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世界最低の後衛は最高の後衛だった ~三度追放された荷物持ちは、捨てられた才能だけを集めて魔王を討つ~  作者: あめのひくもり


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第三十五話 一号

第三十五話 一号


音が。


消えた。


いや。


正確には。


世界そのものが。


止まった。


ベルクの街。


鍛冶場から上がる煙。


空を飛んでいた鳥。


道を走っていた犬。


人。


馬車。


炎。


全て。


完全に。


静止。


「……」


レインだけが。


辛うじて。


動いていた。


腕の中。


アレン。


意識なし。


【アレン】


全能力――強制停止。


【状態】


生命活動のみ維持。


レインが。


一号を見る。


少女。


十三、十四歳ほど。


黒いローブ。


武器なし。


笑顔。


どこにでもいそうな。


普通の少女。


なのに。


街一つを。


止めた。


「何をした」


一号が。


首を傾げる。


「止めました」


「見れば分かる」


「なら」


「質問の意味が分かりません」


淡々。


感情が。


薄い。


レイン。


解析。


【対象】


一号。


【解析開始】


――失敗。


再試行。


【解析失敗】


さらに。


《完全戦場解析》。


起動。


地形。


味方。


敵。


「……」


何も出ない。


ノア。


停止。


セラ。


停止。


リリア。


停止。


ガルド。


停止。


ミア。


停止。


エマ。


停止。


ドレイク。


停止。


レイン以外。


全員。


動かない。


「俺は」


「なぜ動ける」


一号。


初めて。


少しだけ。


興味を示す。


「不思議ですね」


「お前がやったんだろ」


「はい」


「なのに分からない?」


「あなたは」


一号。


レインを見る。


「規格外なので」


その言葉。


もう。


何度聞いただろう。


規格外。


上限なし。


世界に表示できない。


境界。


「便利な言葉だな」


「そうですか?」


「ああ」


レイン。


アレンを。


ゆっくり地面へ寝かせる。


「分からないことを」


「全部それで片付けられる」


一号が。


少しだけ。


笑う。


「面白いですね」


「笑ってる場合か」


「私は」


「笑う練習をしています」


「……何?」


一号。


自分の頬へ。


指。


触れる。


「人間は」


「笑うと」


「相手が安心するそうです」


レイン。


「全然安心しない」


「そうですか」


笑顔。


消える。


無表情。


こっちの方が。


さらに怖い。


◇◇◇


「目的は」


レインが聞く。


「十二号」


「アレンだ」


「十二号です」


「名前はアレン」


一号。


数秒。


沈黙。


「名前?」


「ああ」


「自分で決めた」


「……」


一号が。


アレンを見る。


「十二号が」


「自分で?」


「ああ」


「なぜ?」


レイン。


「本人が決めたからだ」


「命令ではなく?」


「そうだ」


一号。


明らかに。


理解できていない。


「必要ありません」


「何が」


「名前」


「識別番号があります」


レイン。


ため息。


「そういうところだ」


「何がです?」


「お前」


「自分の名前あるのか」


一号。


答える。


「一号です」


「それは番号」


「同じです」


「違う」


「何が」


レイン。


少女を見る。


「一号は」


「お前が自分で選んだものじゃない」


「……」


「誰かに付けられた番号だ」


少女。


無言。


「アレンは」


「自分で選んだ」


「だから」


「名前だ」


一号。


少し。


眉をひそめる。


「理解できません」


「だろうな」


「でも」


レイン。


アレンを見る。


「こいつは」


「理解し始めた」


一号の視線。


アレン。


「それが」


「異常です」


「異常?」


「完成個体は」


「自己判断を必要としません」


「命令を実行する」


「それが」


「存在目的です」


レイン。


「じゃあ」


「命令がなくなったら?」


一号。


即答。


「待機します」


「永遠に?」


「必要なら」


「……」


レイン。


少し。


怒りが湧く。


「それ」


「生きてるって言わないだろ」


一号。


表情。


変わらない。


「生存しています」


「そういう意味じゃない」


「では」


「どういう意味です?」


レイン。


言葉に。


詰まる。


生きる。


それを。


どう説明する。


食べる。


眠る。


笑う。


失敗する。


仲間を作る。


自分で決める。


全部。


「……面倒だな」


「何がです?」


「お前に」


「一から教えるのが」


一号。


首を傾げる。


「教える?」


「そうだ」


レイン。


決めた。


「アレンは返さない」


「では」


一号。


右手。


上げる。


「強制回収します」


「待て」


「待ちません」


「話くらい最後まで聞け!」


「必要ありません」


少女。


指。


一本。


レインへ。


【警告】


【能力停止干渉】


レインの視界。


表示。


【支援能力】


停止処理。


《潜在才能鑑定》。


停止。


《完全戦場解析》。


停止。


《完全支援》。


停止。


次々。


消える。


「……!」


レイン。


膝。


少し崩れる。


一号。


近づく。


「あなたは」


「特殊ですが」


「能力構造自体は」


「停止できます」


レイン。


手。


握る。


支援。


使えない。


解析。


使えない。


仲間。


止まっている。


一人。


「本当に」


「何もできないな」


小さく。


呟く。


一号。


「はい」


「現在のあなたは」


「身体能力D相当」


「攻撃能力なし」


「防御能力なし」


「抵抗は無意味です」


「丁寧に」


「現実突きつけるな」


一号。


レインの横を。


通る。


アレンへ。


「十二号を回収します」


レイン。


腕。


掴む。


一号。


止まる。


「……」


「離してください」


「断る」


「あなたでは」


「止められません」


「知ってる」


「では」


「なぜ」


レイン。


少女の腕を。


掴んだまま。


「仲間だから」


一号。


「……」


「意味が」


「分かりません」


「だろうな」


一号。


手。


軽く振る。


それだけ。


レイン。


吹き飛ぶ。


ドン!


鍛冶場の壁。


背中。


激痛。


「ぐっ……!」


D。


いや。


防御能力。


なし。


普通に。


痛い。


一号。


アレンへ。


「回収」


「させるか……」


レイン。


立つ。


一号。


振り返る。


「理解できません」


「何が」


「勝てない」


「能力も使えない」


「それでも」


「なぜ立つのです?」


レイン。


息。


荒い。


「俺も」


「昔は」


「分からなかった」


「……」


「攻撃できない」


「戦えない」


「弱い」


「だから」


「何の役に立つんだって」


一号。


無言。


「でも」


仲間。


見る。


止まっている。


ガルド。


リリア。


セラ。


ミア。


ノア。


エマ。


アレン。


「今は」


「分かる」


「何がです」


「俺が」


「立つ理由」


レイン。


一歩。


「勝てるからじゃない」


もう一歩。


「強いからでもない」


「じゃあ」


「何です?」


レイン。


答える。


「こいつらの」


「仲間だからだ」


一号。


初めて。


完全に。


黙った。


◇◇◇


その瞬間。


アレンの指。


僅かに。


動く。


一号。


気付く。


「……?」


【十二号】


強制停止。


99.9%。


「あり得ない」


一号。


能力。


強化。


【停止出力】


100%。


アレン。


指。


また。


動く。


レイン。


見る。


「アレン?」


一号。


「停止」


さらに。


【出力】


110%。


アレンの瞳。


少し。


開く。


「……レ……イン……」


一号。


表情。


変わる。


「なぜ」


「動ける」


アレン。


身体。


震える。


「名前……」


「何?」


「私は」


アレン。


歯を食いしばる。


「十二号……では……ない」


一号。


「識別番号は十二号です」


「違う……」


「同じです」


「違う」


レイン。


笑う。


「ほら」


一号を見る。


「本人が違うって言ってる」


一号。


「命令違反です」


アレン。


「そう……ですね」


ゆっくり。


身体。


起きる。


「でも」


「最近」


「命令違反に」


一拍。


「慣れてきました」


レイン。


吹き出す。


「それ」


「自慢することか?」


アレン。


苦しそうに。


でも。


笑う。


「レインに」


「教わりました」


「俺はそんなこと教えてない」


「失敗してもいいと」


「それと命令違反は違う!」


一号。


二人を見る。


理解不能。


そんな顔。


「停止出力」


「上昇」


【120%】


アレン。


再び。


膝。


「ぐっ……!」


レイン。


支える。


「アレン!」


「大丈夫です」


「全然大丈夫じゃない!」


「最近」


「それも覚えました」


「何を」


「大丈夫でなくても」


「大丈夫と言うことを」


レイン。


「悪いこと覚えたな!」


◇◇◇


一号が。


一歩。


近づく。


「十二号」


「命令です」


アレン。


顔。


上げる。


「帰還してください」


「拒否します」


一号。


止まる。


「命令です」


「拒否します」


「完成個体は」


「命令を拒否しません」


アレン。


笑う。


「では」


「私は」


一拍。


「失敗作ですね」


その言葉。


一号の瞳。


僅かに揺れる。


「失敗作」


「はい」


「それは」


「廃棄対象です」


アレン。


「そうですね」


「怖くないのですか」


「怖いです」


一号。


また。


止まる。


「怖い?」


「はい」


「廃棄されることが?」


アレン。


首を横に振る。


「違います」


「では」


「何が」


アレン。


レイン。


仲間たち。


見る。


「せっかく」


「手に入れたものを」


「失うことが」


一号。


「何を」


「名前」


「仲間」


「失敗する権利」


そして。


小さく。


「料理」


レイン。


「料理はまだ下手だけどな」


「まな板を壊したのは一度です」


「一度で十分だ」


一号。


二人を見る。


そして。


初めて。


視線が。


迷う。


◇◇◇


その瞬間。


レインの視界。


停止していたはずの。


《潜在才能鑑定》。


一瞬。


点滅。


【対象】


一号。


【解析不能】


消える。


また。


点滅。


【対象】


一号。


【潜在――】


消える。


レイン。


目を細める。


「……まさか」


一号。


「何です?」


「お前も」


「何を」


もう一度。


鑑定。


【停止干渉中】


だが。


一瞬。


見えた。


【潜在才能】


――未定義。


「未定義?」


一号。


表情。


変わる。


「何を見たのです」


レイン。


笑う。


「お前」


「まだ」


「何者にもなってないんだな」


「意味が分かりません」


「アレンは」


「後衛支援士の才能があった」


「エマは」


「神造鍛冶師」


「ガルド」


「守護騎士」


「でも」


レイン。


一号を見る。


「お前には」


「まだ職業がない」


一号。


「私は」


「制御個体です」


「それは役割」


「同じです」


「違う」


また。


同じ会話。


だが。


今度。


一号は。


すぐに言い返さなかった。


レイン。


続ける。


「お前」


「自分で」


「何かやりたいって」


「思ったことあるか?」


「ありません」


「好きなもの」


「ありません」


「嫌いなもの」


「ありません」


「食べたいもの」


「必要な栄養を摂取します」


「それ」


「答えになってない」


「……」


一号。


初めて。


少しだけ。


困った顔。


その瞬間。


【停止出力】


120%。



119%。


レイン。


気付く。


「……」


一号。


感情。


揺れる。


能力。


弱まった。


アレンも。


気付く。


「レイン」


「ああ」


「話し続けてください」


一号。


「何を」


レイン。


笑う。


「質問だ」


「必要ありません」


【停止出力】


118%。


「好きな食べ物」


「ありません」


117%。


「嫌いな奴」


「ありません」


116%。


「好きな色」


「ありません」


115%。


ミア。


指。


僅かに動く。


「……」


レイン。


さらに。


「じゃあ」


「笑う練習」


一号。


止まる。


「何でしてる」


「人間を安心させるため」


「誰に命令された」


「……」


答えない。


「自分で始めた?」


一号。


視線。


逸れる。


【停止出力】


109%。


レイン。


笑う。


「あるじゃないか」


「何が」


「自分で決めたこと」


一号。


「違います」


「違わない」


「必要だと判断しただけです」


「自分で?」


「……」


【停止出力】


101%。


ガルド。


指。


動く。


リリア。


杖を握る手。


僅かに。


震える。


ノア。


目。


動く。


一号。


それを見る。


「……停止」


出力。


上げようとする。


だが。


上がらない。


【能力不安定】


【自己定義矛盾を検出】


一号。


表情。


初めて。


明確に。


焦る。


「何です」


「これは」


レイン。


「たぶん」


「お前」


一歩。


近づく。


「自分で考え始めたからだ」


「違う」


「笑う練習」


「違います」


「今」


「困ってる」


「違う」


「焦ってる」


「違います!」


一号。


声。


大きくなる。


その瞬間。


停止。


完全に。


切れる。


音。


戻る。


カァァァン!


鍛冶場。


ハンマー音。


鳥。


羽ばたく。


人々。


動く。


ガルド。


「うおっ!?」


リリア。


「動ける!」


セラ。


弓。


構える。


ノア。


即座に。


戦場確認。


ミア。


「何が起きたんです!?」


エマ。


「私も分かりません!」


ドレイク。


ハンマー。


握る。


アレン。


立つ。


そして。


一号。


一人。


動かない。


自分の手を。


見ている。


「私が」


「失敗した?」


レイン。


答える。


「ああ」


一号。


顔。


上げる。


「では」


「廃棄される?」


アレンの表情。


変わる。


レイン。


即答。


「されない」


「なぜ」


「ここでは」


一拍。


「失敗してもいい」


ミア。


大きく頷く。


「新しい失敗なら!」


ガルド。


「お前は黙ってろ」


一号。


全員を見る。


理解できない。


でも。


逃げない。


攻撃もしない。


ただ。


立っている。


レイン。


手。


差し出す。


アレン。


その瞬間。


嫌な予感。


「レイン」


「何」


「まさか」


「ああ」


ガルド。


頭を抱える。


「またか」


リリア。


笑う。


「またですね」


セラ。


「早いですね」


ノア。


「街に入ってから」


「二人目だぞ」


エマ。


「え?」


「何の話ですか?」


ミア。


嬉しそう。


「仲間勧誘です!」


エマ。


「私まだ入るって言ってませんけど!?」


レイン。


一号だけを見る。


「お前」


「うちに来るか」


一号。


完全に。


固まった。


「……」


レイン。


「名前も」


「自分で決めればいい」


一号。


「私は」


「十二号を回収しに」


「失敗した」


「……」


「じゃあ」


「今の任務は終わりだ」


「そんな理屈」


「通りません」


「俺のパーティーでは通る」


ノア。


「初耳だ」


レイン。


「今決めた」


ガルド。


「勝手にルール増やすな」


一号。


初めて。


ほんの僅かに。


口元が。


動いた。


笑った。


のかもしれない。


その時。


一号の胸。


今まで。


見えなかった。


黒い文字。


浮かぶ。


【強制帰還命令】


【対象】


一号。


一号の表情。


消える。


「……」


アレン。


「まずい」


「何が」


「一号には」


「私より強い」


「強制制御がある」


一号の身体。


震える。


【帰還命令】


【拒否権限】


なし。


レイン。


「一号!」


少女。


苦しそうに。


レインを見る。


そして。


初めて。


自分から。


言葉。


「……行きたく」


一拍。


「ない」


その瞬間。


レインの視界。


【潜在才能】


確定開始。


【自己意思発生】


条件成立。


一号の表示。


変わる。


【真の適職】


――未確定。


【分岐候補】


複数。


レインの目。


大きくなる。


初めて。


一つではない。


剣士。


魔法使い。


治癒師。


斥候。


錬金術師。


支援士。


無数。


「……何だこれ」


アレン。


「どうしました」


レイン。


一号を見る。


そして。


理解する。


「こいつ」


「才能がないんじゃない」


「何?」


「逆だ」


レイン。


笑う。


「何にでも」


「なれる」


一号。


身体。


光。


強制転移。


始まる。


アレン。


叫ぶ。


「連れて行かれます!」


レイン。


一号へ。


手を伸ばす。


「名前!」


一号。


「え?」


「今!」


「自分の名前を決めろ!」


「なぜ!」


「自分が」


「誰なのか」


「向こうに決めさせるな!」


一号。


光。


強くなる。


時間。


ない。


「名前……」


「何でもいい!」


「分かりません!」


「好きな音!」


「ありません!」


「じゃあ」


ミア。


突然。


叫ぶ。


「イチ!」


全員。


「……」


一号。


ミアを見る。


ミア。


「一号だから!」


ガルド。


「そのまんまじゃねえか!」


ミア。


「でも可愛いです!」


レイン。


「本人が決めるんだって!」


一号。


一瞬。


笑った。


そして。


「イチは」


「嫌です」


ミア。


「ええ!?」


その言葉。


自分で。


嫌。


と。


言った。


一号自身が。


一番驚く。


「嫌……」


レイン。


笑う。


「それでいい」


「嫌なら」


「別のを選べ」


転移。


残り。


僅か。


一号。


空。


見る。


ベルク。


青い空。


初めて。


命令ではなく。


自分で。


見たもの。


「ソラ」


レイン。


「ソラ?」


少女。


頷く。


「空が」


「好きかもしれません」


レイン。


笑う。


「いい名前だ」


その瞬間。


【個体名】


一号。



ソラ。


【自己定義成立】


強制転移。


一瞬。


止まる。


だが。


完全には。


止められない。


アレン。


「まだ無理です!」


レイン。


ソラの手。


掴む。


「戻ってこい!」


ソラ。


初めて。


本当の恐怖。


「怖い」


レイン。


「ああ」


「向こうへ戻ったら」


「廃棄されるかもしれない」


「……」


「でも」


レイン。


強く。


手を握る。


「今度は」


「俺たちが」


「迎えに行く」


ソラ。


目。


見開く。


「本当に?」


「ああ」


光。


最大。


「約束する」


そして。


ソラは。


消えた。


静寂。


レインの手。


空。


アレン。


拳。


握る。


「一号……」


レイン。


首を横に振る。


「ソラだ」


アレン。


一瞬。


止まり。


頷く。


「……はい」


レインの視界。


【新規対象登録】


ソラ。


【状態】


強制帰還。


【所属】


未確定。


【潜在才能】


無限分岐型。


そして。


最後。


【救出対象】


追加。


レイン。


その表示を見る。


「よし」


ガルド。


「何がよしだ」


「予定」


レイン。


仲間を見る。


「一つ増えた」


ノア。


ため息。


「またか」


「まず」


ガルドの新しい盾。


ベルクの未攻略迷宮。


レベル100。


父親。


王国魔術院。


零号。


そして。


ソラ。


問題。


増えるばかり。


でも。


レインは。


少しだけ。


笑っていた。


「ソラを」


一拍。


「取り返しに行く」


アレン。


その言葉を聞き。


静かに。


頷いた。


「今度は」


「私が」


「一号――」


言い直す。


「ソラを」


「連れ戻します」


レイン。


「一人じゃない」


アレン。


見る。


「俺たちで」


仲間たち。


全員。


頷く。


世界から。


捨てられた者を。


拾う。


それが。


《リベレーション》。


なら。


次に拾う相手が。


世界そのものに作られた。


最強の制御個体でも。


やることは。


何も。


変わらない。


――第三十五話 了――

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