第二十七話
私達二人は一旦物陰に身を潜めた。
そして、特に必要は無いがヒソヒソした声で作戦を立てる。
「とは言ってもどーする? そこまで俺の体力は修復し切れてねぇ。だから"ブラッドスラッシュ"撃っても大した打点にならねぇし。"ライフパージ"も使えねぇ……どうする?」
「……私が決めるよ」
「残りは一割……決めれるか?」
「うん! 任せて! とっておきの技を残してるから!」
「……任せた」
カケルが笑うと、私は物陰から飛び出して杖を構えた。
今の残っている魔力を使って丁度放つ事のできる──最大威力の風属性スキル。
「"ブレイクウィンド"ー!」
風の球状の塊を杖先に生み出し、杖をバッドの様に振るう。
風の球が猫竜に迫り、直撃する。
大きな咆哮を上げて、猫竜の体力は全て削られ──。
「……あれ!? 一ミリ残った!?」
本当にギリギリのところで減りが止まる。
私達二人は慌てふためいた。
「おいおい「任せろ」ったのはどこのどいつだ!?」
「ご、ごめん! 削りきれるかと!」
「早くスキルで攻撃を! あと一発だろ!?」
「今ので魔力が尽きちゃったのー!」
「なぁにやってんだぁー!」
二人でわーわー言っていると、猫竜はさっき私の放った風の球を構えた。
あのスキルはかなりの威力な為、まともに喰らえばどちらも無事では済まない。
なら、魔力の無くなって役割の無い私が受け──。
と思った時、目の前にバッとカケルが駆け込んで来た。
そして風の球を真っ向から両手で受け止めた。
「ぐぁぁぁああああ!」
カケルが断末魔を上げながら攻撃を受け止める。
やがて攻撃が止むとカケルの体力は底を──。
「……うっそ!?耐えてるっ!?」
尽きておらず、ギリギリのところで耐えていた。
"バトルヒーリング"のおかげで体力が最低限残っていたからだろう。
彼はギリギリの体力のまま剣を振るう。
だが、ダメージが足りていない。
私はやけくそになって、猫竜へと駆け出した。
そして杖を振るった。
「うぉお! いっけぇぇ!」
杖で小突くと猫竜の全ての体力ゲージが全て削りきられた。
親猫竜は体をブルブルと振るうと、私の方を見る。
その後、子供猫竜を見て首をクイっと動かす。
子供猫竜が「ミャゴーン!」と嬉しそうに鳴いた。
小さい翼をパタパタ動かして私の肩に乗っかった。
すると目の前に選択肢が現れる。
『どうやら猫竜の親が貴方の力を認めたようだ。猫竜の子供を仲間にしますか? YES/NO』
私はその文章を見てぱあっと顔を輝かせた。
「やったぁ! テイムモンスターって訳だよね? 勿論『YES』だよ! 」
私は嬉々としてボタンを押す。
猫竜が「ミャン!」と嬉しそうに鳴いた。
その瞬間、通知が鳴り響いた。
『テイムモンスター【猫竜】が仲間になりました。ニックネームを付けますか?』
そう通知が来た。
ニックネームを付ける項目が現れ、私はうんうん唸る。
言ってしまえば、私のペットになる存在なのだ。
名前はしっかりと決めたい。
しばらくその場で考え続け──閃いた。
「──じゃあ。"リューニャ"! 今日からよろしくね! リューニャ!」
私がそう言うと、肩の上でリューニャが高い声で鳴いた。
続く




