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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
三章

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058 交渉


 騎獣愛護クランのマスター、ローリーさんに連れて歩いてもらえば、多種多様なモフモフが寄ってくるから幸せ。私以上にローリーさんのほうがだらしない顔でモフっているのは気になるけど。

 猫さんは暇そう。でも、幻獣種っていうの? グリフォンとかケルベロスとか、そういうのは嬉しそうに撫でてる。怖くないのかな? どちらかというと、ケルベロスとかのほうが怯えてる?


「この辺はドラゴン用に岩場になってるのよ」

「ドラゴンですか~……」

「あら? ドラゴン苦手? ネコなんか、尻尾ブンブン振ってるわよ??」

「犬だったのですか?」

「人間にゃ~」


 なんかややこしい会話だな。でも、猫さん、ローリーさんがカラフルなドラゴン達を集めたら、めっちゃ目がキラキラし出した。あんなザラザラ、どこがいいんだか。あ、猫さんが食べられそう。


「猫さん、懐かれていますね……」

「ドラゴンは強いプレイヤーに()かれるらしいわ。ネコなら引く手数多でしょうね」


 セーフ。頬ずりされただけでした。でも、四方八方から頬ずりされたら、私だったら削られて血みどろになってるよ。

 猫さんの意外な一面はずっと見ていたいが、モフモフの誘惑には抗えない。猫さんは置いて他に行こうとローリーさんにお願いしようとした矢先……


「うにゃ~~~!!」

「にゃ!? ドラゴン!? 出てきちゃダメにゃ~」


 猫さんの騎獣、巨大猫のドラゴンが急に現れた。猫さんの反応から察するに、猫さんが出したワケではなさそうだ。


「急にどうしたんでしょう……」

「嫉妬ね。たまにあるのよ。主が他の騎獣と仲良くしていると、召喚石から飛び出してくるの」

「なるほどです!」


 私も気を付けないとと思っていると、ドラちゃんは黒いドラゴンにネコパンチ。あれ? 中身はドラゴンだからドラゴンパンチ? もうパンチでいいや。

 私が驚きよりも変なこと考えていたら、ドラゴン達はドラちゃんに平伏した……どゆこと??


「あの~……ドラちゃん、手を出してましたけど、大丈夫ですか?」

「あれぐらいならよくあることよ。マウント争いとかね」

「あぁ~……ドラちゃん、そんなに強かったんですね。猫なのに。あ、ドラゴンだった」


 やっぱりややこしい。猫さんは凄いことに巻き込まれてるね。


「そういえばなんですけど、猫さんの名付のセンス、どう思います? ドラゴンにドラゴンと付けてるのですよ??」


 騎獣愛護クランのトップだ。そんな名前を付けているなら、同意してくれると私は思っていた……


「正確に言うと、ネコの騎獣はドラゴンじゃないから微妙なところね」

「はい? かっこいいドラゴンを返せと嘆いていたんですけど……」

「あなた、バハムートって知ってる?」

「名前だけは聞いたことありますけど、詳しくはわかりません」

「ドラゴンの頂点に君臨する種よ」


 バハムートとは、世間一般的に認識されているのはローリーさんの言う通りの品種で、ここパンゲアヒストリーオンラインでは、なんと最凶最悪のレイドボスらしい。

 最凶最悪と呼ばれている理由は、設定が狂っているのかと言われるほど強すぎるから。クリアーしたクランは極一部。片手で数えられるほどらしい……


「え……二十億人もプレイヤーがいてですか……」

「ええ。一説には、ファーストキングダムのヤツらを見返すために運営が用意したレイドボスといわれているわ」

「はあ……」


 付いて行けません。運営がひとつのクランにこだわるモノなの?


「な、なんで猫さんが、そんな強い騎獣を持っているのでしょうか?」

「それが謎なのよ~。私達もなんとか倒せるようになったのに、何度やっても取得条件すらわからないのよ~」


 あ、片手の指に、騎獣愛護クランも数えられているんだ。このゲーム、武闘派に見えない人が武闘派なのが、私には謎だ。


「あなたは何か聞いてない? ネコはいくら私が体で奉仕しても、全然教えてくれないのよ~」


 R指定の話ですか? あ、モフっているだけですか。だからだよ。猫さんモフられるの嫌いだもん。こんなに美人で巨乳なら喜んでもいいのに……


「私も秘密と言われました。あ、卵を手に入れるには猫さんしか不可能みたいなことは言われましたね」

「なにそれ!? そんなことすら聞いたことなかったわよ!?」


 あ……やっちまったかも。それすら教えてなかったの!? これぐらい出してよ!!


「ねえ? あなたが聞き出してくれない??」

「そう言われましても、猫さん秘密主義者ですから……たぶん無理ですよ」

「そこをなんとか! ……ここの会員証、欲しいんでしょ~??」

「うっ……」


 会員証があれば、いつでもモフリ放題。猫さんは次、いつ連れてきてくれるかわからない。それならば……ダメダメ! そんなことしたら、私が嫌われてしまう!!


「無理です。猫さんは私の恩人ですので、何を提示されても協力できません」


 私、やったよ! こんな面白いUMAから離れられないもの! 我慢できた私、超エライ!!


「そっか~……それだとプレミアム貸出券を付けてもダメなんでしょうね~……」

「プ、プレミアム貸出券とは??」

「私の権限で、好きな騎獣を1ヶ月間の期間限定で貸し出しているのよ。本当は新人にはとても払えない額なんだけどね~……今なら3枚付けちゃおっかな?」


 3匹も騎獣が手に入るの!? いや、一気に借りたらもったいない。1ヶ月だから~。うり坊でしょ。パンダでしょ……ダメダメ! 騎獣よりも猫さんでしょ!!


「やらせていただきます」

「やった! 頑張って~~~!!」

「はいっ! ……あれ? 私、なんと言いました??」

「『やらせていただきます』よ。録画もしたから、もう後戻りはできないわよ?」

「この口がぁぁ~~~……」


 断ろうとしたのに、私の口は真逆のことを言っていた。証拠まで突き付けられては、私は断る権利を放棄せざるを得なかったのであった……


 それじゃあ仕方ないよね? 交渉上手なローリーさんのせいだもん。ぃやっふぅ!!


 でも、私に後悔は微塵もないのであったとさ。


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