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ごめんなさいの話。

 ごめんなさいの話。


「エッセイ書いてみたら」

 と言う、旦那様の一言に乗せられて書き始めたこの日記のようなエッセイ。

 まあ、日本語に訳せば『随筆』が妥当でしょうか。ちょっと違うような気もします。が、心赴くままに思うことを書いてみたり、何気ない出来事を綴るものであると理解しています。



 このエッセイを書き始めてから二ヶ月たった頃。いかに思い出話とはいえ、そこには家族の存在がある訳です。流石に罪悪感がありました。

 実家に里帰りした日、台所に立つ母と弟に言いました。

「あのさ……謝らなきゃならないことがあるの」

 二人は何事、とばかりに振り向きました。

「あるサイトに思い出話をエッセイという形で載せてるの。あっ、個人を特定させるようなことは書いてないから。でもね、やっぱりちょっとだけ悪かったかなと思って。嫌なら止めるよ。ごめんね」

「……なんだ、姉ちゃんが変なことを言うから、てっきり義兄さんと別れるとかそんな話かと思ったじゃないか。とうとう離婚かと」

 私は一瞬思考が停止しました。

「違うから!別れないから!しないから!」

「いや、新婚の頃1ヶ月位、家に帰ってきていた時あったろ?」


 旦那様が海外出向で二ヶ月程行ってしまったことがありました。その間寂しかろうと、お義母さんが里帰りしてきても良いと背中を押してくれたのです。だらだらと実家で転がっていた時期がありました。


「あの時さ、友達から言われたんだよ。『お前ん家のねーちゃん、とうとう出戻ったのか!早くね?』って」

 あっはっはっはと大笑いしたのでした。

「とうとうって失礼な!……そういえばあの時、父ちゃんにも同じ事言われた。しかも同じ言葉だった。って、酷いよね!?出戻りじゃないから!別れてないから!」

 ちなみに父がその事を話してくれた時も笑われたのです。

 

 うやむやのうちに、変なことを書かなければ良いよ、と許可がおりました。


 しかし新婚ほやほやの時期に長く里帰りすると、こんな噂が飛び交うことになるのかと思いました。噂とは恐ろしいものですね。


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