アイスの話。
アイスの話。
酔っぱらいな旦那様の送迎をして、アイスを手に入れました。『お酒の話。』でも書きましたが、これは正当な報酬なのです。勿論旦那様の奢りです。
私はどのアイスを買うかで悩みました。すると旦那様が私に一口で食べられる、チョコでコーティングされたアイスが6個入っている箱と、自分用のチョコアイスをさっさと選びました。相も変わらず、この酔っぱらいは私の好みを熟知しているのです。
もう夜も遅いので、アイスは次の日に持ち越すことにしました。
次の日の夕食の後。旦那様が言いました。
「アイス食おう」
私はアイスを冷凍庫から取り出しました。旦那様のを渡そうとすると、それじゃないやつと言うではないですか。もうひとつのは私の分なのです。
「……これは私のだけど?」
「それで」
旦那様はニヤリと笑いました。悪い笑顔でした。
「自分のあるじゃないの」
「半分にしよう」
理不尽。あまりにも理不尽な物言いであります。
昨日からどちらも食べるつもりだったのです。この男。私の為にこれを選んだのではなかったのです。
一つくらいならあげてもいいけれど。しかし半分は酷い。
しかもこの男。私がアイスを半分くれる筈だと確信があるのか、笑顔を絶やしません。
結局私は旦那様の望みのまま、半分差し出しました。
幸せそうに食べるのを横目で見ながら。拒否できない自分に呆れつつ、私のアイスは消えていったのです。
そう。今回のエッセイは愚痴なのです。昨日のことなど無かったかのように朝、自分の分のアイスを食する旦那様を冷たい目で見つつ、携帯に文字を打ち込んでいるのです。旦那様はアイスを一口もくれません。
『お前の物は俺の物。俺の物は俺の物。』
どこかの誰かの迷言がふと、頭をよぎったのでした。




