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鳥の話。2

 鳥の話。2


 冬将軍と雪の女王様が、宴会芸でもしたかのような大寒波が訪れたある朝。


 寒かろうとも降り積もる雪をどかそうとした父は、車庫の片隅に文字通り固まってる小鳥を見つけました。

 こんなに寒いのだから、凍てついてしまったのだろうか。動かないという事は死んでいるのだろうな。可哀想に。


 ……しかし、よく見ると小鳥は微かに震えていたのでした。


 おお生きていた、と安堵すると共にこれは困ったなと思ったそうです。


 野鳥である以上、手出しは厳禁であることは重々承知しているものの。

 しかし目の前で今にも儚くなりそうな小鳥を前に、どうするべきかと悩み、父は母と話し合いました。結局二人はそのままにしてはおけないと、救助する事にしたのです。

 二人はダンボールに毛布を敷いてそっと小鳥を置き、タオルで囲い暖房がきいた部屋の片隅に置きました。そして小鳥が怯えてしまうかもしれないからと、軽く蓋をして暫くそのままに、様子をみることにしたのです。



 そして夕方。

 仕事から帰って来た弟は、中途半端に開いていたダンボールの中身が気になり開けてみました。


 すると、小鳥がいきなり飛び出しました。

「うお、は?小鳥?何で?」

 弟と小鳥は揃ってパニックに陥ったらしいです。

 しかしながらまだ回復していなかった小鳥は、近くにあった額縁に止まるとその場から動かなくなりました。

 弟は母に事のあらましを聞き、小鳥を観察し、小刻みに震え動かないのを確認するとタオルでそっとくるみ、ダンボールに戻したのでした。されるがままだった小鳥はもはや抵抗はしなかったそうです。脇に水を入れた皿と果物を置き、そっと軽く蓋をして見守る事にしたのです。


 そして三日後。

 完全に心を射ぬかれて小鳥を溺愛しかける母をたしなめつつ様子を伺う父たちは、小鳥が元気になった事を喜びました。

 パタパタと部屋を飛び、窓辺に寄っていくのを見、別れの時が来たのだと察したのです。父が窓を開けると、小鳥は晴れ間を覗かせた空に向かって旅立っていったのです。



 あの小鳥の事を心配して、事あるごとに庭を見るようになった。と寂しそうにしていた父と母。

 ある日、かの小鳥が元気な姿を見せに来たと、嬉しげに母は教えてくれたのでした。

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