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犬と友情の話。

 犬と友情の話。


 それは小学校四年生の時の話です。

 登校中、前を歩いていた友人たちが慌てて走って来ました。そして何があったのかと、いぶかしむ私の後ろに回り込んだのです。


 ワフワフッ。


「わふわふ?って……!!」

 大型の犬が二匹、走る子供たちの後を追いかけてくるではありませんか。

 私は逃げられませんでした。友人たちが私を盾にしたからです。

 いつの間にか私の前には誰もおらず、犬は嬉しそうに走って来ました。

 そして、犬は後ろ足で立ち上がり、私の肩に前足を置きました。

 私よりも大きい犬でした。

 首輪はしているものの、それ以外はついていません。

 しっぽをフリフリ、ワフワフと舌を出し、キラキラした眼差しで私を見下ろすのです。

 もう一匹もしっぽをフリフリ『いいなー僕もするー』という雰囲気で側にいました。


 前には犬。

 後ろには私を盾にする友人たち。

 そして硬直してただ犬を見つめることしか出来ない私。


 慌てて走って来た飼い主は、一言も謝罪せずに犬を引き離すと、何事もなかったように犬を連れて行きました。

「このいたずらっ子め。駄目だろう。勝手に走って行っては。でも遊んでもらって良かったなあ、お前たち」

 と犬たちに語りかけながら。


 ビックリしたねー。とか、でっかい犬だねー。だとか、後ろでは皆がほっとしたのか笑いあっています。

 私を盾にしたことなど、まるで無かったかのように。

「酷い……あんまりだ。皆も盾にするってどういうことよ?謝らないで行っちゃったあのオジサンもなんなのさ!!怖かったっ……!!」

 私の弱々しい叫び声が響きました。死ぬのではないかという程、心臓がバクバクしています。足は震え、立っていられませんでした。

 泣き叫ばなかったのは、ただ驚き過ぎたからです。


 低学年の子たちは仕方がないでしょう。許します。寧ろ逃げるべきです。

 しかし同級生ならびに高学年のお兄さんやお姉さんたちはどうなのでしょうか。私は皆に比べ背も低く、運動も苦手でした。逃げたとしても犬に追い付かれていた可能性はあります。それなら仕方ないと諦めもつきますが、盾にするとは。

 お前ら本当に友達か?そもそも友達とは何なのかと苦々しく思ったのです。

「ごめんね」

 と皆は言ってくれたけれども。

 友情とは案外簡単に壊れかけるものだと知りました。そして暫く人間不信になったのです。



 以来中型から大型の犬が駄目になりました。

 飼い主と散歩している大型犬が近くにいるだけで足がすくみます。ひたすら怖いのです。例えきちんと鎖につながれていたとしても。


 大型犬を愛する皆さん、どうかしっかり躾をなさってください。

 犬が悪いのではありません。

 たとえ、やんちゃなワンちゃんや駄目ワンちゃんであっても。全ては飼い主の責任ですよ。


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