でかいやつ作ろうぜ!の話。2
でかいやつ作ろうぜ!の話。2
「でかいやつ作ろうぜ!姉ちゃん」
またかと思いました。
その日も母たちはいませんでした。弟の手にはやはり食費が握られていました。
「俺は今回でっかいハンバーグが食べたいんだよ」
「……いいけど、本気?」
「おう、マジだ」
早速全ての材料を買い出しに出かけました。この間のように、食べきれない量にはなるべくしない方針で作ることにしました。それでも大きいことにかわりはありません。
帰宅後、早速弟は材料を切り捏ねます。
ハンバーグは弟に任せました。弟が食べたい大きさを作ってもらう為です。
私はサラダやお味噌汁を作ったりしました。
弟は私が仕事を終えた後。
フライパンにデカイのを一つ置き、蓋をして弱火で焼き始めました。暫くして、大皿に移してひっくり返します。
「……ヤバイ、姉ちゃん中まで焼けねえ……!!」
そりゃそうだろうと思いました。。大きさがおかしいのです。まさかフライパンサイズのを焼くなんて誰が思うでしょうか。
今なら煮込めばいいとか考えますが、私たちは焦っていたのです。
こんなサイズのを作ったことはありません。大概わりと中まで火が通るような普通のものを作ってきたのです。
焦れば焦る程、名案はでてこなくなるものです。
……このまま焼けば焦げます。
仕方なし、とばかりに焼けている端から食べることにしました。
生の部分にいたったら、大きめに切ってまた焼くことにしました。
結果、でかいハンバーグがサイコロハンバーグになってしまったのです。まあ、形はどうあれ、美味しかったですよ。
後になって、弟とあの時のハンバーグの話をしました。
「あれは悔しかった。弱火で焼いて蓋すれば、蒸し焼きっぽくなるかなって思ったんだけどなあ。
やはり表面を焼いたら、オーブンでやるしかないんだよ。だってさ、真ん中が五センチ位はあったし。そもそも中まで火が通る訳ないんだよ」
……物凄く今更なことを言います。というか、作る前に気付け。と思いましたが、口にはしません。
「若気の至りだな。しかもちょっとトラウマになってるし。
……まあ、次やるなら失敗はしないぜ」
何事も程々がいいんだぞ、弟よ。と姉は思ったのです。




