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でかいやつ作ろうぜ!の話。

 でかいやつ作ろうぜ!の話。


 ある日弟が言いました。

「どうせなら、でかいやつ作ろうぜ。姉ちゃん」

 母たちは祖父と私と弟の分の食費を渡して旅立ちました。

 なので我々の手には、好きな食材を買えるお金があったわけです。そのお金を片手に弟は言うのでした。


 そもそもの始まりは、祖父に何か食べたいものはないかと聞いた時です。

 祖父は「プリン」と呟きました。

 祖父はお酒が全く飲めない人で、甘党でした。


「ほら、この間テレビで見たやつ作ろうぜ」

「?」

「だからさ、あのプリンだよ」

 映画かドラマかは忘れました。

 主人公の家の冷蔵庫には、小さめなボウルに入ったプリンがありました。大皿にそれを逆さにして取りだして食べるというシーンがあったのです。

 ぷるんぷるんのとても大きいプリンはあまりにもインパクトがあり、私たちはいつか食べたいねと話しをしました。


 弟にしたら今がチャンスな訳です。家族の半分が出かけている為、大きいプリンを堪能できると言うのです。

 私はその頃働いていました。私は財布からお金を取りだし、食費に足します。どう見ても足りないからです。

 私は欲に目が眩んだのです。弟の野望に付き合うことにしました。


 私たちは買い出しに出かけ、市販のプリンの素を買いました。その他夕食の材料も買い、帰宅します。

 早速作成し冷やします。お楽しみは夕食の後なのです。



 机に置かれたどでかいプリンは、かなりの存在感がありました。

 大皿の上でぷるんぷるんと揺れるプリンはまさに迫力満点です。

 作っている最中、私たちはだんだん無言になりました。でかけりゃ良いって問題じゃないかもと薄々思いましたが、まあ、今更です。


 私たちはスプーンと皿を持ちました。好きなだけ皿に盛って食べようと。しかし中々手がでません。牽制とかではなく、どうしたものかと戸惑ったのです。

「……でかいな、これ」

 と祖父は苦笑しました。

「……大きすぎたねぇ」

 と私。弟もその異様な大きさに思わず呟きました。

「……やり過ぎたかな」


 結果を述べれば、食べきれるような量ではありませんでした。

 次の日に持ち越しです。


 やはり夢は夢。実現させてはいけないものもあるのでしょうね。


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