芋煮と魚釣りの話。
芋煮と魚釣りの話。
芋煮会。
芋煮というと牛肉を使う醤油の芋煮を連想される方も多いでしょうが、私の地方では違います。
豚肉を使った味噌味の芋煮です。なぜか。養豚が盛んである為です。しかも酒粕を入れます。
いいですか、豚汁ではありません。これは芋煮です。芋煮というのは地方で色々なバリエーションがあり、微妙に違うのです。
しかもそれぞれの地域で自分たちの芋煮が一番旨いと思っているのですよ。だから、秋にテレビで醤油味の芋煮が放送されると、
「醤油味の芋煮だけが芋煮じゃない!!」
と叫びたくなります。
まあ、家族や親戚で集まったり、会社の同僚との親睦会として芋煮が行われるのはどこも変わらない光景ではあります。河川敷や海岸で楽しく食べるのも面白いですよね。
幼い頃から我が家はお祖母ちゃん一家と共に、秋になると海岸での芋煮会に繰り出します。
祖母や母は行く前に材料は全て切り、そのまま煮込めるように食材を用意します。おにぎりも作ります。でかい鍋とカセットコンロに、机代わりの板と風を遮るものがあればよし。であります。
カセットコンロは長く芋煮会をしてきた経験から、薪より後片付けがしやすいし、持ち運びに便利だからという主婦の知恵からいつしか必需品にランクインしました。
え?風情が無い?
なにを仰いますか。薪では終了後どうやって始末をしろというのです。完全に消して、水をかけ砂に埋めようとも、何が原因で復活するかわかりません。強風吹き荒れる日本海をなめてはいけないのですよ。それが原因で火事になったら大変ではないですか。
他の方々はともかく、我が家はそれでよいのです。
ちなみにスーパーには芋煮セットがあり、でかい鍋などを貸してくれます。食材や薪も買えますからとても便利です。お手軽ですね。
浜辺につき、父がかなり大きい石を拾い集めて土台を作ります。我ら女性陣が着々と芋煮の用意を始めると、男性陣はすぐ側にある灯台へと続く防波堤で釣りを始めます。
鍋に水をたっぷり注ぎ、里芋、人参、蒟蒻を入れて煮ます。
芋が柔らかくなったら、椎茸と厚揚げ、豚肉を加えます。和風だしの素、味噌で味付けし、酒粕を加えます。最後に葱を入れます。
大事なのは必ず食べきれる量を作ること。持ち帰るのが大変だからです。
私は祖母と母の手伝いをし、時々父たちの様子を見にいったり、浜辺で貝殻を拾ったりしていました。
いつもこんな短時間で魚が釣れることはあまり無く、でも釣りが好きな男性陣は待つ間だけ、釣りを楽しむのです。
出来上がり、父たちを呼び戻します。
芋煮会の始まりです。
だいぶ暑さも和らぎ、風も少し冷たくなる頃です。
酒粕の入った味噌味の芋煮は体を温めてくれます。おにぎりも美味しいです。芋煮とおにぎりの組み合わせは完璧です。
最高なひととき、皆おかわりをしながら楽しみます。
食べ終わり、ゴミは全て回収し、忘れ物はないか確認して帰ります。
来年も皆で楽しむのだと笑いながら。
おまけ。
会社の芋煮会に参加した旦那様は、浜辺で本を読みながら火の番をしたそうです。
「皆、薪に火をつけるのが下手だし、火の加減も駄目だったからね。鍋は作らないけど火の番をしてたよ」
一番大変な、だけど一番暖かい場所を確保し読書するとか。流石(?)です。




