チョコレートパフェの話。
チョコレートパフェの話。
私にとって喫茶店は友達とたまに行く程度で、しかも食事メインでした。つまりデザートは二の次。ですので、デザート目当てで通ったことはありません。
付き合い始めた当初、後に旦那様となる彼がおすすめの喫茶店に連れて行ってくれました。
お昼時でしたから私はピラフとサラダ、スープのセットを頼むと決めると、彼は何故かデザートの項目を見ていました。
注文する時になって、私のを頼んだ後で彼はただこう告げました。
「チョコレートパフェとコーヒー」
と。店員さんが去った後聞きました。それで足りるのですかと。
「食べ過ぎになるから」
と彼は淡々と言ったのです。
個人的な。そう、個人的な意見を述べさせてもらえるのならば。私は思いました。私が物凄くお腹が空いているように見えないか?と。そして、端から見たらこの注文は男女逆ではないか、とも。
案の定、注文の品を持ってきた先程とは違う店員さんは少し戸惑いを見せたのでした。やっぱりそうだよねと私は思ったのです。
「僕はね、ここの喫茶店に来ると必ずこれを頼むんだ。しかもここのは旨いからね。他と比べると」
つまり彼方此方で食べ比べする程、チョコレートパフェを食べてきたのかと、と思いました。
「……一人で?」
「……勿論」
聞けば彼は、休みの日一人で喫茶店に来ては軽食を頼む時にチョコレートパフェも頼むのだそうです。しかし場所によってはパフェが大きいこともあり、それとコーヒーを頼むことが最近は多いと言いました。
「ちょっと恥ずかしいけど、これは喫茶店とかでしか食べられないからね。慣れればたいしたことではないよ」
他のパフェは選択肢には入っていないそうで、パフェはチョコレート一択だとはっきり言いきりました。
身長も高く日中は常にサングラスをつけ、だらしない格好はしない男が一人で喫茶店に来てチョコレートパフェを注文する。威圧感が半端なく、傍目にはギャップが激しいなと私は想像しました。そして私は尊敬の眼差しを彼に向けました。
後に知るのですが、旦那様はチョコレート中毒といってよい程、チョコレートが好きです。普段は食べ過ぎるのはよくないと節制しようとしています。が、疲れがピークに達するとチョコレートを求めます。
ブラックチョコレートを常備していないと、この世の終わりといった雰囲気を醸し出すのです。
ですから我が家では冷蔵庫に板チョコや一口チョコが常備されているのです。




