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京都にて、の話。

 京都にて、の話。


 京都旅行に行ってきました。五泊六日という長い日程です。旦那様に感謝ですね。


 私は基本的に体が丈夫なほうで、滅多に病気にかかりません。

 ですが、今回は何故か必ず各種市販薬と保険証だけは持参しようという話になりました。いつもはそんなことを考えもしないというのに。

 まあ、何かあるとすれば旦那様だろうと思っていたのですが。


 今回の旅行では大原や鞍馬にも足を運びました。

 雪の舞う中、凛とただずむ三千院がとても素敵でした。いつ、どの季節に行っても素晴らしい所ですね。


 鞍馬寺までの坂道があんなにきついとは思いもよりませんでした。タクシーの運ちゃんが、

「日本一短いケーブルカーがあるが、使っても使わなくてもいいですよ」

 なんて言うものだから、旦那様の何かに触れてしまったようです。

「あれは俺に対する挑戦とみた。鞍馬寺まで歩く。ケーブルカーは使わない」

 ……ああ、やはりそうなるのですね。と思いました。私はどちらでもいいので付き合いましたよ。

 あまりにも急な坂道すぎて、現実逃避した私が旦那様に言ったのは、

「何故ここに義経を預けた」

 でした。誰がどんな思惑で源氏の若君をこの寺に連れてきたのか、と。

 こんな現代でさえ険しい坂道。普通に生活してるだけで足腰は鍛えられるではないですか。

 荒い息を吐きつつ呟く私に旦那様は言います。

「都から離れた所に隔離したかったんだよ。きっと」

 だとしても、です。


 タクシーの運ちゃん曰く、鞍馬に紅葉の時期行くならば電車がオススメだそうです。電車に乗ると、とても素晴らしい紅葉が見れるとか。

 逆にタクシーだと道が狭い上、渋滞にはまり大変なことになると。実際行ってみて納得しました。


 錦市場のあたりも行きました。とある簪のお店ではとても可愛らしいものばかりで迷いました。結果、選べなかった私を見かねて旦那様が選んでくれました。


 南禅寺の手前では豆腐の料理を食べました。湯豆腐や田楽。その他のおかず。出来たばかりの豆乳があんなに美味しいとは知りませんでした。


 哲学の道では和菓子のお店に寄りましたし、お土産屋さんでは旦那様と激論をかわし、納得した物を買いました。

 他にもいろいろな寺を巡りました。


 京都では彼方此方に行くので、基本的に歩き続けることになります。

 宿は朝食と夕食込みで選びました。なんて豪勢なとは思いました。しかし、歩き疲れて宿に戻ってから、夕食を食べに外に繰り出すよりは断然いいはずだという、旦那様の考えは正しいと思いました。

 美味しい朝御飯、夕食の懐石料理には感動しました。


 私は幸せでした。

 四日目の朝までは。


 京都にて、の話。2に続く。


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