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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
三章 猫とリハビリギルド

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081 アイの訓練2日目


 猫さんはアイのことは弟子にしてくれなかったけど、訓練はしてくれるので、それで折れるしかない。このままゴネたら逃げる可能性もあるもん。

 アイは涙目で戦技の正拳突き。気持ち、怒りがこもっているのか、さっきより力強い気がする。


 私は暇なので、錬金でMP消費。アイ用の初級ポーションを大量生産だ。猫さんは~……ドラちゃん達と(たわむ)れてます。私もそっちに入ろっかな~?


 そんなことを考えていたら、アイのSPがゼロ。今度は回復魔法でMP消費しろってさ。相変わらず効率的でつまらない指導だ。

 MPもなくなれば、休憩。回復するまでおやつの時間だ。ひゃっほう!


「んっ! 美味しい! このクッキーも猫さんが作ったのですか?」

「うんにゃ。暇潰しににゃ~」

「プレイヤーのお店でも、こんなに美味しいのないのに暇潰しって……」

「アイ、猫さんのやることを考えちゃダメ。普通じゃないのよ」

「憧れのネロさんがこんなに普通じゃないなんて……」

「幻滅したにゃろ? にゃしゃしゃしゃしゃしゃ」

「自分で言うなよ」


 何が面白いんだ。JKの夢を砕いたことか? なんて心のない猫なんだ。


「こんなに美味しいの作れるなら、私も料理スキル取ろっかな~?」

「あ、それいいね。私、スキル取って料理教室通ってるの」

「本当? 私も一緒に通いたい。スキル取っていいですか?」

「どれぐらいポイントあるかによるかにゃ~?」


 アイが残りのポイントを告げると、猫さんは即刻許可。訓練に必要な分は楽々あったみたいだ。


「んじゃ、新しい戦技覚えてるにゃろ? キック系のヤツにゃ。それも入れてSP消費にゃ~」


 この日はひたすら、SPとMPを消費するだけで訓練は終了するのであった。



 翌日も2人でバグエリアにドリルジャンプ。アイはまだ慣れていないので、のたうち回っていました。スキルレベル低いと痛いもんね。


「カノも同じように着地してるんだね……」

「うん。猫さんみたいにできないもん」

「え? 猫さんはコロコロ転がらないの?」

「そうなの~。あの猫、体操選手より華麗な動きで着地決めるのよ~」


 アイに教えてあげたいけど、マネなんてできません。でも、ムーンサルト宙返りぐらいできるのでは? ……アウチッ!?


「アハハ。無理しちゃって~」

「ここならなんでもできるって言われたからいけると思ったの~」

「猫さんはプレイヤースキルも大事みたいなこと言ってたじゃない」


 今日の私は飛び込み前転で背中から落ちたダメージをプラス。いつもよりHPを減らしてから猫さんを探したら、猫さんはドラちゃんとダークドラゴンの上で反復横跳びしてた……


「猫さ~ん。きたよ~? 今度は何してるんですか~??」

「こんにゃちわ~。ダークドラゴンに乗る最終確認にゃ~。ドラゴン、怒ってないにゃ~?」

「なんか小馬鹿にしたような顔してま~す」

「にゃっ!? ドラゴン! 吾輩のこと馬鹿にしてたにゃ!?」

「にゃしゃしゃしゃ」


 どうやらもう、猫さんがダークドラゴンに乗る許可は出てたっぽい。飼い猫にからかわれる猫って……てか、ドラちゃん賢すぎない?

 猫さんは「いっぱい遊んでもらえるから、スネた振りをしてた」とか言ってたけど、後ろ後ろ! ドラちゃん、なんか指差して悪い顔で笑ってるって!!


 猫さんの飼育法方、マネしてもいいのだろうか? 私のうり坊も、いつかこんなに性格悪くなるのかな~? あ、借り物だった……返したくない!!



 猫さん達のことは置いておいて、今日もアイの訓練は戦技のSPと回復魔法のMPを消費することから。全てなくなったら、猫さんはアイに初期ステータスの宿題を提出させた。


「う~~~ん……よくできてるほうかにゃ~?」

「何をそんなに悩んでるのですか?」

「今のステータスとたいして変わらにゃいから、ゴッドハンドする必要もにゃいかな~っと」

「やってあげてくださいよ! あと私もおかわりプリーズ!!」

「しれっとにゃに言ってるにゃ?」


 あの天国が忘れられないの。ひとまずアイは、猫さんのお勧めステータスを聞いてみたら、アイが準備したステータスの微調整程度。拳聖は肉弾戦と回復をするのだから、そりゃ平均的になるか……

 それから猫さんはステータス画面を開いて、体に触れることに関する誓約書にアイのサインを貰おうとしたら、アイは助けを求める目を私に向けた。そりゃ誓約書なんて怖いよね。でも、大丈夫だよ~?


 アイが私を信じてサインを書いたら、準備完了。


「な、何このモフモフムニュムニュ天国……いっくぅぅ~~~!!」


 ゴッドハンドの施術中です。巨大猫のモフモフベッドと小さな猫の肉球に挟まれたから、アイはだらしない顔でヨダレを垂らしているだけです。


「どこにもいくにゃ!?」


 猫さん、大慌てです。だってアイは高1なんだもの……私もあんなに酷い顔をしていたのか……犯罪だなこれは。もう一度マッサージしてほしいから言えないけどね。


 アイがモフモフの海に溶け込んでしまって……猫さんのステータス改変が終わってから私はまたしれっと頼んでみたけど、猫さんは「怖くて未成年にはもうできない」とか言ってた。

 何が怖いんだか……BANされることですか。周りの目も怖いのですか。私のことは怖がらなくても……女子高生がそんなはしたないことを言うなと叱られたのは解せぬ。確実にはしたない顔になるけど……


 アイは骨抜きにされて立てないみたいなので、ドラちゃんがお腹から落として猫さんがキャッチ。女子高生を高いところから落とすのはいいのね。

 おやつブレイクとSP等の消費が終わると、次の授業を始めるらしい。


「今は正拳突きと回し蹴りしかやってないけど、格闘家っていうのはこういう動きとかもあるからにゃ。しっかり見ているようににゃ」

「はいっ!」

「はぁい」

「……」


 アイの返事には猫さんは頷いたのに、私はなんか邪魔そうな目をされた。関係ないと言いたいんだね。パーティメンバーなのにね~?


 私とアイがヒソヒソ喋っていたら、猫さんの演武というモノが始まる。


「「わっ!」」


 猫さんの正拳突き、アイの比じゃない力強さ。猫さんの拳に押し出された空気が私達の全身をビシッと叩いた。

 そこからは、舞うような動き。洗練されたパンチやキックは無駄がまったくない。まさに蝶。攻撃する時は蜂だ。


 猫さんは飛んだり跳ねたり攻撃を繰り返すなか、私達は息を吸うことも忘れて見入ってしまうのであった……



「ま、ざっとこんにゃもんにゃ」


 猫さんは丸い拳で木を殴り、その木が折れて奥に倒れ行くと、振り返って笑顔を見せた。アイと私は大きく息を吸い込むと、大興奮だ。


「すっごく綺麗でした! そんなにチンチクリンなのに凄いです!?」

「だよね! チンチクリンなのに綺麗すぎるよね!?」

「チンチクリンは褒め言葉じゃないにゃよ? 聞いてるにゃ? もう、チンチクリンしか聞こえないにゃよ??」


 私達、興奮しすぎて語彙力がなくなるのであったとさ。


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