第十八話
「……あの。カケルさんは点を稼がなくて良いんですか?」
私はスニークさんとは離れて行動することになったが、何故かカケルさんが着いてきている。
私を倒してポイントを奪おうともしない。
カケルさんは私の方を見ると欠伸をして。
「飽きた」
それだけ口にした。
私は思わず目が点になってしまう。
「あ……きた?」
「あぁ。別にランキングを競いたい訳でも無いしな。あ、邪魔か?」
「いえいえそんな! 邪魔では無いですけど……」
不思議な気分になる。
敵なのに敵に感じない感覚。
私も正直、彼を倒そうとは思わない。
すると、メッセージに通知が来る。
ヒヨリンからだった。
「……え?」
内容を見て私は目を見開く。
『シャインさんに負けちゃった』
という文面だった。
確かにヒヨリンは対人戦で必ず勝てる訳では無い。
だけど基本的に負け試合はしないし、油断もしない。
だからこそ、ほとんど確実な勝利をしてきた。
今思えば凄い事だ。
「ありゃあ。それは残念だね。シャインさん強かった?」
そう返信すると、すぐにヒヨリンからメッセージが返ってくる。
『めっちゃ強かった。でも勝てそうだったからちょっと悔しいや』
「……そっか。あとで話聞かせてよ。っと」
ヒヨリンからの了承のメッセージを受信し、私はメッセージを閉じる。
隣ではカケルさんが何も言わずに左右を見回している。
「少しは上達したのか?」
「え?あ、はい! おかげさまで!」
「良かったな……てか別に俺は何もしてない」
「いえいえ! その……カケルさんに助けられたから、この杖も得られたし、良い経験にもなりました!」
「……そうか。あと敬語はいいって言ってるだろ」
彼は少し照れくさそうに頭をポリポリと搔く。
厳しそうな人だと思ってたけど、良い人なのかもしれない。
そうじゃなかったらあの洞窟で助けてもくれないか。
私は納得して頷く。
「そういえばカケルさ……ううん。カケル」
「なんだ?」
「今度……その。私に戦い方を教えてくれない?」
「あ? 役職も違ぇのになんでだ?」
「えっと……と、友達とかフレンドには何回か頼んでるんだけど、もっと色んな意見とか経験が欲しいなって!」
「……参考にならねぇぞ?」
「それでも良いです!」
私がそう叫ぶと、カケルは一瞬目を見開き、ポリポリ頭を搔く。
「……わーった。日程は任せる」
「はい!」
私はにこりと微笑んだ。
続く




