第二十一話
翌日。
私とヒヨリンにマモル、それにスニークさんがギルドメンバーに加わってくれた。
スニークさんはシャインさんと一緒じゃなくても良いのか尋ねるも、彼は微笑んで首を振る。
「大丈夫だよ。シャインは僕が居なくとも全然平気だと思うし、リアルで嫌という程関わるし……なんならスキルのサンドバッグなんてしょっちゅうだしね」
たははと、スニークさんは乾いた笑い声を上げる。
喜んでいるのか悲しんでいるのかイマイチ分からなかった。
それはそうと、私はある人にメッセージを送り、ゲーム内の街中で待ち合わせをしていた。
やがて、その人が姿を現す。
「あ、カケル!」
「よぉ。どうしたんだ急に呼び出して。クエストかなんかの手伝いか?」
カケルだった。
頭をポリポリ掻きながら尋ねる。
それに私は首を横に振る。
「それも嬉しいけど……良ければそのカケル」
「おん?」
「良ければ。私達のギルドメンバーになってくれないかなって」
「そんくらい構わねぇが。なんでそんな」
「カケルには色々助けられたから。その恩返しがしたいというか……とにかく! そんな感じで!」
「……どんな感じだよ。まぁ、いいぜ。俺で良ければな」
「やったぁ! これからよろしくね!」
私は嬉しくてはしゃぎながら握手をしようと手を差し出す。
カケルはそれを見て目を見開きながらも微笑んで、私の手を握り返してくれる。
「よろしく頼むよ」
──これが全プレイヤー内屈指の耐久力を持つアタッカーが仲間となった瞬間である。
その後。
私達はメンバー全員で揃ってギルドホームに申請をしに行った。
ギルドホームは登録するのにゲーム内通貨を必要としたが、私の持ち金でかなりギリギリだった。
「うぐぅ……全財産がぁ」
「まぁ。ゲーム内通貨なんてすぐ無くなるもんだよ」
「……ヒヨリンはリアルでもすぐお金無くなってるもんね」
「……説得力あるでしょ」
「あって欲しくは無いなぁ……」
二人でクスクス笑い合う。
「そいや。ギルドリーダーカオリにしたけど問題ない?」
「え、え!? 私なの!?」
「え、うん。何となく一番行動力ありそうだし」
「えぇ……良いけど私にできるかな」
私がオロオロしていると、スニークさんは微笑んだ。
「いいんじゃないかい? 僕は異論ないよ。カオリちゃんがリーダーだと楽しそうだ」
「……俺も同感だし、異論無し」
カケルも頷きながら言う。
私はそんな二人の期待が嬉しくなり笑顔で頷き返す。
「じゃあ! 私頑張るね!」
「うん。次はギルド名かな。カオリ何かある?」
「うん! 決めてるよ! 自信作!」
私は高らかにギルド名を宣言した。
「──『ウィンドガーデン』!」
その後。
「なーんでこういう時に限って誰も予定空いてないのぉー」
私は一人でエリアをとぼとぼ歩き回っている。
大会終了とほぼ同時に、新しいエリアが解放されたのだ。
そのエリアを一人で探索している。
森が続くエリアだった。
「なーんか無いかなぁ……ん?」
私は辺りを見渡すと、何かを見つけた。
恐る恐る近づいてみる。
「え──これ……猫?」
翼の生えた猫の様なモンスターが地べたに行き倒れていた。
続く




