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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
三章 猫とリハビリギルド

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067 猫さんの説得


 リハビリギルドで猫さんのネタをゲットした私は、そのまま話をしに行きたかったが、夕食の席に持ち帰った。吟味したかったの。


「うおおぉぉ~。リハビリギルド作ったのネコさんだったのか~」


 するとお兄ちゃんが興奮。そういえばお兄ちゃんがいっぱい調べてくれたもんね。これが普通の反応なのかもしれない。でも、マーヤさんとの話のネタにしそうだな。私の病気のことバラしそうだから釘は刺しておきました。


「お兄ちゃんはリハビリギルドの周りにいた詐欺師、覚えてる?」

「ああ。アレはうっとうしかったな~。カノのこと、根掘り葉掘り聞こうとしやがって」

「そいつら、いま、全然いないの。たぶん猫さんが何かしたと思うんだけど……何したと思う?」


 続いての話題は、詐欺師。どうやったら消えるかが私には思い付かないから、可能性でもいいから知りたいのだ。猫さんとの交渉材料のために!


「う~ん……ゲーム内でPKしたところで、現実にダメージはないしな~」

「リアルで消したのでは?」

「パパ、そんなことしてたら大事件になってるでしょ」

「あ……あはは。大量殺人になってるな」


 お兄ちゃんもパパもママも思い付かないっぽい。でも、猫さんならリアルにも手が届きそうなのよね~。UMAだし。


「運営に通報したってのが、一番無難なやり方なんじゃないか?」

「ああ~。それならアカウントを凍結できるな」

「なるほど。参考になったよ」


 正攻法が一番可能性があるね。武器にはならなかったけど、これで答え合わせしてみよっと。



 翌日、今日も私は気合を入れて、バグエリアに飛び込んだ。比喩でもなんでもなく、ドリルジャンプで!

 猫さんはすぐに見付かったけど、どういうワケか、ドラちゃんの前で物干し竿を低くしたモノの下を、すんごい仰け反って(くぐ)り抜けようとしていた……


 どういう状況? ドラちゃんの機嫌を取ろうと、猫さんがリンボーダンスしてるってこと? 飼い主の威厳!


「はぁ~~~。猫さ~ん」

「にゃっ!? にゃああぁぁ~~~。失敗したにゃ~」

「にゃしゃしゃしゃしゃ」


 猫さん、私のため息まじりの声に驚いて背中を地面につけて、ドラちゃんに笑われる。飼い主、どっちなんだろう……


「まだダークドラゴンの背中に乗れないんですか?」

「そうなんにゃ~。めっちゃ強情なんにゃ~」

「もう諦めては??」

吾輩(わがはい)が温めていたバハムートのネタを奪われたんにゃから、乗らないことには採算が合わないにゃ~」

「たぶん、向こうも諦めてますって」


 諦める前に、単独撃破なんて試そうともしていないと思う。どちらかというと、猫さんが詐欺でプレミアム貸出券を奪ったんだよ。


「あ、そうでした。リハビリギルド作ったの、猫さんだったんですね。聞きましたよ~?」

「吾輩じゃないにゃ~。当時のギルマスの聖女にゃ~」

「建物も資金もリハビリ方法も障害者も、ネロって人が関わっているって聞いたんですけどね~?」

「吾輩の名はネコであるにゃ~」

「他に誰がいるんですか!?」


 私にそのおとぼけは通じない。猫さんも諦めて服を着て座ってくれました。正直、裸と着衣、どっちでもいいです。


「今のギルマスににゃんか吹き込まれたにゃ?」

「いえ。聖女様のお孫さんがイロイロ教えてくれたんです。最初、スクショを見せられてネロって言われた時は、すんごい驚いたんですよ~?」

「あっちゃ~。見ちゃったにゃ~」

「ウフフ。カッコよかったじゃないですか」

「にゃろ? イケメンだったんにゃ~。あの頃はモテモテでにゃ~」

「ちょっとは照れたり隠したりしないんですか?」


 そっち方面の武勇伝は聞きたくない。でも、あまり武勇伝はなさそう……同じ話を繰り返しているような……


「猫さん、ネロの時代から神出鬼没だったから、本当はモテてないでしょ?」

「うっ!?」

「やっぱりね」


 なんて残念な猫。本当にイケメンだったのにもったいない。


「それでお孫さんが会いたいと言っているのですが……」

「にゃんで~?」

「そりゃ猫さんが創始者みたいなモノじゃないですか? イロイロ聞きたいに決まってます。それにスクショを見て一目惚れしたみたいでしたよ」

「……幻滅するから会わないほうがよくにゃい?」

「ですよね~? じゃない!?」


 ダメダメ! 猫さんの見た目のせいで間違えたじゃない!!


「聖女様も元気な内に会いたいと言ってるみたいですよ?」

「あぁ~……まだ60代じゃなかったかにゃ? 最後に会った時に、時間ができたらボディビルの大会に出たいとか言ってたようにゃ……」

「元気すぎますけど~~~!!」


 ダメだ。猫さんを説得する材料、まったくない。聖女様がムキムキになってどうするのよ~。


「ま、久し振りに会おっかにゃ~?」

「会うんか~~~い!! ゲホッゲホゲホ」

「さっきから叫びすぎにゃよ?」


 誰のせいで咳き込んでると思ってるんだ。私は喉が落ち着いたらもう一度ツッコンだのに、「会わないとは言ってないにゃ~」と返されたので、2日連続で膝から崩れ落ちるのであったとさ。



 猫さんは聖女様と会うのは了承してくれたが、何故か現在のギルマスだけは外すようにと条件を付けられた。


「ギルマスですよ? 会って顔を繋いでいたほうがいいんじゃないですか? これからのこともありますし」

「たぶんまだ聖女の娘がやってるんじゃないかにゃ? 吾輩、めちゃくちゃ嫌われてるから、会わないほうがいいと思うんにゃ」

「あっ! アイのお母さんですか? アイも嫌っているようなことを言ってました」

「ま~だ怒ってるんにゃ~」


 それなら外すべきだと思うけど、何があったか知りたい!


「猫さんが何かしたんですよね?」


 たぶん、猫さんがやらかしたはずたもの……


「にゃんで吾輩が悪いと決め付けるにゃ~。吾輩はアドバイスしただけにゃよ?」

「どんなアドバイスですか?」

「聖女の跡を継いでギルマスをやるとか言うから、若いんだから奉仕なんてしんどい仕事をするよりも、ゲームを楽しんだほうがいいとにゃ」


 意外とまともなアドバイスだと思うけど……


「本当にそんな言い方だったんですか?」

「えっと……ゲームの中で親の跡を継ぐにゃんて、バカにゃの~? と……」

「だからですよ!!」

「さっき言った気持ちで言ったんにゃ~~~」


 その言い方では、伝わるワケがない。若い頃の猫さんって、とことん敵を作るワードセンスなんだよな~……


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