第二十五話
私は早速、新しく習得したスキルを試した。
「"エアロスキン"!」
私の周りに軽やかな風が吹いた。
"エアロスキン"の効果は、自身の敏捷力を強化し、自分の被ダメージを軽減することができるというもの。
"霧祓い"での効果の方が高いらしいが、それとは違っていつでも発動できることと、効果時間が"霧祓い"のそれより長いという特徴もある。
被ダメージを軽減できるのは有難いが、私自体にはそこまで耐久力は無いため、持久戦に弱いのには変わりは無い。
ふとカケルの方を見る。
「今回の敵には飛行能力がある……なら攻撃はカオリに任せる」
「……わ、分かった」
「安心しろ。少しなら俺が最悪盾になれる」
「が、頑張ってみる!」
私は意気込んで杖を構える。
杖の先から風が吹き始め、スキル名を高らかに唱える。
「"ウィンド"!」
様子見のジャブ感覚で魔法を放つ。
体力ゲージの減りは一割弱くらいだった。
全く対抗できない程では無いと見た。
そうなると、一気に高火力で叩いた方がいいだろう。
そう思った私は杖を前に突き出して唱える。
「──"ダブルウィンド"!!」
二重になった風の刃を猫竜に向けて放った。
すると一瞬猫竜の目がギラリと光った。
何かのスキルかと思い身構えるが、そんな事も無く、猫竜に攻撃が炸裂する。
二割近くのダメージを与えられた。
「よし! このまま一気に──」
一気に畳かけようとした時。
猫竜の目の光が力強くなり、呼応するように大きな咆哮をあげる。
──直後、猫竜の目の前に二重の風の刃が現れた。
つい数秒前に私が放った魔法と全く同じだった。
「──え?」
私は余りのことに思わず声を出す。
猫竜の咆哮と同時に風の刃が放たれる。
反応が遅れてしまい、目の前の風の刃に──。
接触する直前、カケルが私の前に立ち攻撃を庇ってくれた。
「っぐ……」
鈍い反応をするカケルの声で、私は我に返る。
「だ、大丈夫!?」
「……大丈夫だ。こんくらい」
ふと私はカケルの体力ゲージに注目する。
思いの外残りの体力には余裕が見えた。
私は安堵の息をつくと、猫竜に再び向き直る。
猫竜は大きく目を見開き、光らせていた。
そして二人で状況を簡潔に整理する。
「……あれは。スキルのコピーか?」
「なのかな? だとすると魔法攻撃は結構逆効果かな?」
「いや……無効化する訳じゃないから魔法攻撃自体は正解だと思う。だが、長期戦は得策じゃないな」
「うん! 一気に畳み掛けるよ!」
私は杖を構えて猫竜に向ける。
猫竜は「グオオ」と大きな咆哮を上げる。
するとカケルも深呼吸をする。
「……仕方ねぇな。俺も身を削ってやったるか」
カケルが声を上げてスキルを唱えた。
「"ライフパージ"!」
彼の体力が半分一気に減った。
同時に彼に複数のバフが付与された。
続く




