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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
四章 猫と新人パーティ

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095 PVPの受諾


 猫さん達の闇取引のせいで、私の緊張はどこへその。ブラックパーティはすぐそこまできていたので、私とアイは走って近付いて行った。

 そしてある程度の距離まで近付いたところでストップ。2人して腕を組んで仁王立ち。ブラックパーティの通せんぼだ。


「君達、僕達に何か用かい??」


 私達が道を塞いでいると、リーダーのユウヒって名前の若い男が優しく声をかけてきた。猫被ってやがるな。猫さんはもうちょっと猫を被れ。


「あ、そういう演技いらないんで。私達、全部知ってますから」

「ん~? どういうことかな~?」

「マユは私の親友なんです。使い潰しなんかさせません。即刻、返してください」


 ユウヒは私とマユを一瞬鋭い目で見たが、すぐに笑顔に戻った。


「いったいなんのことかな? 身に覚えがないんだけど」

「だからそういう演技いらないんで。そもそもおかしいでしょ?」

「何がおかしいんだい?」

「6人いる時点ですよ! ストーリーをクリアーするなら、5人が常識! あなた達、マユとパーティ組んでないでしょ! それすら教えてないんでしょ!!」


 私が怒鳴り付けると、ブラックパーティは目の色を変えた。マユは~……知らなかったんか~い。めっちゃ驚いてらっしゃる。


「はあ? それぐらいこいつは理解して俺達に付いてきてんだよ。なあ? マユ、言ってやれよ。俺達に恩があるもんな~??」


 急変したユウヒの態度に、アイが噛み付く。


「そんな言い方したら、マユちゃんが怯えるでしょ。それ、DV男のやり方ですよ?」

「DV……はあ~? 俺のどこがDVなんだよ。暴力なんて振るってませ~ん」

「いつの時代の男なんですか? このご時世、言葉や態度でもDV認定されるんですよ。時代錯誤も(はなは)だしいです。小学校からやり直されたらいかがですか~?」


 おおう……アイ、言うね~。法律持ち出すなんて、マジ賢い。ブラックパーティも黙っちゃったよ。


「うっ……うっせぇ! ここはゲームの世界なんだよ! 法律なんて通用するか! マユは俺達の仲間だ! それだけが事実だ!!」


 ユウヒはブチギレ。煽り耐性なさすぎ。では、私の出番ですね。


「ハッ。力でか弱い女の子を拘束してるだけでしょ。どこが仲間なのよ」

「うっせぇ! 黙れ!!」

「黙りませ~ん。騙した女の子の手を借りなきゃストーリーも進められない男の言葉なんて、怖くもありませ~ん」

「っざけやがって……ブッ殺してやる!!」


 言質(げんち)! いただきました~!!


「あ、PK(プレイヤーキラー)? PKなの??」

「誰がPKだ!?」

「ブッ殺してやるって言ったじゃないですか~? 正式なPVPプレイヤーバーサスプレイヤーもできない小さい男なんですよね~??」

「ふざけるのも大概しろよ……PVPしてやるよ! 死んでも文句言うなよ!!」

「はぁ~い。じゃあ、私が勝ったらマユをいただくね」

「ああ。くれてやる! その代わり、その装備と金を根刮ぎ奪うからな!」

「わぁ~。追い剥ぎだ~。コワイコワ~イ」

「ナ、ナメやがって……さっさと申請受けろ!!」


 これだけ煽ればいいだろうとアイを見たら、「やりすぎ」って感じで頭を押さえてた。何故に? その後ろにはお兄ちゃんパーティがドン引きの顔……解せぬ。

 とりあえず私は、ニヤニヤしながらPVP申請を受けて準備をしてるフリをするのであった。準備万端できたもん。てか、猫さんの言う通り、アイの装備も奪おうとパーティ用のPVP申請しやがった。バッカだな~……



「カ、カノ……」


 私がアイと喋っていたら、お兄ちゃんが青ざめた顔でやってきた。その顔をやめろ。


「どうしたの?」

「ユウヒと本当に戦うのか??」

「うん。そうだけど」

「マジか~……ユウヒ、新人の中では飛び抜けてるヤツだぞ」

「へ? マジで??」

「マジでマジで」


 どうやらブラックパーティのユウヒは、けっこう有名人らしい。進捗具合もその理由だが、今のところPVPでは負けナシなんだって。


「へ~。猫さんには楽勝って言われたんだけどな~」

「マジで?」

「10回やったら9回勝てるって。マジでマジで」

「またネコさんか~~~……なんか3人でホッコリ見てるぞ?」

「思い出させないでよ~~~」


 今まで猫さんのことを忘れてたのに! なんで怪しいトリオで串団子食べながらお茶すすってるのよ! 仲良しか!?


 またしても私の緊張は猫さんのせいでどこへその。私は肩を落として開始場所へ向かうのであった……



「あ~……偶然いた(よしみ)で、俺が開始の合図していいか?」


 お兄ちゃんがレフェリーに立候補してくれたけど、それは無理があるのでは? 私とも喋っていたでしょ??


「ハルなら構わないぞ。てか、早くしろ」


 いいんだ。でも、まだ始められては困る。


「お…ハルさん。これから何が起こっても最後まで手を出さないでね? 最後までってのは、私が勝ったあとのことも言ってるからね??」

「なんかよくわからないけど……」

「わかって。最後まで。いい? ゼロまで」

「はあ……手を出さなければいいんだな。わかった」


 本当にわかったのかな~? 心配だ。


「ハッ。俺に勝てるってか。やってみろよ。ブス」

「はあ~? 誰のいも……」

「ハルさん! 早く始めて! 私がブッ殺してやる!!」

「おう! やってしまえ!!」


 いつ妹と言うかも心配だ。お兄ちゃんは、私がブッ殺すと言っても背中を押してくれたから、それも心配だ。


 でも、今は私のことをブスって言ったこいつを、完膚なきまでにブッ殺したいの~~~!!


 という感じで、戦いの火蓋が切られるのであったとさ。


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