お魚さんを捌く!の話。
お魚さんを捌く!の話。
日本海側に住む我が家には、
『釣ってきた魚は釣り人本人が捌くのだ!』
という暗黙のルールがありました。
祖父と父、後に弟もですが未だにそのルールに従っています。
何故かは知りません。しかし休みの日に釣ってくるお魚さんを母と私が捌かなくてもいいのは正直ありがたい話です。あ、母は捌けますよ。勿論。
ですから魚の捌き方は見てはきましたし、父は腹わたの説明とかしてくれる訳です。
「これは浮き袋だぞー」
とか。怖いもの見たさ、というやつでしょうか。そういうのは何故か平気でした。おそらく自然とそういうものだと思っていたからでしょう。
高校で調理実習がありました。
どんなのを作ったかは記憶にありません。
ただその日は魚の三枚おろしをしたのだけは覚えています。
同級生は困った顔をしていました。三枚おろしは難しいよねと私も思いました。
二十センチくらいの魚です。あじだったはずです。
「いいですか、まず見ていてくださいね」
先生は三枚におろす手前までやってみせました。流水で腹の中を洗います。
皆はうわ、とざわついていました。
ここまでそれぞれやってみてくださいという指示がでました。
難しいなと思いながら指示通りします。躊躇せずにさっさとしてしまいます。
よし、と周りを見ます。
……何故、唖然としておられるんですか、友よ。
「えっ、もう?早くない?」
とはどういう意味ですか友よ。何故、まだ頭がついているのですか。覚悟を決めてザクッといきましょーと思いました。
「早いよ、早すぎだよ!躊躇いはどうしたの!?」
魚に関してはナイですよー。さっさとヤッてしまいましょーと心の中で思いつつ、言います。
「ここまでなら簡単じゃんか。問題は次だしさ。……動かないし、大丈夫だから」
「それは違う、最初も難関だよ!大丈夫じゃないし」
と友は否定しました。
「よく父ちゃんが捌いてたからさ、見慣れてるんだよ。私」
「そういう問題じゃないでしょ」
暫くして友人は頑張りました。
その後の試練も私たちはなんとかやり遂げました。やはり魚を捌くのは難しいと思いました。
だから三枚おろしは一応できます。ありがたいことに簡単な処理は出来るようにはなりました。
ですが自分の手に余る程でっかい魚は無理です。例えば五十センチ以上の魚とか。素人が手を出してはいけないサイズの魚ってありますよね。
だから、知り合いのおっちゃん、嬉しいけどせめて捌いたお魚を下さい。無理です。私には荷が重いと言いたいのです。
……我が儘ですかね。




