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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
三章 猫とリハビリギルド

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077 初パーティ会議


 猫さんの話題は尽きないが、喋れば喋るほど怖くなってしまうから、話題の変更。今日のアイはリハビリギルドではもうやることがないらしいので、ゲームの話だ。


「アイって、どれぐらいのレベル帯なの?」

「私は弱いの。始まりの町すら出てないから」


 アイがパンゲアヒストリーオンラインを始めたのは、高校に入学してからだから、4ヶ月前ぐらい。

 その期間、障害者のリハビリの勉強や補助をしていたからそれ関係のスキルはレベルが上がっているけど、モンスターを倒すより経験値が少ないから、まだまだ新人プレイヤー程度だった。

 ちなみにお金はどうしていたのかと聞くと、卒業した障害者がリハビリギルドに寄付金をくれるから、職員には給料が配られているそうだ。会社みたい。


「ということは、レベリングからだね~……ところで、PHOをどうやって遊ぶとか希望はある?」

「な~んにも。そもそも私、どんなゲームか知らずに始めたし」

「私もなんだよね~」


 お互い、ゲームに無知。美味しい物が食べられるって話が一番盛り上がっちゃったよ。


「じゃあ、緩くやるってのどう? スローライフみたいな。戦ったりクエストでお金を稼いで美味しい物を探す。気が向いたらストーリーをやってみるとか」

「うん。それぐらいがちょうどいいかも? あ、でも、美味しい物ってここだけで探せるの?」

「先に進んだほうがレベルの高い料理人がいるっぽいよ。第10フィールドにはガディバ風のチョコを作り出すお店があるの~。私の目下(もっか)の目標は、その店を見ることだね」

「うわ~。食べてみたい~」

「ああ~……猫さんが作ったのならあるよ……」


 初めてのパーティメンバーだ。私は泣く泣くガディバ風のチョコを1個プレゼント。在庫が切れそうなんだもん。あとで猫さんに売ってもらおうかな?


「んん!? 美味しい!!」

「でっしょ~? ここでも買えないことはないんだけど、正規店の3倍もするの~。猫さんから安く買えるけど、それでもめちゃくちゃ高いの」

「えぇ~……もっと安くしてもらえないの?」

「なんか素材が高いみたい。弟子なんだから、タダでくれたらいいのに」

「本当よね~? 私も弟子になったら、チョコ貰えるかな??」

「たぶん弟子にしてくれないと思う。私のお兄ちゃんも弟子に志願してたけど、猫さん、忘れるの待ってるの」


 ロッコさんから得た、猫さんは障害者しか弟子にしないって情報も出したら、アイはガックシだ。


「いちおう頼んでみよっか?」

「お願い!!」


 こうして私は、猫さんに初めてフレンド通信するのであった……


「猫さん、忙しいからダメだって……」

「もう返事きたの!?」


 ワクワクする時間もなく、秒で却下されたアイであったとさ。



 猫さんへの弟子入りは、たぶん絶対に(かな)わないだろう。アイは猫さんが本当に忙しいのかと聞いてきたので真実を教えたらプンプンしてた。暇潰ししかしてないんだもん。暇なら弟子にしてくれてもいいもん!


「チョコだけが欲しいなら、会えるぐらいの関係になれればいいんじゃない?」

「それだ!」

「じゃあ、もう一回聞いてみる」


 猫さんはバグエリアから出てこないので、連れて行っていいか聞いたけど、今は忙しいらしい……噓つけ。秒で返事しただろ。


「てか、私と会いたくないから、忙しいって言ってるだけでは??」

「たぶんそう……」

「えぇ~……ネロさん、そんな人だったの~?」

「昔からそんな人でした。会うには、それなりに理由が必要かもね~……」


 猫さんは自由猫。自分が面白いと思ったことには自分から首を突っ込むが、面倒と思ったら100万人のバトルロイヤルすらブッチしちゃう猫なのだ。

 2人で何か興味があることを探してみたけど、猫さんは多趣味すぎて何を言っても食い付いてこないとしか思えない私であった。



 猫さんの話は暗礁に乗り上げてしまったので、話題は変更。アイの戦闘方法を聞いてみた。猫さんの話より大事な話だったな……


「私、素手で戦っていこうと思ってるの」

「素手? って、ボクシングみたいな??」

「まぁそんな感じ? キックとかもして。それなら武器とかにお金かからないと思うし」

「なるほど。でも、私、魔法剣士だから、剣か魔法しか教えられないんだけど……それだ!!」

「それ??」

「いいからいいから。猫さんに連絡してみるね」


 私のアイデアは秒で却下。でもしつこくしてみたら、「もういいから連れてこい」と返事がきた。やったね!


 そして私はモンスターからアイを守ってやってきました、バグエリアの入口。初めて町の外に出て森にまで入ったアイはキョロキョロしっぱなしだ。


「ここだよ」

「ここ? ここのどこに猫さんがいるの?」

「ここね。なんか空間が重なってるらしくて、もうひとつの空間は誰も入ってこれないフリースペースみたいになってるの。入り方見せるから、よく見ていてね?」

「うん……」


 アイは半信半疑。そして私のドリルジャンプを見たら、引いた。


「大丈夫? 事故にあった人みたいだったよ? HPも減ってるし……」

「これしか入る方法ないからやるしかないのよ~。私を信じて。ちょっと練習しよう。初級ポーションならいっぱいあるから!」


 ひとまずアイに2回練習させてみたら、めっちゃ痛そう。人が高速で地面に転がる様を初めて見たよ。笑えません。アイも涙目で見てくるし……

 あ、だから猫さん、ぶっつけ本番でやらせてたのか。そりゃ一発で成功したら、痛みは1回で済むもんね。


 続きましては本番。アイに初級ポーションを飲ませたら、立ち位置をしっかり説明。アイがドリルジャンプすると練習の成果もあり、一発成功……


 ゴメン。私基準で考えていた。健常者なら、1、2回でいけたかも? ゴメンね??


 そういえばお兄ちゃんも他のバグエリアはすぐに入れていたので、しっかりと心の中で謝罪したら、私もドリルジャンプで入室だ。

 そしてゴロゴロ転がって顔を上げたら、アイは呆気に取られた顔で一点を見ていた。


「何この音……盆踊り? あ、東京音頭??」

「うん……猫さん、得体の知れない巨大な猫と真っ黒なドラゴンと踊ってるんだけど……」


 そりゃそんな顔になる。たぶん、私も同じ顔してるもん!!


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