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世界最低の後衛は最高の後衛だった ~三度追放された荷物持ちは、捨てられた才能だけを集めて魔王を討つ~  作者: あめのひくもり


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第四十六話 百年前の魔王

第四十六話 百年前の魔王


扉が開いた瞬間、レインたちは強烈な熱気に包まれた。


その先に広がっていたのは迷宮の一室などではない。赤黒い空、焼け落ちた森、地平線の彼方まで続く黒い大地。まるで百年前の戦場そのものを、そのまま切り取って迷宮の中へ押し込んだような巨大な空間だった。


遠くでは炎が燃えている。しかし薪も建物もない。大地そのものが赤く裂け、その裂け目から炎が噴き上がっていた。


「……これが第五試練?」


リリアが息を呑んだ。


レインの視界には、すでに答えが表示されている。


【灰月迷宮・第五試練】


試練名称――魔王。


再現年代――117年前。


対象――初代魔王討伐戦。


達成条件――魔王の封印。


討伐ではない。


「封印?」


レインがその部分を読み上げると、ノアがすぐに反応した。


「倒す必要はないってことか」


「そうみたいだ。ただし……」


表示の続きを確認したレインは、思わず顔をしかめた。


【注意】


当時の歴史を逸脱した場合、試練は強制失敗となる。


ガルドが眉を寄せた。


「歴史通りにやれってことか?」


「たぶん」


「また面倒な条件だな」


「しかも、117年前のRainが何をしたのか、俺たちは知らない」


カインが静かに周囲を見回す。


「逆に言えば、ここで分かるんじゃない? 117年前の君が何をしたのか」


「俺じゃない」


「今さらそこ気にする?」


「気にする」


「面倒だなあ」


「お前に言われたくない」


二人が言い合っている横で、セラはすでに未来視を使っていた。


数秒後。


彼女の顔から血の気が引いた。


「来ます」


ノアが聞く。


「魔王か?」


「違います。最初は……軍です」


「どっちの?」


「両方」


その直後だった。


大地の向こうから、人間の軍勢が現れた。


数千。


いや、一万を超えているかもしれない。


騎士、魔術師、弓兵、僧侶。旗には今の王国とは異なる古い紋章が描かれている。


そして反対側。


黒い地平線から。


魔族の軍勢が現れた。


こちらも数え切れない。


オーガ。


悪魔。


獣人。


巨大な魔獣。


空には翼を持つ魔族までいる。


「これ」


ミアが引きつった顔をする。


「私たち八人でどうにかする規模じゃないですよね?」


「九人」


レインが訂正する。


「アレンは迷宮の外」


「今ここにいる人数の話です!」


「じゃあ八」


「そこはどうでもいいです!」


ノアは二人の会話を無視し、戦場全体を見ていた。


「これは俺たちが参加する戦争じゃない」


「どういう意味?」


エマが聞く。


「再現記録だ。歴史がある程度、自動で進む。俺たちはその中で必要な場所だけ介入する」


その言葉を証明するように。


両軍が衝突した。


凄まじい音が響く。


剣。


魔法。


爆発。


咆哮。


空から火球が落ち、地面が割れ、人間も魔族も次々と倒れていく。


レインたちは、その光景の中にいるにもかかわらず、誰からも認識されていない。


兵士がレインのすぐ横を通り過ぎる。


触れない。


まるで幽霊。


「観測者扱い?」


リリアが言う。


「今はな」


レインの視界。


【歴史干渉権限】


未付与。


「必要な場面になるまで、俺たちは触れられないみたいだ」


ガルドが大盾を肩へ戻した。


「じゃあ見学か」


「そんな簡単には終わらないだろ」


ノアが言った瞬間。


空が。


暗くなった。


違う。


巨大な何かが、太陽を隠した。


全員が顔を上げる。


そこに。


魔王がいた。


◇◇◇


人間の形に近い。


だが、大きさが違う。


高さは三メートルを超えている。


黒い鎧。


頭には角。


背中には巨大な六枚の翼。


そして何より。


周囲の空間そのものが歪んでいる。


レインが解析する。


【対象】


初代魔王――ゼルヴァ。


【レベル】


50。


【職業】


魔王。


【種族】


魔族。


【特殊能力】


《魔族統率》。


《魔力無限循環》。


《領域支配》。


《生命反転》。


通常なら。


世界最高レベル。


Aランク。


それでも。


今のレインたちは、すでにレベル50という数字だけで恐れる段階ではない。


だが。


その下。


【境界侵食率】


38%。


「……また境界」


カインも魔王を見ながら表情を変える。


「こいつ、普通の魔族じゃない」


「分かる?」


「僕と似た匂いがする」


レインは嫌な予感を覚えた。


魔王。


境界。


117年前のRain。


全部。


ここで繋がる。


その瞬間。


別の人影が現れた。


人間側。


一人。


戦場をゆっくり歩いている。


魔法も使わない。


剣も持っていない。


白い外套。


そして。


レインの視界。


【個体識別】


Rain。


【第三存在記録】


117年前。


全員が。


言葉を失う。


外見は。


今のレインと全く違った。


女性だった。


年齢は二十代後半ほど。


銀色の長髪。


細身。


武器は持っていない。


それでも。


周囲の兵士たちが。


道を開ける。


「女性……」


ミアが思わず呟いた。


カインがレインを見る。


「今度は性別まで違うね」


「言うな」


「君、本当に毎回別人なんだ」


「俺のせいじゃない」


過去のRain。


女性は。


戦場の中央で。


魔王を見上げる。


魔王も。


彼女を見る。


そして。


初代魔王ゼルヴァ。


初めて。


笑った。


「ようやく来たか」


Rain。


女性。


答える。


「待たせた?」


「百年」


「それくらいなら」


一拍。


「誤差」


ガルドが。


小声。


「知り合い?」


レイン。


「知らない」


カイン。


「でも」


「魔王は」


「Rainを待ってた」


◇◇◇


戦場の時間が。


突然。


止まる。


兵士。


魔族。


炎。


全て。


静止。


動いているのは。


魔王。


過去のRain。


そして。


レインたち。


【歴史干渉権限】


付与。


ノアの表情が変わる。


「ここからだ」


過去のRainが。


こちらを向いた。


正確には。


今のレインを。


見ている。


「遅い」


レイン。


「……俺?」


「他に誰がいる」


「俺たちが見える?」


「当然」


過去のRain。


銀髪の女性。


レインを。


頭から足まで。


見る。


「今回は」


「随分」


「弱そう」


レイン。


「喧嘩売ってる?」


カイン。


横で。


笑う。


「昔の君も」


「同じこと言うんだ」


過去のRain。


カインを見る。


「……」


表情。


変わる。


「分離した?」


カイン。


「分かるの?」


「元々」


「そうなる可能性は」


「知っていた」


レイン。


一歩。


「待て」


「知ってたって」


「どういうことだ」


「時間がない」


過去のRain。


魔王を見る。


「まず」


「こいつを封印する」


魔王ゼルヴァ。


六枚の翼。


広げる。


「昔話は」


「後にしろ」


そして。


レインたち。


見る。


「未来のRain」


魔王。


笑う。


「お前は」


「私を覚えているか」


レイン。


「知らない」


魔王の笑顔が。


少しだけ。


寂しくなる。


「そうか」


「今回も」


「忘れたか」


また。


同じ。


レイン。


何度も。


世界へ。


現れ。


そのたび。


何か。


失う。


「お前と」


魔王が。


続ける。


「私は」


「最初の世界から」


「一緒に来た」


レインの呼吸が。


止まる。


「……何?」


過去のRain。


強い声。


「ゼルヴァ!」


「言うな」


魔王。


笑う。


「なぜだ」


「もう」


「知る段階だろう」


レイン。


「最初の世界って」


「俺が元々いた世界?」


魔王。


「ああ」


「お前は」


「私を」


「連れてきた」


全員。


静止。


レイン。


「俺が?」


「正確には」


魔王。


自分の胸。


指す。


「私は」


「お前が」


「最初に」


「救おうとした」


一拍。


「人間だ」


◇◇◇


空気が。


完全に。


変わった。


魔王。


人間。


レイン。


元の世界。


何が。


どう。


繋がる。


「俺と」


「同じ世界の」


「人間?」


「そうだ」


「名前は」


魔王。


少し。


笑う。


「ゼルヴァではない」


「これは」


「この世界で」


「付けられた名だ」


過去のRain。


「黙れ!」


初めて。


感情。


強い。


「これ以上」


「今のRainに」


「余計な情報を」


「渡すな」


レイン。


「余計かどうか」


「俺が決める!」


過去の自分。


こちらを見る。


「昔の私と」


「同じことを言う」


「それ」


「褒めてる?」


「いいえ」


カイン。


「たぶん」


「嫌味」


レイン。


「黙って」


過去のRain。


ほんの少し。


笑う。


でも。


すぐ。


真剣。


「ゼルヴァを」


「封印する」


「倒さない?」


「倒せない」


ガルド。


「レベル50だぞ」


「数字を」


「信用しない方がいい」


過去のRain。


「こいつの本体は」


「ここにない」


レイン。


嫌な予感。


「どこ」


Rain。


空。


ではない。


さらに。


上。


境界。


指す。


「外」


魔王。


ゼルヴァ。


境界侵食率38%。


つまり。


この身体。


一部。


本体。


別。


「どう封印する」


ノア。


すぐ。


作戦。


求める。


過去のRain。


全員。


見る。


「当時」


「私は」


「仲間を」


「持たなかった」


レイン。


「……」


「だから」


Rain。


少し。


苦笑。


「失敗した」


レインの表情が変わる。


魔王。


今も。


世界にいる?


魔王軍。


存在。


つまり。


百年前。


完全には。


封印できなかった?


「今回」


過去のRain。


レインたちを見る。


「未来の私には」


「仲間がいる」


ガルド。


少し。


笑う。


リリア。


セラ。


ミア。


ノア。


エマ。


カイン。


全員。


構える。


「なら」


過去のRain。


言う。


「私が」


「できなかった方法で」


「封印して」


レイン。


「歴史を」


「変えていいのか」


【歴史逸脱】


警告。


頭。


よぎる。


過去のRain。


「結果は」


「同じでいい」


「方法は?」


「記録されない」


ノア。


すぐ。


理解。


「魔王が封印された」


「という事実だけ」


「歴史に必要」


「そう」


過去のRain。


「過程は」


「自由」


レイン。


笑う。


「それなら」


「得意」


カイン。


「君が?」


「俺たちが」


◇◇◇


ノアが。


戦場を見る。


魔王。


過去のRain。


味方。


八。


いや。


過去のRain含め。


九。


「まず」


「能力情報」


レイン。


解析。


魔王。


ゼルヴァ。


詳細。


【魔力無限循環】


周囲の魔族。


生存数に比例。


魔力回復。


ノア。


「魔族軍」


「止まってるけど」


「数」


「一万以上」


リリア。


「全部倒す?」


レイン。


「歴史が止まってる」


「触れない」


過去のRain。


「魔王との」


「戦闘が始まれば」


「周囲も」


「再開する」


ノア。


「じゃあ」


「一万を」


「相手にしながら?」


ガルド。


「無茶だな」


レイン。


「だから」


「同時に戦わない」


ノア。


一瞬。


レインを見る。


そして。


笑う。


自分が。


加入時に。


言った。


百体でも。


千体でも。


同時に戦わなければ。


問題ない。


「地形」


ノア。


戦場。


見る。


谷。


丘。


崖。


炎。


人間軍。


魔族軍。


「使える」


セラ。


未来視。


「魔王」


「最初の攻撃」


「空です」


「空?」


「上空へ」


数秒。


未来。


「巨大な魔法」


リリア。


「何のため」


セラ。


さらに。


見る。


顔。


青くなる。


「人間軍」


「全部」


「消すつもり」


ガルド。


「止める」


ノア。


「正面からは無理」


レイン。


支援。


全員。


「なら」


「撃たせない」


魔王。


手。


上げる。


歴史。


再開。


轟音。


世界。


動く。


「来る!」


過去のRain。


「当時」


「私は」


「ここで」


「魔法を」


「受けた」


レイン。


「一人で?」


「そう」


「馬鹿だな」


過去のRain。


「否定できない」


魔王。


黒い魔力。


空。


集まる。


巨大。


太陽。


覆う。


リリア。


「あれ」


「受けたら」


「死にます」


ガルド。


「俺でも?」


レイン。


解析。


【ガルド防御成功率】


14%。


「一人なら」


「無理」


でも。


レイン。


真職業。


《後衛》。


【全域支援】


発動。


ガルド。


防御。


リリア。


魔力。


セラ。


感覚。


ミア。


精密。


ノア。


思考。


エマ。


神造。


カイン。


成長。


そして。


過去のRain。


支援対象。


可能。


「……」


レイン。


少し。


驚く。


「自分に」


「支援するみたいで」


「気持ち悪い」


過去のRain。


「失礼ね」


「でも」


「受けろ!」


《全域支援》。


九人。


同時。


光。


魔王。


目。


変わる。


「これは」


過去のRain。


驚愕。


「私が」


「欲しかった力」


レイン。


「俺は」


「一人じゃ」


「弱いから」


「それでいい」


過去のRain。


一瞬。


笑う。


「本当に」


「変わった」


◇◇◇


魔王。


魔法。


完成。


《黒天》。


空から。


黒い光。


落ちる。


ノア。


叫ぶ。


「ガルド!」


「中央!」


ガルド。


大盾。


地面。


突き立てる。


《仲間防衛》。


発動。


でも。


一人。


受けない。


レイン。


《全域支援》。


防御共有。


リリア。


《魔力障壁》。


重ねる。


エマ。


ガルドの盾。


神造同調。


即席。


強化。


ミア。


耐魔薬。


ガルドへ。


投げる。


「飲め!」


「副作用!」


「ありません!」


「本当か!」


「今回は!」


「信用する!」


ガルド。


飲む。


盾。


光。


さらに。


カイン。


レベル1。


何が。


できる。


レイン。


鑑定。


【カイン】


潜在能力。


《境界干渉》。


現在出力。


0.4%。


「カイン!」


「何!」


「魔法」


「境界由来!」


「分かった!」


カイン。


両手。


空。


黒い光。


見る。


「触れる」


「何を」


「構造!」


魔王の魔法。


黒天。


一瞬。


揺れる。


【境界干渉】


0.4%。


でも。


十分。


軌道。


ほんの。


少し。


ずれる。


ノア。


見逃さない。


「右!」


全員。


右へ。


ガルド。


盾。


角度。


変える。


黒天。


直撃。


ドォォォォォォォォン――!


大地。


消える。


山。


半分。


吹き飛ぶ。


でも。


盾の後ろ。


九人。


生きている。


ガルド。


膝。


つく。


盾。


ひび。


でも。


壊れない。


【神造武具】


同調率。


23%。



41%。


【品質】


A。



A+。


エマ。


目。


大きくなる。


「成長した……!」


ガルド。


息。


荒い。


それでも。


笑う。


「いい盾だ!」


魔王。


空。


止まる。


「……防いだ?」


過去のRain。


魔王を見る。


そして。


レイン。


「当時は」


「私は」


「これで」


「左腕を失った」


レイン。


過去のRain。


左腕。


ない。


この魔法。


原因。


「今回は」


過去。


女性。


自分の。


両腕。


見る。


「残ってる」


レイン。


「歴史」


「変わる?」


【歴史整合性】


維持中。


レイン。


「大丈夫」


「結果だけ」


「同じなら」


Rain。


少し。


笑う。


「なら」


「今度は」


「両手で」


「戦える」


◇◇◇


魔王。


ゼルヴァ。


初めて。


怒る。


「未来のRain」


「お前は」


「何を」


「した」


レイン。


「何も」


一拍。


「仲間に」


「やってもらった」


魔王。


一瞬。


本当に。


理解できない顔。


過去のRain。


吹き出す。


「それ」


「昔の私が」


「一番」


「言えない言葉」


レイン。


「だから」


「失敗したんだろ」


「そうね」


過去のRain。


認める。


そして。


魔王。


見る。


「ゼルヴァ」


「今度は」


「封印する」


魔王。


笑う。


「できるものなら」


翼。


六枚。


広がる。


魔族軍。


一万。


一斉。


動き出す。


ノア。


戦場。


見る。


「ここから」


「本番」


レイン。


後ろ。


定位置。


立つ。


「作戦」


ノア。


「三段階」


「第一」


「魔族軍を」


「戦場から分離」


「第二」


「魔王の無限循環」


「切断」


「第三」


「封印」


レイン。


「できる?」


ノア。


笑う。


「お前が」


「全員を」


「支援できるなら」


「できる」


レイン。


「じゃあ」


「やる」


◇◇◇


第一段階。


一万の魔族を。


倒さない。


ノア。


過去戦場。


地形。


利用。


人間軍。


動き。


予測。


「セラ!」


「左翼」


「三十秒後」


「崩れます!」


「リリア!」


「左の谷!」


巨大。


氷壁。


魔族。


進路。


変更。


「エマ!」


「ガルドの盾」


「地面!」


ガルド。


盾。


突き立てる。


エマ。


神造。


即席。


大地。


同調。


盾。


一時。


巨大な。


障壁。


「そんな使い方!」


ガルド。


「後で説明!」


魔族軍。


分断。


三千。


東。


二千。


西。


残り。


中央。


「まだ多い!」


ミア。


ノア。


「全部」


「同時に」


「相手しない」


罠。


地形。


人間軍の。


戦列。


炎。


谷。


崩落。


魔族軍。


次々。


分断。


一万。


五千。


二千。


八百。


最終。


魔王周辺。


三百。


レイン。


「まだ三百」


ノア。


「十分」


「何が」


「ここから」


「第二段階」


◇◇◇


魔王の《魔力無限循環》。


周囲の魔族。


生存数。


魔力。


供給。


三百。


まだ。


多い。


でも。


レイン。


解析。


【循環経路】


魔王。


魔族。


魔力線。


無数。


「見える」


カイン。


同時。


「僕も」


二人。


同じ。


境界由来。


経路。


「切れる?」


レイン。


「俺は」


「攻撃できない」


「僕も」


「レベル1」


「じゃあ」


二人。


エマを見る。


エマ。


《レゾナンス》。


未完成。


握る。


「これですね」


レイン。


「そう」


《レゾナンス》。


役割。


適合。


繋ぐ。


切る。


境界。


生命。


世界。


「エマ」


「三百本」


エマ。


顔。


引きつる。


「一回で?」


「無理?」


「やります!」


ミア。


「手伝います!」


レイン。


「また共同制作?」


エマ。


笑う。


「戦場でも」


「同じです!」


二人。


《レゾナンス》。


構える。


レイン。


支援。


《全域精密》。


セラ。


未来。


切断順。


見る。


ノア。


最適。


順序。


計算。


カイン。


境界線。


可視化。


リリア。


魔力。


供給。


ガルド。


全員。


守る。


全員。


一つの。


作業。


レイン。


ふと。


思う。


これ。


まるで。


巨大な。


鍛冶。


戦場。


そのものを。


作り直す。


【パーティー共鳴】


上昇。


【リベレーションⅡ】


発動。


全員。


成長。


共有。


エマ。


《レゾナンス》。


振る。


一本。


十。


五十。


魔力線。


切断。


魔王。


顔。


変わる。


「やめろ!」


初めて。


焦る。


百。


百五十。


二百。


魔王の。


魔力。


落ちる。


レベル。


50。


変わらない。


でも。


実効能力。


低下。


【魔力無限循環】


出力。


100%。



61%。



32%。


そして。


残り。


一線。


太い。


他と。


違う。


レイン。


解析。


【主循環経路】


接続先。


――境界外。


「……これ」


魔族じゃない。


本当の。


無限循環。


魔王。


外。


何か。


繋がっている。


過去のRain。


「それが」


「本体」


レイン。


「魔王の?」


「違う」


Rain。


顔。


険しい。


「ゼルヴァを」


「魔王にしたもの」


魔王。


叫ぶ。


「黙れ!」


レイン。


「誰」


過去のRain。


一拍。


「私たちを」


「この世界へ」


「落とした」


「存在」


レイン。


完全に。


止まる。


魔王。


ゼルヴァ。


元。


同じ世界。


人間。


Rain。


そして。


何者かが。


二人。


この世界へ。


送った。


「そいつが」


「アビスに?」


過去のRain。


「そう」


レイン。


背筋。


冷たい。


今。


覚醒。


10%。


している。


巨大な。


何か。


それ。


「第三段階!」


ノア。


叫ぶ。


「話は後!」


レイン。


我に返る。


魔王。


無限循環。


残り。


一本。


切る。


歴史。


変わる?


過去のRain。


「切るな!」


エマ。


止める。


レイン。


「何で」


「これを」


「切ったら」


Rain。


「ゼルヴァが」


一拍。


「人間に戻る」


全員。


「……」


魔王。


ゼルヴァ。


元。


人間。


なら。


それは。


救える?


レイン。


「いいじゃん」


過去のRain。


首。


横。


「当時」


「私は」


「切った」


「結果」


「何が」


Rain。


苦い顔。


「ゼルヴァは」


「死んだ」


魔王。


止まる。


今。


目の前。


存在。


百年前。


封印。


現在。


魔王軍。


なら。


歴史では。


死んでない。


矛盾。


レイン。


理解。


「だから」


過去のRain。


「今回」


「同じことをしたら」


「歴史が」


「変わる」


ノア。


「なら」


「封印」


「接続を」


「切らず」


「止める」


Rain。


「そう」


「私には」


「できなかった」


「だから」


「未来の私」


レインを見る。


「お前が」


「やれ」


レイン。


魔王。


見る。


敵。


でも。


元。


人間。


自分と。


同じ世界。


そして。


自分が。


かつて。


救おうとした。


相手。


「名前」


レイン。


魔王へ。


「元の名前」


魔王。


表情。


止まる。


長い。


沈黙。


そして。


「……忘れた」


レイン。


胸。


痛む。


また。


名前。


失った。


存在。


「なら」


レイン。


後ろ。


仲間。


見る。


「取り戻す」


魔王。


「何?」


「封印して」


「百年後」


「もう一回」


一拍。


「会おう」


魔王。


完全に。


言葉。


失う。


過去のRain。


少し。


笑う。


「本当に」


「私と」


「違う」


レイン。


「同じだったら」


「困る」


◇◇◇


封印。


方法。


過去のRain。


知っている。


当時。


使った。


自分の身体。


一部。


境界。


封印核。


だから。


今の魔王。


封印。


残る。


百年。


でも。


今回は。


違う。


レイン。


一人で。


封印核に。


ならない。


エマ。


神造。


ミア。


錬金。


リリア。


魔力。


セラ。


未来。


ノア。


設計。


ガルド。


防御。


カイン。


境界。


そして。


レイン。


全部。


繋ぐ。


《全域支援》。


封印陣。


八方向。


構築。


「魔王!」


レイン。


叫ぶ。


「抵抗するな!」


「馬鹿か!」


「死にたい?」


「……」


魔王。


止まる。


「俺たち」


「お前を」


「殺さない」


「信用できると」


「思うか」


レイン。


「思わない」


「なら」


「でも」


「俺は」


「昔」


「お前を」


「救おうとした」


魔王。


表情。


揺れる。


「覚えていない」


「俺も」


「何も」


「覚えてない」


一瞬。


魔王。


笑う。


本当に。


少し。


「最悪だな」


レイン。


「同感」


「なら」


魔王。


翼。


畳む。


「一度だけ」


「信じよう」


レイン。


「ありがとう」


「ただし」


「百年後」


「来なければ」


魔王。


目。


鋭い。


「世界を」


「滅ぼす」


レイン。


「百年後」


「俺」


「生きてる?」


カイン。


「君」


「三百年以上」


「いるから」


レイン。


「そうだった」


魔王。


一瞬。


笑う。


そして。


封印。


開始。


◇◇◇


光。


八人。


いや。


九人。


過去のRain。


含め。


全員。


魔力。


繋がる。


《後衛》。


レイン。


中心。


ではない。


一番。


後ろ。


それでも。


全て。


見える。


全て。


繋がる。


「ガルド!」


「固定!」


「任せろ!」


「リリア!」


「魔力一定!」


「はい!」


「セラ!」


「崩れる未来!」


「右!」


「ノア!」


「修正!」


「三度!」


「ミア!」


「核!」


「安定!」


「エマ!」


「レゾナンス!」


「同調します!」


「カイン!」


「境界!」


「押さえてる!」


そして。


過去のRain。


何も。


していない。


レイン。


「何してる!」


Rain。


笑う。


「見てる」


「手伝え!」


「歴史では」


「私が」


「封印したことになってる」


「なら働け!」


「仕方ないわね!」


過去のRain。


初めて。


仲間の中。


入る。


支援。


受ける。


そして。


自分も。


支援。


補助。


レイン。


驚く。


「お前も」


「後衛?」


「昔は」


「違うと思ってた」


Rain。


笑う。


「でも」


「たぶん」


「ずっと」


「そうだった」


二人。


同じ。


後衛。


時代。


違う。


身体。


違う。


でも。


同じ。


そして。


封印。


完成。


【初代魔王】


ゼルヴァ。


【境界接続】


維持。


【行動】


停止。


【生命】


維持。


【封印期間】


100年。


魔王。


消える。


最後。


レインを見る。


「百年後」


レイン。


「ああ」


「来い」


「分かった」


「約束だ」


「ああ」


「Rain」


その名。


呼ぶ。


魔王。


消失。


戦場。


光。


包む。


◇◇◇


歴史。


戻る。


人間軍。


勝利。


魔族軍。


撤退。


記録。


初代魔王。


封印。


結果。


同じ。


【歴史整合性】


99.6%。


ノア。


「十分」


レイン。


「残り0.4は?」


「気にするな」


「怖い」


そして。


過去のRain。


身体。


薄くなる。


「これで」


「第三記録」


「終わり」


レイン。


「待て」


「何」


「117年前」


「この後」


「どうなった」


Rain。


「消えた」


「また?」


「そう」


「何で」


「世界に」


「定着できなかった」


「レゾナンス」


「未完成だった」


「なら」


レイン。


エマ。


見る。


「今度は」


「完成させる」


Rain。


少し。


笑う。


「だから」


「今の私は」


「お前を」


「待ってた」


レイン。


「俺を?」


「そう」


そして。


Rain。


一歩。


近づく。


レイン。


額。


指。


触れる。


「一つ」


「返す」


「何を」


「117年前の」


「記憶」


光。


レイン。


頭。


流れ込む。


魔王。


戦争。


失敗。


孤独。


そして。


最後。


一人。


消える。


Rain。


思う。


――次は。


――一人で。


――やらない。


レイン。


目。


開く。


過去のRain。


もう。


ほとんど。


透明。


「お前」


「最後に」


「何て」


Rain。


笑う。


「聞こえたでしょ」


レイン。


「次は」


「一人で」


「やらない」


「そう」


Rain。


仲間。


見る。


「叶った」


一拍。


「やっと」


そして。


消える。


◇◇◇


【第五試練】


達成。


【灰月迷宮】


攻略進捗。


58%。



79%。


【大量経験値獲得】


レイン。


実レベル。


60。



64。


「四つ」


ノア。


「効率いい」


レイン。


「70まで」


「あと6」


カイン。


レベル。


1。



9。


「……」


全員。


カインを見る。


ガルド。


「一気に上がりすぎだろ」


カイン。


「僕」


「才能あるから」


レイン。


「調子乗るな」


【リベレーションⅡ】


成長共有。


全員。


能力。


上昇。


ガルド。


盾同調。


41%。



46%。


リリア。


魔力容量。


増加。


セラ。


未来視。


延長。


ミア。


錬金精度。


上昇。


ノア。


戦場設計。


範囲拡張。


エマ。


神造覚醒率。


14%。



21%。


全員。


強くなる。


誰か。


一人。


ではない。


パーティー。


全体。


◇◇◇


その時。


迷宮。


最後。


巨大な扉。


現れる。


【灰月迷宮】


最終試練。


解放条件。


攻略進捗80%。


現在。


79%。


レイン。


「……一足りない」


ガルド。


「何だそれ」


レイン。


周囲。


見る。


何か。


残っている。


そして。


戦場。


跡。


一つ。


小さな。


光。


落ちている。


レイン。


拾う。


指輪。


古い。


銀。


魔王。


ゼルヴァ。


持っていた。


レイン。


解析。


【所有者】


不明。


【旧世界物品】


【刻印】


――YUTO。


レイン。


完全に。


止まる。


「……ユウト」


日本語。


読める。


なぜ。


自分が。


読める。


Rain。


出身世界。


照合中。


でも。


この名前。


明らかに。


今の世界の。


名前ではない。


カイン。


指輪。


見る。


「読める?」


「ああ」


「僕も」


二人。


同時。


その文字。


理解。


「ユウト」


魔王。


元の。


名前。


そして。


レインの視界。


【出身世界照合】


一部成功。


【Rain旧世界】


識別名。


――地球。


レイン。


息。


止まる。


【地域】


日本。


【元個体名】


復元率。


12%。


文字。


一部。


【――レイ――】


カイン。


表情。


変わる。


「レイン」


「何」


「僕たち」


「元々」


「日本人?」


レイン。


答えられない。


でも。


目の前。


指輪。


YUTO。


ユウト。


元。


人間。


同じ。


世界。


そして。


魔王。


ゼルヴァ。


百年後。


来い。


その約束。


現在。


117年前から。


すでに。


117年。


過ぎている。


レインの表情。


変わる。


「……待て」


ガルド。


「何」


「百年後に」


「来るって」


「約束した」


「今」


「117年後」


静寂。


カイン。


「十七年」


「遅刻」


レイン。


顔。


引きつる。


「まずい?」


その瞬間。


迷宮。


最終扉。


開く。


【灰月迷宮】


攻略進捗。


80%。


【最終試練】


――約束。


そして。


扉の向こうから。


知っている声。


「遅かったな」


レイン。


全身。


固まる。


そこに。


初代魔王ゼルヴァ。


いや。


本名。


ユウト。


立っている。


ただし。


百年前とは。


違う。


鎧。


ない。


翼。


ない。


角。


ない。


普通の。


人間。


日本人。


青年の姿。


そして。


非常に。


機嫌が悪い。


「十七年」


ユウト。


笑顔。


ない。


「待ったぞ」


レイン。


小さく。


言う。


「……ごめん」


ユウト。


即答。


「許さん」


――第四十六話 了――

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