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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
四章 猫と新人パーティ

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096 初PVP


 私とブラックパーティのリーダー、ユウヒとのPVPプレイヤーバーサスプレイヤーは受諾。ユウヒは私達に煽られて怒りの表情、私はブスと言われて怒りの表情。双方、お兄ちゃんの開始の合図を待っていた。


「はじめっ!!」


 お兄ちゃんの声で、私は両手で剣の柄を強く握り締めた。ユウヒは何故か構えを解く。


「ハッ。構えはいっちょ前だな~」

「そっちこそ、意外と冷静じゃない。6割方飛び込んでくると思っていたよ」

「あっという間に倒してしまったら、この怒りが収まりそうにないからだ。実力差、嫌ってほど体に叩きこんでやる」

「それはこっちのセリフよ」

「ハッ。ムカつくブスだぜ。さっさとかかってこい。ヒョロヒョロの剣なんて絶対に当たらないけどな!」


 先手は譲ってくれたので、私はありがたく飛び込んでやろう。行くよ!


「なっ、はやっ!?」

「くらえ! Vスラッシュ~!!」


 油断しまくってるところに、最速の踏み込みで斬り付け。左肩から斬り、切り返して右肩に跳ね上げる。

 ユウヒは私の速度に虚を突かれたみたいだが、Vスラッシュは剣でなんとか対応されてしまった……


「ハッ! バカか! 戦技の硬直時間も知らないのか! ハイ、俺の攻撃入った~」


 私の動きが固まったところを、ユウヒは嘲笑うかのように大振りの斬り付け。しかし私はニヤリと笑った。


「Vスラッシュ!」

「は?? グフッ!?」


 見事に疑似Vスラッシュに引っかかったんだもん!


「Vスラッシュ! Vスラッシュ! ブブブVスラッシュ~!!」

「ちょっ! グワッ! 待て、まてまてまて~~~!!」


 そこからは疑似Vスラッシュの連撃。最後の一回は本物Vスラッシュで大ダメージ。ユウヒは吹っ飛んだ。やったね!


「あははは。よっわ。もうHP半分切っちゃったじゃない」

「テメェ! 何しやがった!? 戦技は必ず硬直時間があるんだぞ!? 何かチート使ってるだろ!?」

「逆逆。戦技は使ってない。使ったのは努力だけ。私の師匠がさ~。Vスラッシュの素振りをさせる変わった人でね~。理由を聞いたらPVPで疑似Vスラッシュを使えば引っかかるバカがいるってさ。プププ」

「誰がバカだ~~~!!」


 ユウヒ、ブチギレ。怒濤の攻撃だ。


 私はユウヒの鋭い斬り付けを後ろに跳んだり、横に避けたり、剣で受けたり。一切ダメージに繫がらない。その連撃を捌いていると、フッと頬が緩んだ。


「何がおかしいんだ!!」


 ユウヒの力任せの上段斬りに合わせて、私も上段斬りをぶつける。鍔迫り合いに持ち込んだ。


「いや~。私の師匠、あんたの動きなんて見たことないのに、完璧に剣筋をマネしてるんだもん。どうなってるんだろうね~?」

「知るか! 嘘つくな! 俺の動きがマネできるか!?」

「あ、ちょっと違った。師匠のほうがあんたより少しだけ速くて少しだけ力があったよ。PVPの時にあんたの剣がよく見えるように、調整してたんだと思う」

「嘘ばっかり言うな! 俺の動きは誰にもマネできないんだよ!!」


 ユウヒが剣に力を入れて押そうとした瞬間に、私は引いてユウヒの体を崩してから、顔に斬り付け。ユウヒはたたらを踏んで下がった。


「くっそ~! これならどうだ!!」


 何をやるかと思ったら、私の顔に目掛けて連続突き。これも猫さんがやってたよ~。


「もらった! これは想像もできまい!!」


 3回目の突きの後、ユウヒは私の目の前から消えた。どこにいるかというと、私の足元。上に目を集中させてから、草を刈るように剣を薙ぎ払ったのだ。


「グッ!? な、なんでわかった……」


 ユウヒの地面すれすれの剣は、私に手を踏まれて不発。


「それも師匠がやってたのよね~。あんたみたいにいい人ぶってるヤツは、追い詰められたら剣士にあるまじき攻撃するって。そういう時は、足で踏んでこうしろってさ!」

「ギャー! 腕が~~~!?」


 固定された腕ならば、私でも切り離すことは容易。と、猫さんに言われたけど、できてよかった~。

 私がホッとするなか、利き腕をなくしたユウヒは剣も拾うことなく5歩ほど下がった。


「さあ! 決着といきましょうか!!」


 私がわざとらしく剣を構えると、ユウヒは慌てて左手を伸ばした。


「まま、待った。ま、負けだ。俺の負けでいい。マユもくれてやるから、死に戻りはやめてくれ」

「それは無理。あんたがこれまでマユから奪った物を返してもらわないといけないから」

「はあ? 俺が何を奪った??」

「時間、アイテム、お金、尊厳……キッチリトドメを刺して、あんたの財産、8割を慰謝料に充てさせてもらうわ!!」

「し、知ってやがったか……」


 そう。完勝のご褒美は、猫さんに初めて会った時に見ていたから私でも知ってる。ユウヒも知っていたから、負けを認めたのだ。

 あと、猫さんが同じ演技してた。これもそのままか~い。


「このまま死ねるか! ヒールくれ! 野郎共! こいつをヤルのに手を貸せ! じゃないと、ストーリークリアーは遠退くぞ!!」

「「「おう!!」」」


 ユウヒの言葉で、ブラックパーティメンバーは返事をしたけど、1人足りない。


「おいっ! ヒールはまだか!?」

「残念ながら、それもやりそうだから、先に処理させてもらったわ」

「は??」

「アイ! おつかれ!!」


 もちろんアイがヒーラーを倒してくれたんだよ? 私達が戦っている内に回り込んで、ヒーラーのすぐ近くにいたのだ。

 合図は、ユウヒのヒール要求。アイは真後ろから猫さん直伝、チョークスリーパーってので首を絞めて殺したの。ゲームの世界では普通、地味な絞め技なんか使わないらしいけどね。


「んじゃ、バイバーイ。フレイムソード!!」

「おまっ!?」


 ユウヒはおそらく、私が魔法剣を使ったことで手を抜いていたと気付いたから何か言おうとしたが、私は容赦なく斬り捨てたのであった……


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