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たくあんのけんちんの話。

 たくあんのけんちんの話。


 ある日のこと。

『たくあん』が、薄い輪切りにされて、水を入れた鍋にぷかぷか浮いていました。


 初めて見るそれをどうするのかと母に聞きます。

「漬かりすぎたから塩抜きしてね、けんちんにするのよ」

 毎年母は祖母から漬けたてのたくあんを貰います。ですが量が多くて毎回食べ頃を過ぎてしまったのが必ず残ります。


 昔からそうして最後まで美味しく食べてきたそうです。


 鍋に油を少し入れ、塩抜きし水気を切ったたくあんを入れ炒めます。水、和風だしの素、酒と砂糖、醤油を加えて中火で汁気がなくなるまで煮ます。最後に七味唐辛子をふり軽く混ぜます。



 味が染み込み、いつものたくあんが別のおかずになってしまうとは。昔の人は偉いな、とか感心します。美味しいですよ。



 時々母からお裾分けしてもらったたくあんを食べる時、けんちんにしたのを思い出します。が、けんちんにする程あまりませんから少しだけ残念に思うことがあります。でも美味しいうちに食べるのが当たり前ですし、知識として覚えておけばいつか作ることもあるでしょうね。

 その日を楽しみに待つとしましょう。


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