↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/30

第4章 第5話 開戦◯◯会議

天才(変態)たちによる【勘違いブラックコメディ】の幕開けへようこそ!

 

※本作はカクヨミでも同時連載中ですが、そちらの方が数話ほど物語の更新が先行しています。

「牢獄を脱出した二人の、悪ふざけの続きが早く読みたい!」という方は、ぜひ先行しているカクヨミ版のページでも一気読みしてみてください!

 

▼カクヨミ版『牢獄のアルティザン』

https://kakuyomu.jp/works/2912051606683262649

第4章 第5話 開戦◯◯会議





「……ねえ、お母様。我がクスターフ領の軍旗って、あんなに淫らなデザインだったかしら?」




領主館の大広間。


アリアは窓の外で風にたなびく、10年後の自分の全裸シルエットがデカデカと描かれた新しい同盟軍の旗を見上げ、虚ろな目で呟く。




「アリア、疲れが溜まっているのよ。今日はもう、お部屋で少し休みましょうね」




母親のパメラが、これ以上ないほど上品に微笑みながら愛娘の肩に手を置いた。


彼女もまた、親バカの限界突破を果たした夫の暴走に対し、美魔女の笑顔のまま現実を直視することを放棄していたのである。




そんな麗しい親子のやり取りを、大広間に集結した「10年後同盟」の主要貴族やガチムチの騎士たちは、拝むような暑苦しい熱視線で見守っていた。




「……ふぅ、娘がすまないな。どうにも最近、体調が悪いようでな」




領主ジョナスが眉をひそめて言う。




当然である。


ここ数ヶ月、アリアは外に出るたびに数千人の男たちから、例の『10年後全裸メダル』への熱狂をそのままぶつけるような、魂が燃え盛る強暴な熱い目線を浴びせられ続けているのだ。


病気ではなく、完全に凄ましき「ファンからの精神的プレッシャー」で胃をやられていた。




「さて、本題に入ろう。……我が密偵からの報告によると、教会総本山が本格的に兵を動かすのは、おそらく『1年後』だと推測される」




他領の有力貴族が、真剣な顔で地図を指差した。


今は秋の収穫を終え、冷たい風が吹き抜ける冬の始まり。




「これほどの厳冬期に、総本山が大軍を率いて山を越え、進軍してくることはまずありえまい。向こうも大所帯だ、そうそう軽々しくは動けまいて」




「うむ。ならば直近で警戒すべきは、暗殺や物資の破壊工作といった裏の嫌がらせだな」




ジョナス様は腕を組み、不機嫌そうに顎を引いた。




「実は少し前、我が天才アルティザンたちの元へ、裏社会の貴族の放った刺客が夜売りに(※夜に)かけてきてな……」




「「「あぁん!!?(俺たちの先生と、未来のグッズの誕生を邪魔する奴がいたと!?)」」」




大広間の空気が、一瞬にして反乱軍を殲滅したときの殺気へと変わる。


貴族たちの目が一斉に血走った。




「ハハハ、心配なかろうて! 我が誇りの近衛騎士団が、作業場周囲を完璧に警戒していたおかげで、不審者は一晩で木っ端微塵に撃退(壊滅)しておいたよ」




「ハハハハハ! さすがはジョナス殿、抜かりない!」




一同にワッと安堵の笑い声が広がる。


しかし、すぐに一人の貴族がガタッと椅子を蹴り上げて立ち上がり、拳を天に突き上げて絶叫した。




「しかしッ!! あと10年後だ! 本物のお嬢様があのお姿に成長なさるのを、この両目で拝むまでは、俺たちは何があってもこの『誇り』を守り抜かねえとならねえんだよ!!」




「「「うおおおおおおおおおッッッ!!!!」」」




地鳴りのような雄叫びが領主館を揺らした。




こうして、教会の脅威に立ち向かうための厳粛な「軍事作戦会議」は、開始からわずか数分で、ただの【狂暴なお嬢様ファンクラブの自慢大会(オタ活)】へと完全に入れ替る。




「見よ! これがロッシュ先生とルッカ先生が制作した、我がクスターフ家家宝の『衣服弾け飛び仕様・完全パージ式お守り彫刻』である!!」




ジョナスが懐から取り出したのは、すべての元凶である、あの衣服がパージして全裸になる小さな木の像だ。




「おおお……! なんという神々しい! 羨ましい、我が領地にもぜひその特注量産型を!」




お互いのお守り(アリアグッズ)を見せびらかし、デレデレとだらしなくニヤけながら熱狂する最高権力者たち。




彼らを結びつける元凶は、どこまでもあの『裸にパージする小さな像』の魔力であった。




◇




とある夜




居酒屋フェンネルでは、ある密約が交わされている。




「我らの願いを聞いてくださり、ありがとうございます。ジョナス殿」




「うむ。昔は敵ではあった……。だが、今は同じ志を持っているではないか。」




お互いに見せ合うアリア硬貨とグッズの数々。




「ほれ!これがあの時、我ら騎士団にもたらされた奇跡だよ」




「ほほぉー!お美しいィィ!!我ら元反乱軍も貴方について参りますぅううぅ!」




夜の片隅で、さらなる脳を焼かれた犠牲者が増えるのであった。






最後までお読みいただき、ありがとうございました。


画面下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にポチッと染めて評価・応援していただけると、次の突貫工事(執筆)のめちゃくちゃ励みになります!


(次回も、楽しみにお待ちください!)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。