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世界最低の後衛は最高の後衛だった ~三度追放された荷物持ちは、捨てられた才能だけを集めて魔王を討つ~  作者: あめのひくもり


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第四十二話 もう一人の俺を救う方法

第四十二話 もう一人の俺を救う方法


「お前も、俺だから」


その言葉に。


もう一人のレインは、初めて明確に表情を崩した。


怒りでもない。


嘲笑でもない。


戸惑い。


まるで、そんな答えだけは想定していなかったように。


「……助ける?」


「ああ」


「僕は君を消すと言った」


「聞いた」


「君を食べて、僕がレインになる」


「それも聞いた」


「なら、なぜ」


もう一人のレインが一歩踏み出した。


黒い亀裂が、その足元から水面のように波打つ。


「なぜ僕を助けるなんて言える?」


レインは答える前に、仲間たちを見た。


ガルドは新しい大盾を構えている。


リリアは杖に魔力を集め、セラは弦を引かずに未来を見ている。


ミアは薬瓶を並べ、ノアは一言も発さず戦場全体を観察していた。


エマは右手だけで《名無し》の柄を握っている。


誰一人。


逃げていない。


「俺も昔は」


レインが言った。


「自分が嫌いだった」


もう一人のレインの眉がわずかに動いた。


「攻撃できない。前に出られない。レベル30から上がらない。パーティーに入っても料理、荷物持ち、雑用ばかり。それで三回追放された」


「知っている」


「だろうな。お前も俺なら」


レインは少し笑った。


「だから分かる。自分が必要ないって思うのは、結構きつい」


もう一人のレインは答えない。


「お前はもっと長かったんだろ」


「……」


「七歳から、ずっと一人だった」


その瞬間。


黒い亀裂が大きく揺れた。


「黙れ」


初めて。


声に感情が混じる。


「父親に危険だと判断されて、切り離されて、境界の向こうへ閉じ込められた。俺には家族も記憶もなかった。でも、少なくとも外にはいた」


「黙れ」


「お前には、それすらなかった」


「黙れ!」


ドォン!


黒い衝撃が迷宮を走った。


ガルドが一歩前へ出る。


「来るぞ!」


大盾。


衝撃。


真正面から受け止める。


ドガァァン!


ガルドの足元が数メートル後退した。


だが。


倒れない。


新しい盾が淡く輝く。


【神造武具】


所有者同調率:18%



23%


【特殊能力】


《仲間防衛》


発動。


「……おお」


ガルドが盾の向こうで笑う。


「こいつ、本当に強くなるぞ!」


エマの表情が変わる。


「今、同調した……?」


レインは即座に支援を重ねる。


《耐久強化》。


《衝撃軽減》。


《疲労低減》。


「ガルド、そのまま!」


「任せろ!」


もう一人のレインがレインを見る。


「結局」


冷たい声。


「仲間を盾にするんだね」


レインは首を横に振った。


「違う」


「何が違う」


「任せてる」


「同じだ」


「全然違う」


ガルドが大声で割り込む。


「勝手に俺を盾にしたみたいに言うな!」


もう一人のレインがガルドを見る。


「君は利用されている」


「知るか!」


「レインがいなければ、君は――」


「五回追放されたままだった!」


ガルドが笑った。


「だから何だ!」


もう一人のレインが一瞬黙る。


「俺は自分でここにいる!」


次はリリアだった。


「私もです」


「私はレインさんに従わされているわけではありません」


セラも続ける。


「私も」


ミアが薬瓶を一本掲げる。


「私もです!」


ノアだけは淡々としている。


「俺は効率が悪ければ離脱する」


レインが見る。


「お前だけ妙に現実的だな」


「でも今のところ」


ノアが少しだけ笑う。


「ここが一番効率がいい」


「何の?」


「生きる効率」


一瞬。


誰も言葉を出せなかった。


エマが最後に言った。


「私も、自分で来ました」


片腕。


その右手に《名無し》。


「誰かに決められたからじゃありません」


もう一人のレインの周囲。


黒い亀裂が。


少しずつ。


揺れを弱めていく。


レインは気付いた。


攻撃ではない。


こいつは今。


迷っている。


◇◇◇


「ノア」


レインが小さく呼ぶ。


「見えてる」


「何が」


「生還率」


レインの視界。


【全員生還】


0.8%



1.4%


「上がった」


セラが驚く。


「まだ何もしてませんよ?」


ノアが答える。


「してる」


「何を?」


「相手の選択肢を増やしてる」


レインはノアを見る。


「どういう意味」


「こいつは最初」


ノアがもう一人のレインを見る。


「お前を食う以外の未来を持っていなかった」


「でも今」


一拍。


「迷ってる」


《戦場設計士》。


敵の動きを読むのではない。


選択肢を作り。


消し。


最終的に。


相手が進む道を変える。


それは。


戦闘だけの能力ではない。


レインの視界。


【完全戦場解析】


対象:分離個体。


敵対意思:91%。



84%。


「……いけるかもしれない」


レインが呟く。


もう一人のレインが目を細める。


「何が?」


「お前を」


一拍。


「倒さずに済む方法」


「まだそんなことを」


「俺たちらしいだろ」


「僕は敵だ」


「今はな」


「これからもだ!」


「それを決めるのも、お前だろ」


もう一人のレイン。


完全に。


止まる。


レインは。


ソラへ言ったことを思い出す。


自分が誰なのか。


向こうに決めさせるな。


なら。


こいつも同じ。


「父さんに」


「危険だから封印された」


「そうだ」


「怪物だって」


「そうだ」


「だったら」


レインは続ける。


「そのまま怪物でいる必要はない」


「……」


「父さんが決めたお前じゃなくて」


「自分で決めろ」


もう一人のレインの表情が。


少しずつ。


歪む。


「簡単に言うな」


「簡単じゃない」


「僕は弟を消した!」


「知ってる」


「人間の才能も、記憶も、全部奪える!」


「知ってる」


「世界だって食える!」


「それは困る」


「なら!」


「だから」


レインは。


もう一歩。


前へ出た。


「使わなきゃいい」


「……何?」


「俺には攻撃能力がない」


「それと同じ?」


「少し違うけど」


「全然違う!」


「でも」


レインは笑う。


「力があるから使わなきゃいけないなんて、誰が決めた?」


もう一人のレインは。


何も言えなかった。


◇◇◇


その時。


迷宮全体が。


激しく揺れた。


ゴゴゴゴゴ――!


【警告】


【アビス覚醒率】


5%



7%


レインの表情が変わる。


「何だ?」


黒い亀裂の向こう。


無数の目。


一斉に開く。


もう一人のレインも。


振り返った。


「……まずい」


初めて。


明確な恐怖。


「何が」


「僕じゃない」


「何?」


「アビスは」


もう一人のレインが黒い亀裂を見る。


「僕だけじゃない」


レインの背筋が冷たくなる。


「どういう意味」


「父親は」


「僕を封印するために」


「元からあった境界施設を使った」


「元から?」


「そう」


「アビスは」


一拍。


「僕の牢獄じゃない」


黒い亀裂。


さらに。


広がる。


「僕も」


「アビスに」


「閉じ込められているだけだ」


全員。


表情が変わる。


レイン。


「じゃあ」


「最初に」


「俺を呼んでいたのは」


もう一人。


「途中までは僕」


「途中から?」


「別のもの」


黒い亀裂の奥。


今まで。


無数の目だと。


思っていた。


それらが。


一斉に。


動く。


目ではない。


何かの。


穴。


世界そのものに開いた。


孔。


その奥。


何か。


巨大。


形。


分からない。


「ノア」


「見てる」


【全員生還率】


1.4%



0.3%。


「下がった!」


「こいつが原因じゃない!」


ノアが叫ぶ。


「別の何かが来る!」


セラ。


未来視。


「見えません!」


「何も?」


「未来が」


「真っ黒です!」


もう一人のレイン。


急に。


こちらへ。


走り出す。


ガルド。


盾。


構える。


「待って!」


レインが止める。


「攻撃じゃない!」


もう一人のレイン。


亀裂から。


こちらへ。


完全に。


飛び出した。


その瞬間。


身体。


崩れ始める。


黒い粒。


「お前!」


レインが支える。


「何してる!」


「ここでは」


「僕は」


「長く存在できない」


「なら戻れ!」


「戻ったら」


もう一人。


亀裂を見る。


「食われる」


「誰に」


返事。


ない。


代わりに。


黒い亀裂から。


声。


初めて。


聞く。


人間のものではない。


言葉。


でも。


意味だけ。


頭へ入る。


――器。


レイン。


頭。


激痛。


「っ!」


――二つ。


――戻せ。


――一つに。


もう一人のレイン。


顔。


青い。


「逃げろ!」


「お前は!」


「僕はいい!」


「よくない!」


「レイン!」


初めて。


もう一人が。


こちらの名前を。


同じ存在ではなく。


別人のように呼ぶ。


「僕を」


「食わせるな!」


レイン。


その言葉で。


決める。


「ノア!」


「何!」


「敵が変わった!」


「分かってる!」


「勝利条件変更!」


ノアの目。


戦場。


一気に。


切り替わる。


「条件!」


レイン。


もう一人の自分を。


支えながら。


叫ぶ。


「こいつを」


「連れて帰る!」


もう一人のレイン。


「……何?」


ガルド。


笑う。


「また拾うのか!」


「俺なんだから」


「仕方ないだろ!」


リリア。


思わず。


「それ理由になってます?」


ミア。


「名前どうします!?」


「今それ!?」


「同じレインさんが二人いたら困ります!」


「確かに困る!」


もう一人。


呆然。


「……君たち」


レイン。


「後で説明する!」


「ノア!」


「帰り道!」


ノア。


《生還経路》。


「ない!」


「作れ!」


「簡単に!」


「いつもやってる!」


「お前は毎回俺に無茶を言う!」


それでも。


ノアは。


地形。


境界。


迷宮構造。


全て。


見る。


「エマ!」


「はい!」


「《名無し》!」


エマ。


右手。


剣。


「何をすれば」


レインの視界。


《名無し》。


【製造目的】


境界外存在への対抗。


【完成度】


17%。


だが。


今。


新しい表示。


【暫定機能】


境界切断。


使用可能。


成功率。


12%。


「エマ!」


「亀裂を斬れる!」


「え?」


「《名無し》で!」


「でも」


「完成してません!」


「十二%ある!」


「十二%!?」


「俺たちの生還率より高い!」


ノア。


「比較するな!」


ガルド。


「でも確かに高い!」


「皆さん感覚がおかしくなってません!?」


エマ。


それでも。


《名無し》。


構える。


片腕。


剣。


重い。


ミア。


すぐ。


横へ。


柄。


一緒に。


握る。


エマ。


見る。


ミア。


「共同制作です!」


「今は戦闘です!」


「同じです!」


エマ。


一瞬。


そして。


笑う。


「そうですね!」


二人。


剣。


構える。


レイン。


支援。


《筋力補助》。


エマ。


《姿勢補助》。


ミア。


《精密操作》。


さらに。


もう一人のレイン。


崩れながら。


手。


伸ばす。


「僕も」


レイン。


「何ができる」


「境界を」


「少し」


「抑えられる」


「やれ!」


「即答?」


「仲間になるなら働け!」


もう一人。


一瞬。


言葉。


止まる。


仲間。


その言葉。


何百年。


いや。


何年。


聞いていない。


「……分かった」


黒い文字。


腕。


浮かぶ。


【捕食】


ではない。


【境界固定】


亀裂。


動き。


少し。


止まる。


レイン。


目。


大きくなる。


「そんなこともできるのか!」


「僕は」


「君より」


「できることが多い」


「今、自慢するな!」


「少しくらいいいだろ!」


初めて。


もう一人。


少し。


笑う。


「エマ!」


レイン。


叫ぶ。


「今!」


エマ。


ミア。


二人。


《名無し》。


振り下ろす。


刃。


亀裂。


触れる。


一瞬。


何も。


起きない。


「駄目?」


エマ。


その瞬間。


カァァァァン――!


神造鍛冶。


あの音。


剣。


光。


【暫定機能】


《境界切断》


発動。


黒い亀裂。


縦に。


裂ける。


いや。


閉じる。


奥。


巨大な何か。


声。


――器。


――逃がすな。


ガルド。


「気持ち悪い奴だな!」


大盾。


地面。


叩く。


《仲間防衛》。


迷宮。


揺れ。


受ける。


リリア。


魔法。


亀裂周囲。


固定。


《アイス・プリズン》。


セラ。


未来。


一瞬だけ。


見える。


「エマ!」


「三秒!」


「三秒後」


「右側が崩れます!」


エマ。


剣。


右へ。


ノア。


「レイン!」


「何!」


「出口!」


迷宮。


左。


壁。


「十秒だけ開く!」


「全員移動!」


ガルド。


先頭。


リリア。


セラ。


ミア。


ノア。


エマ。


レイン。


最後。


もう一人のレインを。


肩。


貸す。


「歩ける?」


「……君より」


「身体能力は高い」


「じゃあ自分で歩け!」


「今は崩れてる!」


「面倒だな!」


「君に言われたくない!」


二人。


走る。


出口。


光。


残り。


八秒。


七。


六。


亀裂。


背後。


再び。


開き始める。


――レイン。


声。


頭。


入る。


――戻れ。


レイン。


振り向かない。


「断る!」


――お前は。


――こちら。


「俺が」


レイン。


仲間。


見る。


「どこにいるかは」


「俺が決める!」


出口。


残り。


三秒。


ガルド。


先。


抜ける。


全員。


続く。


レイン。


もう一人。


最後。


二人。


飛び込む。


残り。


ゼロ。


扉。


閉鎖。


ドォォォン!


◇◇◇


静寂。


レイン。


床。


倒れる。


「……生きてる?」


ミア。


「たぶん」


「たぶん!?」


「痛いから」


「生きてる」


ガルド。


仰向け。


「それ」


「基準としてどうなんだ」


ノア。


《生還経路》。


確認。


そして。


長く。


息。


吐く。


「全員」


一拍。


「生きてる」


リリア。


笑う。


セラ。


座り込む。


エマ。


《名無し》。


見る。


刃。


半分ほど。


欠けている。


「……壊れた」


ミア。


「直せます!」


エマ。


少し。


笑う。


「今度は」


「私も」


「そう思います」


レイン。


横。


もう一人のレイン。


倒れている。


身体。


まだ。


黒い粒。


少しずつ。


消える。


「おい」


「何」


「消えてる」


「分かってる」


「止める方法」


「知らない」


レイン。


視界。


解析。


【分離個体】


現実層定着率。


4%。


低い。


【消滅予測】


十九分。


「十九分」


もう一人。


「十分」


レイン。


「何が」


「君と」


「話すには」


「長すぎる」


「嫌われてる?」


「かなり」


「俺も」


「君が嫌い」


レイン。


少し。


笑う。


「それでいい」


もう一人。


「……何?」


「同じ人間が」


「二人」


「仲良しの方が」


「気持ち悪いだろ」


一瞬。


全員。


笑う。


もう一人。


呆然。


そして。


少し。


笑った。


「確かに」


その瞬間。


レインの視界。


【分離個体】


敵対意思。


84%。



61%。


ノア。


気付く。


「下がった」


「何が」


「お前への」


「敵意」


レイン。


もう一人を見る。


「じゃあ」


「今なら」


「食べない?」


「今は」


「たぶん」


ミア。


「この人もたぶんって言いますね!」


ガルド。


「同じレインだからな」


「やめろ」


二人。


同時。


全員。


また。


笑う。


◇◇◇


その時。


レイン。


表示。


変化。


【特殊条件達成】


分離個体との敵対関係。


緩和。


【新規選択肢】


統合。


封印。


または。


――個体分離維持。


レイン。


目。


大きくなる。


「ある」


もう一人。


「何が」


「お前を」


「俺に戻さず」


「存在させる方法」


もう一人。


完全に。


固まる。


「……本当?」


「ああ」


【個体分離維持】


必要条件。


・新規名称。


・独立成長核。


・現実層定着媒体。


・境界接続切断。


成功率。


現状。


3%。


ガルド。


「低いな」


ノア。


「さっきより高い」


レイン。


笑う。


「なら」


「やる」


もう一人。


「待って」


「何」


「なぜ」


「何が」


「僕を」


一拍。


「そこまでして」


「残す?」


レイン。


少し。


考える。


そして。


答える。


「弟を」


「もう一人」


「失いたくない」


もう一人。


目。


大きくなる。


「弟?」


「いや」


レイン。


「俺だから」


「兄弟でもないか」


ミア。


「双子?」


ガルド。


「もっとややこしい」


ノア。


「分離体」


エマ。


「名前が必要なんですよね」


レイン。


「ああ」


もう一人。


一瞬。


嫌な予感。


「……まさか」


全員。


ミアを見る。


ミア。


目を輝かせる。


「名前!」


もう一人。


即答。


「君だけには任せない」


ミア。


「ひどい!」


レイン。


笑いながら。


表示を見る。


残り時間。


十八分。


その間に。


名前。


成長核。


定着媒体。


境界切断。


全部。


必要。


でも。


今のレインには。


一人ではない。


神造鍛冶師。


錬金術師。


戦場設計士。


未来視。


魔法使い。


守護騎士。


そして。


自分。


「十八分」


ノア。


すでに。


考え始める。


「十分だ」


ガルド。


笑う。


「何が必要だ」


エマ。


《名無し》。


握る。


「定着媒体なら」


「作れるかもしれません」


ミア。


「成長核は」


「錬金で補助できるかも!」


セラ。


「失敗する未来」


「避けます」


リリア。


「魔力は」


「私が」


レイン。


もう一人を見る。


「名前」


「自分で決めろ」


もう一人。


「……」


アレン。


ソラ。


自分で。


名前を。


選んだ。


今度は。


もう一人のレイン。


誰でもない。


父親が決めた怪物でも。


レインの影でも。


ない。


自分自身。


「分かった」


もう一人。


目を閉じる。


「僕は」


一拍。


「カイン」


レイン。


「理由は?」


「ない」


少し。


笑う。


「自分で」


「今」


「決めた」


レインも。


笑う。


「じゃあ」


「カイン」


初めて。


その名を。


呼ぶ。


【分離個体】


名称登録。


レイン分離体。



カイン。


【自己定義】


成立。


現実層定着率。


4%。



9%。


「上がった!」


エマ。


「次!」


レイン。


全員を見る。


「こいつを」


一拍。


「この世界に」


「叩き込むぞ!」


カイン。


呆れた顔。


「言い方」


「もっと」


「何とかならない?」


レイン。


即答。


「ならない」


そして。


十八分。


世界に存在しないはずの。


もう一人のレインを。


一人の人間。


《カイン》として。


生かすための。


無茶苦茶な作戦が。


始まった。


――第四十二話 了――

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