の国を教えてあげないと、王族や貴族の刺客をあぶりだせないからね。」
「忘れず、ネズミ型諜報器をばらまかないとね。」
「専用のエサをそれとなく部屋や通路の隅まけばいいだけよ。」
「でも、なんでネズミなの。もう少し何とかあったでしょ。」
「キツネ狩りだからじゃないの。それか、あえて捕まってもいいような物だったりしてね。」
「そうね。ダーク達のことだから、これもエサに使うのよ。」
「見え透いた手で、相手の力量を図るのね。エルザみたいにね。」
「ありがとう。やっぱりダークとの相性は私が一番みたいね。」
「それはどうかしら。私たちに目をいかせない為を思っての事だとしたら。それを、わかった私が一番彼をわかってるのかもしれないわよ。」
「ハイハイ。それまで。この勝負はキツネ狩りの成果で決めましょ。」
「いいね。私たちも、この国を出た後で、本格的に勝負しましょ。」
「国出たら別れるの?別れない?どうする。」
「わかれたら、狙われるよ。怖~い。だから、私だけダークに守ってもらう。」
ゴン、バキ、ボキ!!!!
「みんなで行動するに決まってるわよ。チヒロ」
「わかりました。意義ありません。」
城につくと、門番に国を出ると伝えると、すぐさま王様に会える手配を取ってくれた。
王様に諸国でまだ暴れてる魔物を退治に出かけると伝えた。そして、さりげなく魔法で城の中に魔法でネズミのエサをわからないように配置した。
城から出るころには、勇者がこの国をでるという噂が町中に広がり、首都の門のところには、晩餐会であった、貴族や商人たちが見送りに来ていた。その中に、ダーク達は紛れ、勇者一行に目でサインを送っていた。既に、キツネが一匹仕留めたらしい。
新たな敵にわくわくしながら、勇者一行は手を振りながら次の町に向かうのであった。
ぼちぼち更新します。




