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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
三章 猫とリハビリギルド

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083 終了×2


「んじゃ、これで拳聖講習は終了にゃ。お疲れ様にゃ~」


 私達が猫さんの非道を責めているのに、いきなりの終了宣言。アイの訓練がたった2日で終わりを告げたので、私は猫さんを(ののし)っている場合じゃなくなった。


「まだ2日ですよ? 私の時は長かったじゃないですか?」

「そりゃ弟子とアドバイスは違うに決まってるにゃ~。弟子は断ったにゃろ?」

「そうですけど~。実地研修もないんじゃアイは戦えないですよ~」

「んにゃもんカノがやったらいいだけにゃ。そのために鍛えてやったんにゃよ? 自分でやれにゃ~」


 確かに猫さんはピンチに(おちい)った新人プレイヤーに恩を売って仲間に引き入れろとか言ってたけど……言葉にすると、めちゃくちゃ酷い勧誘だな。

 私が言いくるめられたというか、呆れて何も言えなくなると、アイが不安そうに質問する。


「スキル構成なんかはわかりましたけど、まだ戦えるほど訓練してないんですけど……」

「みんにゃ、チュートリアルだけでPHOに放り出されるにゃ。あとは自分で調べて考えて強くなるんにゃ。これだけいいアドバイス受けられる人にゃんか一握りにゃよ?」

「うっ……でも……」

「不安にゃのはわからなくもないけど、もう仕上がってるんにゃ。戦技を使わず正拳突きと回し蹴りをやってみろにゃ」


 猫さんに突き放されたアイは、言われた通り正拳突きと回し蹴りをやってみたら、風切り音が聞こえるほど見違えていた……


「え……なんで……」

「それがPHOのシステムにゃ。スキルレベルを上げて、戦技を使いまくったら、自然と体が動くようになるんにゃ。あとは新しい戦技も同じように使いまくったり、覚えた戦技をマネして体に叩きこむと、さらに鋭さが増すにゃ。にゃ? 戦い方はもう、アイの体に芽生えているんにゃ」


 猫さん、凄い説得力。でも、私には裏があるとしか思えない。リハビリギルドを作ったのも夢バグを直させたのも、全て自分のためだったもん!


「今回も何か裏がありますよね?」

「うんにゃ。吾輩(わがはい)の貴重にゃ時間と、お菓子が奪われてるんだからにゃ……」

「あうっ……そこはオブラートに包んでくださいよ~」

「オブラートにゃんかPHOで見たことも作ったこともないにゃ~……いや、イモがあるから作れるよにゃ? 今度、ポンタンアメでも作ってみようかにゃ? たぶんPHOで作っている人はいないはずにゃし……」

「是非! 味見は任せてください!!」

「オブラートに包んだら食べにくるんにゃ!?」


 食べるでしょ。PHO初の食べ物だもん!!


「送ってやるから、レベリングでもしてこいにゃ~」


 猫さん、私に呆れ返って追い出す。でも、優しい。でもでも、これも自分のためっぽい。


「ノワール! 成獣化にゃ~~~!!」

「グオオォォ~~~ン!!」


 ダークドラゴンの初試乗だ!


「「あわわわわわわ」」


 でも、ダークドラゴン、成獣化したら、めっちゃデカイし怖い。20メートルは軽く超えてる怪獣だもん。アイはまた腰砕けです。

 私は~……猫さんのほうが怖かったから、大きさにビビってるだけです。いちおう女子っぽく怖がって座りました。


「あぁ~……2人ともレベル足りてないんだったにゃ。最前線のレイドボスにゃんだから当たり前か。これ、持ってろにゃ~。ドラゴン、アイを運んでやってにゃ」


 猫さんは私達に御守りを握らせると、恐怖はフッと消える。ドラちゃんはアイの体を甘噛みすると飛び跳ねてダークドラゴンの上に。私は猫さんに首根っこを掴まれてダークドラゴンの上に降ろされた。


 私達、猫に猫みたいな持ち方された……


「よしにゃ。ノワール! 離陸にゃ~!!」

「グオオォォ~~~ン♪」

「にゃはは。いい羽ばたきだにゃ~」


 私達3人と1匹……いや、猫さんは猫だから、2人と2匹を乗せたダークドラゴンは力強く羽ばたき、優雅に空を飛ぶのであった……



 久し振りに空を飛んだ私は、ちょっと怖い。背中の面積は広いけど、ドラちゃんのようなモフモフ感がないから安心感が足りないの。

 アイは初の空移動だから、ずっとあわあわしてドラちゃんの前脚にしがみついてる。ちょっとズルイ。


「ね、猫さん? ダークドラゴンってこんなに大きかったのですね……」

「うんにゃ。いつもは幼獣の姿だったからにゃ。騎獣愛護クランの牧場でも、デカすぎて成獣にはしてなかったもんにゃ~」


 猫さん(いわ)く、幼獣には強いモンスター特有の威圧感がないから、成獣化すると騎獣愛護クランメンバーでも恐怖に震える人が多いのではとの予想だ。そんな予想ができるなら、私達にも気を遣え。

 あと、私達3人だけなら、幼獣のままでもダークドラゴンに乗れただろ。ドラちゃんを乗せるために大きくしたのですか。ドラちゃんは自力で飛べるのに……


「ところでなんですが、ドラちゃんって幼獣なんですか?」

「そうにゃよ? ダークドラゴンの倍はあるから、成獣化する場所がないんだよにゃ~」


 これの倍!? ダークドラゴンの全長は学校のプールぐらいあるんだから、ドラちゃんはプール3個分ぐらいの面積があるの!?


「モフモフの湖で泳ぎたいです~~~」

「そんにゃにデカイと、普通怖がるもんだと思ったんにゃけど……どんにゃ夢見てるにゃ??」


 もちろんドラちゃんの背中で無限コロコロとモフモフをしてる夢。


「にゃんかこの子、ヨダレ垂らしてるんにゃけど、大丈夫なのかにゃ?」

「私もまだ付き合い短いので……でも、こんなに幸せな顔してるんですから、大丈夫じゃないですか?」

「吾輩、カノがどんなプレイヤーになるか心配にゃ~」

「あはは。だから猫さんは、カノのこと目が離せないんですね~」


 怖くてデカいダークドラゴンの背中にいるというのに、私がトリップしているので、猫さんとアイは心配そうに笑うのであった……


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