068 詐欺師の駆除方法
猫さんをリハビリギルドの聖女様と会わせる説得は、本当はそれほど説得しなくてもいけたけど、私の努力の賜物で成功。
現在のギルマスとの仲違いは、猫さんが完全に悪いけど、別に私のミッションに解決しろとは入ってなかったから、もういいや。
ここからは、私の気になることの質問だ!
「ネロから猫にクラスチェンジした時に、登録していたフレンドってどうなったのですか?」
「クラスチェンジって……フレンドは全部消えてたにゃ」
「やっぱり! 正解です!!」
「にゃにを喜んでるかわからにゃいけど、それから大変だったんだからにゃ~」
猫さんのフレンドは、長年やっていたから大量だったとのこと。その頃の猫さんは最前線で行動していたから、ファーストキングダムの全員はフレンドに登録できたけど、したくなかったんだって。
あとはロッコさんのように、猫さんが必要とするかもしれない数人の男性だけは直接会いに行って登録し直したそうだ。残りの大多数は「ま、いっか」とすぐに切り捨てたらしい……
「全然大変じゃないですか……」
「すっごい大変だったにゃ~」
「登録しに出向いたの、所在地がわかる10人にも満たない人じゃないですか? てか、なんで女性はしなかったのですか?」
「モフるんにゃもん……」
「え??」
「吾輩が長期で休んだ話をしたにゃろ? 女性は猫成分が足りないとかワケわからないこと言って、吾輩をモフリまくるからにゃ~~~」
「あぁ~~~」
猫成分、大事。でも、猫さんは鬼気迫る表情の女性に撫で回されてトラウマに。男性にも死ぬほど笑われたから、この頃の猫さんは人間不信になってたんだってさ。
「でもでも、聖女様は? 聖女様こそ、登録し直さないと!」
「その頃の聖女はPHOにめったにログインしにゃくなってて、娘がギルマスしてたんにゃ」
猫さんとギルマスの確執は知っているが、連絡が取れないのは困るはずだ。主に詐欺師撃退関連で……
「嫌っていても、猫さんとの繋がりはないとリハビリギルドが困ると思うんですけど。どうして会いに行かないかな~?」
「ギルマスに会いには行ったし、フレンド登録の話もしたにゃ」
「はい??」
「にゃのにアイツ、笑いながらこう言ったんにゃよ? ケダモノにゃんて、あんたにお似合いね。ケダモノにゃんかとフレンド登録しにゃせ~ん……って! んにゃヤツ知るか!!」
「あうっ……」
掛ける言葉も思い浮かびません。アイのお母さん、大人気なさすぎるよ。猫さんも悪いけど、大人対応しようよ~。
猫さんの愚痴がすぎるので、この話は終わりにしたい。おやつの時間だと言ってみたら、なんかすっごく大きなケーキが出てきた。食べてストレス発散するタイプなんだ……美味しっ!
手掴みでケーキを食べるなんて行儀悪いこと初めてやったけど、これもゲームの醍醐味。2人して食べすぎてお腹はパンパンだ。
「そ、そうだ……リハビリギルドを囲んでる詐欺師……猫さんが消したんですか? うっぷ」
猫さんが愚痴を思い出さない内に、私はすかさず話題変更。猫さんは胃腸薬らしき物を飲んでいたので私も貰いました。HP、本当に食べすぎただけで減ってたし……
「それもお孫ちゃんが言ってたにゃ?」
「いえ、私の予想なんですけど……」
「おお~い。アイツ、吾輩の苦労を家族にぐらい伝えろにゃ~~~」
やっぱり消したらしい。でも、またギルマスが報連相を怠っていたから猫さんの愚痴だ。どんだけ犬猿の仲なんだか……猫と仲が悪いのなんだろ? 蛇だっけ? 猫蛇の仲??
「どうやったのですか? 運営に通報したのですよね??」
「運営が証拠もナシに動くワケないにゃろ」
「あれ? これが正解だと家族でまとまったのですけど……」
「いったい君達は、家族でにゃんの話をしてるにゃ??」
UMAの話ですと言いたいところだが、言ったら愚痴られそうなので黙秘します。
「正解は? はいっ!!」
「雑だにゃ~……てか、自分で消したと言ってたにゃ~」
「え? 本当に本当ですか? リアルでなんて……」
「誰がリアルで殺人にゃんかするんにゃ。ここでに決まってるにゃ」
詐欺師の駆除方法は、簡単。ではなく、難解。そもそも中小障害者支援ギルドは本当に詐欺をしていたかなんて、詐欺にあった被害者しかわからない。
被害者もネットに書くだけで警察も動いていないから、猫さんには確証が取れなかったらしい。
そこで猫さんが頼ったのが、闇ギルド。子供が知ることじゃないからと詳しくは教えてくれなかったが、ギルマスとは長い付き合いなんだって。
闇ギルドから得た情報で、猫さんは詐欺師を裁く正義の味方だと自慢していたけど、闇ギルドが闇すぎて怖いんだよ。どこから犯罪者の証拠を集めてきたか教えてよ。
怖いのは猫さんの脅し方も一緒。とびきりの殺気と共に詐欺師の小指を切り落として「誰の島でシノギしてるかわかってやっとんか? 次、許可無くシノギやっとったら、家族諸共始末するからのう」って……完全にヤクザだろ。どこが正義の味方だ。
もちろん、そんな脅しに屈しない者も極一部いる。ここはゲームの中だし、リアルの住所なんて調べられないからだ。
その者には、「これ、お前のリアルの住所と家族構成や。近い内に殺しに行くから、待っとけや」って……本当にどこから入手したの!? 完全にそっちの人でしょ!? そりゃ夜逃げするよ!?
「ま、詐欺師ってのは、ゴキブリみたいなモノにゃから、駆除しても駆除しても湧いてくるんだよにゃ~」
「聞くんじゃなかった……」
私、大後悔。怖い、怖すぎるよ……
「てのは冗談にゃ~。前に吾輩に絡んできたヤツにやったように、にゃん度もトラウマ植え付けてやっただけにゃ~。にゃ~はっはっはっはっはっはっ」
「ですよね~? あははははは」
絶対にヤッてる……臨場感半端なかったもん!
私はもう、笑うしかないのであったとさ。




