第4章 プロローグ 奇跡?形成逆転の逸話
天才(変態)たちによる【勘違いブラックコメディ】の幕開けへようこそ!
※本作はカクヨミでも同時連載中ですが、そちらの方が数話ほど物語の更新が先行しています。
「牢獄を脱出した二人の、悪ふざけの続きが早く読みたい!」という方は、ぜひ先行しているカクヨミ版のページでも一気読みしてみてください!
▼カクヨミ版『牢獄のアルティザン』
https://kakuyomu.jp/works/2912051606683262649
とある地域で反乱あり。至急鎮圧せよ。
教会からの苛烈な『強制招集』により、領主ジョナス率いる近衛騎士団、そして教会聖騎士団の連合軍は地獄のような戦場へと駆り出されていた。
中世ヨーロッパの歴史を根本からひっくり返すことになる『伝説の戦い』が、この不毛な荒野で幕を開けようとしていた。
教会の【免罪符】と【溶ける奇跡のハゲ司教の像】に端を発した大規模な反勢力――背後の裕福な商業都市から最新の兵器を買い漁った反乱軍に包囲され、領主ジョナス率いる本陣は完全に孤立していた。
黒色火薬の生臭い煙が立ち込め、容赦ない大砲と鉄砲の弾丸が肉を裂く。
凄まじい奇襲を受け、先陣を切っていた教会聖騎士団は早々に壊滅・敗走。
敵の容赦ない大砲と鉄砲の前に戦線は崩壊寸前。
領主ジョナスを守る精鋭「近衛騎士団」の男たちもついに死を覚悟した……その時だった。
極限の緊張状態の中、ジョナスが娘から貰った小さなお守りをギチギチと握りしめた瞬間。
死に物狂いの握力が、像に仕込まれた「3つの隠しボタン」を完璧な圧力で同時に押し込まれたのである。
――カチッ。
パッ!!!
衣服パーツがバネ仕掛けで四方に弾け飛び、朝の光の中に現れたのは、あと10年は経って見事に成長し、少し幼い面影を残しながらも豊満な双丘を恥ずかしそうに両腕で隠しているけど隠しきれてないアリアの『完全なる全裸の美神像』であった。
「な……何じゃこれはァァァッ!?」と驚愕する領主の後ろから、その手元を覗き込んだ近衛騎士たちの目が、一瞬にしてギラリと飢えた狼のそれへと変わる。
「……間違いない。あれはお嬢様の面影。しかし、なんという神々しいお育ち具合……!」
「10年後のお嬢様……最高、いや、至高の美……!!」
包囲され最新の兵器への恐怖など、一瞬にしてどこかへ消し飛んだ。さっきまで彼らの脳を支配していた「死の恐怖」は、究極の肉体美によって一瞬で上書きされ、消滅した。
男たちの全身の毛穴から、怒涛の如くアドレナリンが噴出する。
「おい野郎ども聞けェ!!」
近衛騎士長が、血走った目で剣を天に掲げて絶叫した。
「俺たちはこんなところで死んでたまるか! あと10年生き延びて、本物のお嬢様があのお姿に成長なさるのを、この両目で拝むまでは、絶対に死んでたまるかァァァアアアッッ!!!」
「「「うおおおおおおおおおッッッ!!!!」」」
地鳴りのような咆哮が荒野に轟く。
性欲、もとい純粋なる生存への執念によって完全なバーサーカーと化した近衛騎士団は、呆然とする領主ジョナスを置き去りにして、敵の包囲網へと突撃を開始。
「10年後!」「10年後ォォォ!!」と叫びながら、大砲の弾をも素手で叩き落とさんばかりの勢いで突進してくる狂戦士たちを前に、敵軍は「な、なんだこの化け物どもは……!?」と恐怖に陥った。
騎士団はその勢いのまま敵の包囲網を紙切れのように食い破ると、そのまま退却するどころか、怒涛の反転攻勢を開始。
最新兵器を誇る反乱軍の戦列は、一瞬で瓦解した。
「10年後おおおおおお!!!」
謎の呪文を叫びながら突撃してくる、狂戦士たちの前になす術はなかったのである。
男たちの原始的なパッションが、近代兵器を文字通り『木っ端微塵』に粉砕した瞬間だった。
――のちにこの戦いは、教会の歴史書にこう刻まれる。
「聖痕の聖女が戦場に降臨し、騎士たちに神の如き怪力を授けた奇跡の戦い」として、教会の歴史書に深く刻まれることとなる。
(新章・開幕)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
画面下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にポチッと染めて評価・応援していただけると、次の突貫工事(執筆)のめちゃくちゃ励みになります!
(次回も、楽しみにお待ちください!)




