069 結果報告
猫さんの闇に触れた私は、恐怖を打ち消すためにうり坊ちゃんを召喚! モフって癒されたい。
「あれ? シューちゃん? どうしたの??」
でも、キングボアを幼獣化させたシュタイナーは召喚石から飛び出したら、そっぽ向いて私と目を合わせてくれない。目を合わそうとしたら、プイッとされた!?
「ねねね、猫さん!? シューちゃんがなんかおかしいです!?」
目の前にドラちゃんに土下座する猫さんがいるのだ。すぐさま私は助けを求めた。
「にゃ~? エサはやってるにゃ??」
「あ、あげてません……」
「あにゃにゃ。騎獣に空腹値はにゃいけど、ログインした時にはあげてにゃいと、拗ねて目も合わせてくれなくなるんにゃ」
「うわ~! シューちゃんゴメーン!!」
というワケで、この日は猫さんと同じく、私も騎獣に土下座してエサを与えて機嫌を取りまくるのであったとさ。
その日の夕食、騎獣の失敗談は伏せて猫さんの詐欺師駆除方法を家族に教えてあげたら、聞きたくなかったとのこと。ヤクザのやり方だもん。
パパとママも「このままカノと付き合わせていいのかしら?」と本気で悩んでいました。お兄ちゃんは~……1人だけカッコイイとか言ってたよ。この厨二が。指でも詰められたらいいんだ。
そういえば私、ロッコさんに指詰められそうになったな……ロッコさんもそっち側!?
猫さんの交友関係が怖くなって、この日はなかなか眠れない私であったとさ。
翌日、パンゲアヒストリーオンラインにログインした私は、フレンド画面を見てニンマリ。じゃなかった。猫さんの報告をしようとアイにメッセージを入れる。
うり坊用のごはんを買っていたら返事がきたのでニンマリ。ヤバイ、フレンドが嬉しすぎて些細なやり取りが楽しい。そういえば猫さんとはこんなことしてなかったな……
忙しいならアイに合わせる予定だったが、すぐに会いたいとのこと。恋する乙女は凄い行動力だね。仕事ほっぽり出してくるとは……
「ハァハァ……連絡、ありがとう……ハァハァ……」
「う、うん。早かったね……」
アイは空腹ゲージがかなり減っていたから、女子2人なのに目の前にあったラーメン屋へ。ガラガラだからゆっくりできるけど、味が心配だ。
「う~ん。背徳感のある味~」
「こってりを詰め込んでるね~」
マズくはないが、ギトギトなので、美味しいかは微妙。好きな人は好きな感じだろう。
「猫さんの作ってくれた豚骨ラーメンのほうが遙かに美味しいけどね」
「え? ネコさん、料理もできるの? 完璧すぎない??」
「あ……」
恋する乙女にいらない情報を足してしまった!
「先に報告しとくね。猫さんは聖女様とアイの2人とだけなら会うと言ってくれたよ」
「本当!? やった……」
感動してるところ悪いけど、ここからが本題だ。
「アイ、心して聞いてね。猫さんの見た目、昔と掛け離れているの。だから、恋心とかは吹っ飛ぶと思うよ」
「そ、そんなにブサイクになったの??」
「ううん。猫になったの」
「ネコは名前だよね??」
「違うの。立って歩く猫になってるの。身長もこれぐらい」
「ええぇぇ~~~!?」
アイ、絶叫。初恋の人が年老いて見た目が悪くなるぐらいなら想像できただろうが、猫になっているなんて誰が想像できようか。
私は「猫? ネコ? キャット??」とブツブツ呟くアイを横目に見つつ、ラーメンをすするのであった……
ラーメン屋でそのままお喋りしようと思っていたら、頑固オヤジっぽい店主プレイヤーがすぐさま食器を下げるし舌打ちしてるから、場所を変えるしかない。だからガラガラなんだよ。潰れてしまえ。
どこかいい場所はないかとキョロキョロしたら、お洒落なオープンカフェを発見。でも高いから、アイのお財布と相談してから入店だ。私は小金持ちだから全然痛くないです。
「ネコさんって、本当に猫になってるの?」
けっこう時間が経ったのに、アイはまだ姿で話が止まってるね。
「本当よ。イロイロあって、昔のアバターは消された上に、変更不可能になったらしいの」
「理由は聞いたのよね?」
「聞いたけど……言えない。どうしても知りたかったら、猫さんに会った時に愚痴を5時間聞いて」
「愚痴を5時間??」
これはマスト。というか、同じ被害者がほしい。アイは悩んでいるな。5時間は長いもん。私は3時間で逃げたけど……
「とりあえず会った時に触りだけ聞いてみるよ」
「触りも長いんだよね~~~……」
「カノ、よく我慢して聞いたね……」
あの頃は猫さんが不思議すぎたから、面白い話だと思っていたから。若気の至りってヤツだ。
「そういえば、お母さんは同席しちゃダメなのはなんで?」
「たぶんお母さんが会いたくないから、猫さんなりの配慮だよ。こんなことあったらしいの」
この情報は出しても問題ないだろう。猫さんが失礼なことを言って、お母さんをキレさせただけだし。アイも大人気ないと笑ってくれました。
「あ、そうだ。詐欺師を排除してくれてたの、猫さんだったよ」
「そうなの? お母さんに聞いたら、運営に決まってるじゃないって言ってたけど」
「たぶん噓つかれてるね。猫さんは証拠もナシに運営は動かないって言ってたもん」
どちらが本当のことを言っているかなんて、火を見るより明らか。猫さんの敗訴!
「ネコさんのリアル、ヤクザじゃないよね?」
「そう思いたいけど、死ぬほど怖い殺気を放ったことあるから、修羅場を潜りまくったヤクザってのもしっくりくる……」
「怖いこと言わないでよ~~~」
どちらかというと、怖いから噓であってほしいと思う私達であった。




