表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/77

トマトスープの話。

 トマトスープの話。


 何処から貰ってきたのか、鉢植えにバジルが植えられていました。バジルなんて何に使えばいいのか知らなかった私は、そのハーブの使い道を模索しました。


 幼い頃から下の弟は野菜が嫌いでした。好き嫌いがありすぎて困り果てた母が、せめてこれだけは飲みなさいと用意したのがトマトベースの野菜ジュースでした。下の弟はこれが大好きです。

 今では他の野菜も普通に食べるようにはなりましたが、母は大変だったろうなと、しみじみ思います。


「トマトのスープが飲みたい」

 ある日、下の弟は言いました。私と上の弟は、トマトねえ、と考えこみました。ふと、上の弟は私に言い聞かせるように呟きました。

「……姉ちゃん、あれは駄目だぞ」

 と。彼の言うあれとは、ミニトマトとキャベツのスープです。

 簡単に説明すると、洋風スープに、食べやすいサイズに切ったキャベツと半分に切ったミニトマトを入れ軽く火を通したものです。

 本に載っていたレシピだったのですが、満場一致で不味いという判定を我が家族は下しました。

 作った私が言うのも何ですが、あれは却下です。


「わかってるよ。そうだ、下の弟の大切なトマトジュースを使ってもいいかな?」

 許可を貰ったので、ついでに夜のお汁代わりにしようという話になりました。


 ジャガイモ、人参、玉ねぎ、ベーコンを食べやすいサイズに切ります。水を入れた鍋に野菜を入れ煮ます。灰汁を取り、野菜が柔らかくなったら洋風だしのもと、塩、胡椒で味つけをします。トマトジュースを入れたらちぎったバジルとベーコンも入れます。灰汁を取り暫く煮たら出来上がりです。

 トマトジュースを、トマトの缶詰に変えても美味しいです。


 新鮮なバジルがいい風味になっています。へぇ、本当にトマトにあうのだなと思いました。


 味見した弟たちも美味しいと言ってくれました。

 下の弟はおかわりを要求してきました。際限が無さそうだったので、私は彼の魔の手からスープを守りました。ちょっとだけ恨めしそうな顔をしていましたが、楽しみが少しだけ先に延びただけです。


 夕食を食べた後、余った分は全て下の弟が飲み干しました。相当気に入ったようでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ