091 作戦会議
猫さんはバグエリアを勝手に使っていた私達に文句を言っていたが、待ち合わせしていたアイがきたのだ。アイにマユのことを相談して、猫さんの文句はうやむやにしてやった。
「なんて酷い人達なの!?」
するとアイは私と同じぐらい怒ってくれたので、ニンマリ。やっと普通の反応が見れたもん。
「猫さんなんて第一声、『それと吾輩がにゃんの関係があるにゃ?』とか言うのよ~? 酷くな~い??」
「酷い! 猫さんは人の心がないのですか! 猫だからないのか!?」
「自己完結しないでくれにゃい?」
「「ブハッ!! あはははは」」
「笑ってるし……」
私が猫さんの悪行をチクッたらアイは同意してくれたけど、私とまったく同じこと思っていたので同時に笑ってしまい、怒りは鎮火。猫さんには火がついたみたいで、「用がないなら帰れにゃ~」と言われてしまいました。
「用はあります。どうしたらいいと思いますか?」
「吾輩、もう答えたにゃ~」
猫さんの答えは、「関係ない」と「自分次第」。それはそうだけど~。アイにチクッたら私と同じ意見だ。
「なんとか助けることはできないのですか? 猫さんなら、似たようなこと経験してますよね? または、聞いたことがあるはずです。それを教えてください」
なるほど。こう言ったらよかったのか。さすがアイ、医大を目指してるだけあって賢いね。猫さんもいい答えが浮かぶはずだ。
「そんにゃヤツら、殺せばいいんじゃにゃい?」
「ファーストキングダムだった~~~!!」
「ちょっと声大きすぎるにゃ~」
脳筋の集団の中にいたんだから、脳筋の発想しかできないんだよ。この猫……
「ひ、人を殺しても何も解決しないですよ」
アイ、常識人。もっと言ってやれ!
「リアルではにゃ。ここはゲームの中にゃ~」
「ど、どういうことですか?」
ん? 風向きが変わった??
「そういうパーティと関わると、必ず喧嘩になるんにゃ。正論をぶつけるとキレてPVP。どんにゃに誠意を尽くしてもPVP。口喧嘩になったらPVPにゃ。解決するにはPVPをやるしかないんにゃ」
「「なるほど……」」
ヤバイ。意外とまともなこと言ってたから納得しちゃったよ!!
「でも、それでマユちゃんを取り返しても、恨まれるんじゃないですか?」
「そこは完膚なきまでに叩きのめして、心底屈服させるほどの恐怖を植え付けてやるんにゃ~。にゃ~はっはっはっはっ」
「「魔王か」」
でも、最後がまともじゃありませんでした。私とアイは、猫さんの闇に触れたのに呆れ返るだけであったとさ。
猫さんは頼りになりそうにないので、私とアイは打開策を考えたけど、結局PVPになるのは明白。ただ、相手はストーリーに手を出している、新人でも強い部類のパーティだ。
お兄ちゃん情報だから、どこまで本当かわからないけどね。お兄ちゃんはストーリーするのはもうひと月ぐらいかかるようなこと言ってたよ。
しかも5対2では勝ち目がない。ここはやはり、チートを使うしかない。
「「猫エモ~ん」」
「それ、二度と言うにゃ。白い球体にこの小説、プチッと潰されるにゃ」
言い方が悪かったみたい。私もまだ死にたくないので言い方を変えます。
「猫さんがやっつけてくれるとか……」
「やるワケないにゃ~」
「ですよね~? じゃあ、5対2で勝つ方法ってありますか?」
「まとまっているところを、キングボアで轢き殺してやれにゃ」
「それだ!!」
「ズ、ズルすぎない??」
即解決。したけど、これ、いいのか? アイの言い分は、心に響きます。猫チートの次は暴走イノシシチートだし、うちのうり坊レベルマックスだし、借り物だし……
「ほ、他の方法を教えてもらっても……」
「ちょっと煽ったら、1対1にしてくれるにゃ。カノなら楽勝にゃ~」
「え? カノってそんなに強いの??」
「そうなの~。猫さんに鍛えられたから、新人トップクラスなの~。オホホホ~」
「何その笑い方……」
貴族令嬢っぽい笑い方は失敗。アイに悪役令嬢とか言われてしまいました。
「ちにゃみに勝っても、5対2が4対2に変わるだけにゃ」
「へ??」
「当たり前にゃろ。人を奴隷みたいに使うヤツが、まともに負けを認めるワケないにゃ~」
「あうっ」
数の利はブラックパーティにあるのは変わりない。でも、エース級の人を倒せば、ちょっとはこっちに有利に働くのでは?
「向こうが負けを認めずに襲いかかってきたら、私が3人相手にするから、アイがすぐに回復役をやっつけたらどうだろう?」
「あ~……後衛を全て倒したら、こっちにはカノがいるから勝てそうね。でも、パーティ構成はわかるの?」
「し、知らない……」
「マユちゃんに聞く。できたら、パーティメンバーの戦い方とか、得意なこと、弱点も聞き出して」
「はいっ!」
これなら勝てそうな気がする。マユだったらペラペラ喋ってくれるかな? し、親友だし……
ちょっと聞き出すのは自身ないが、私達はどんな相手がいるのか話し合い、戦い方を決めたら猫さんに尋ねてみる。
「こんな感じなんですけど……」
「彼を知り己を知れば、百戦危うからずにゃ~」
「「……いいってことですよね?」」
諺的には、悪いはずがない。やってることはその通りだもん! 100%勝てる!!
「って諺はある意味正しいけど、実践ではそうそう上手くいかないんだよにゃ~」
「でもダメってことではないのですよね?」
「知ることは構わないにゃ。でも、そればっかり信じてるヤツは、隠し球がきた時にめちゃくちゃ弱いんにゃ。それは考慮しておきにゃさい」
「「はいっ!!」」
今日、初めていいこと言われた気がする! 私とアイもいい返事だ。さっすが猫さ~ん。
「ちなみに猫さんは、相手のこと調べるのですか?」
「そんにゃことしたら、楽しみが減るからやらないにゃよ? 戦ってたらわかることにゃし」
「「さすがファーストキングダム……」」
「アイツらと一緒にするにゃ~~~」
どこをどう切り取っても一緒でしょ。いや、それより上かも?
やはり猫さんは規格外だと再認識した、私とアイであった……




