ラーメンの話。
ラーメンの話。
我が県は日の本に於いて一・二を争うラーメン消費量を誇ります。
……という事をとある番組で知りました。その時に私は、
「本当か?それは?」
と思わず呟いたのです。
確かに結構な頻度でラーメンを食べる機会がある、と考えるくらいには身近な食品でした。それに地元のテレビ局がやけにラーメン押しの番組を作るなあ、なんて普段から思ってもいたのです。
遊びに来たお客様に出す店屋物も、ラーメンを選択する事に対し何ら問題視しません。ラーメンは寿司より気楽に頼めますし、お客様も気をおわずに済むのです。
……寿司は特別な。そう、特別な時のとっておきなのですよ。
色々思い起こした結果、目から鱗な事実として認識せざるを得ませんでした。
人々の支持を勝ち得た名店と呼ぶに相応しい店が、県内各地にあります。
しかし『美味しいお店』が確実に『美味しいお店』であるとは言い切れないのが中々難しいです。私は美味しいとしても、他の人が美味しいとは限りません。
大概は『普通』という、何とも上から目線な感想になる訳です。消費者とはそういうものであるのかもしれませんね。
因みに名店は『美味しい』という人が過半数をしめます。素晴らしい事だと思うのです。
とある夜。
遠出の帰り道、旦那様が言いました。
「帰ってからご飯作るのも大変だろう?何処かで食べようか」
旦那様の鏡のようなセリフでありました。
「豚骨ラーメンが食べたい。美味しい店があるから行こうか」
「うん、いいよ」
店にたどり着いたのは夜の八時でした。流石にこってりしたものは嫌だなぁと思った私は、悩んだあげく味噌ラーメンを選びました。旦那様は言わずもがな豚骨ラーメンです。
私が常に選ぶラーメンは味噌ラーメン。次点で醤油ラーメンでしょうか。それが私の定番であります。どんなに悩もうが基本的に味噌ラーメンがあればそれを選びます。旦那様はというと、確実に美味しい店であるならば豚骨ラーメンですが、基本的には醤油ラーメンを選びます。
大変美味しくいただきました。
が、旦那様が不機嫌オーラを発しています。私は何かしたのでしょうか。訳がわかりません。首を傾げる私に、彼はムスッとしたまま言いました。
「もうこの店に嫁さんを連れていかない」
と。意味がわかりません。暫くして、私が味噌ラーメンを選んだのが気に入らないのだと悟りました。彼は美味しい豚骨ラーメンを私に食べさせたかったのだと。
しかしながら、ラーメンを食べにいって、好きな味のラーメンを食さない方がおかしいと思うのです。ましてや拘りがあるなら尚更。
私は彼が食べたいという、ラーメンがあるお店に行く事に同意したのであって、同じ物を食べる等とは言ってはいないのです。
理不尽な物言いが何とも面白くありません。彼の機嫌を損ねると理解はしても、譲れない一線というものがあります。
「仕方がないじゃないの。私は味噌ラーメンが好きなんだから」
美味しい食事で喧嘩はしたくないものですね。




