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神ゲームの最古参~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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053 初めてのボス戦


 私をライバル視したお兄ちゃんが張り切り過ぎたので長めの休憩。叱ったらシュンとしたから許してやろう。


 その休憩の間、私は初級錬金釜で薬草をグルグルグルグル掻き混ぜて回復薬を作りながら、軽く軽食。お兄ちゃんも何か食べていたから少し貰ったけど、マズイなこれ。

 丸薬? 空腹ゲージが増えたらなんでもいいんですか。私のごはんもあまり美味しくないけど……猫さんのお菓子が恋しいね。


「ところでボスってどんなモンスターなの?」

「キングボアって、イノシシみたいなヤツだ」

「イノシシか~。かわいいのかな~」

「全然。ネコさんの騎獣ぐらい大きくて、まさに猪突猛進。突進に巻き込まれたら大ダメージを受けるんだ」


 ドラちゃんって車より大きかったよね? まるでトラックが突っ込んで来るようなモノか……そりゃ死ぬな。


「で、作戦は?」

「そうだな……2人とも前衛だし、挟撃ってのはどうだ? ヘイトを奪い合う感じ。ネコさんとやったことないか?」

「お兄ちゃんが引き付けてる時に後ろから攻撃したらいいのね。んで、交代って流れね」

「そうそう。交互にな。怒って突撃した時は避けて、その都度集まろう」

「オッケー」


 作戦も決まれば、回復薬を渡して私はスキルの入れ替え。錬金から力に交換で、超攻撃的スタイルだ。正確には、地味に攻撃力が上がる程度だけど。

 2人で打ち合わせを復習しながらボスエリアに足を踏み入れると、丸くて茶色いおっきなモフモフが寝ていた。


「アレがキングボア? モフモフね~」

「そうだけど、いつもよりデカイ気がする」

「そうなの? あ、ちっちゃいのいるよ? かわいい~」

「ゲッ……ここでレアボス引き当てたか~」

「レアってことは、あの子供は私の物??」

「なに夢見てんだ」


 だってうり坊かわいいもん。猫さんがモフらせてくれないから、夢見たっていいじゃない?


 レアボスとは、すんごい低い確率で現れるのは言われなくてもわかるし、強いのも言われなくてもわかる。問題は勝てるかどうかだ。

 お兄ちゃんの場合は1回しか戦ったことがなくて、その1回はパーティ全員()き殺されたんだって。暴走ダンプカーが執拗に追いかけてくるような恐怖体験をしたそうだ。


「ふ~ん。勝ったらうり坊は手に入るの?」

「またそれ? 残念ながら勝っても仲間にならないぞ。母親殺されてるんだから」

「そうだった!?」


 クイーンボアを倒してしまうとイノシシ系統の騎獣から嫌われる効果もあるって……チェンジで!


「一旦引こう。弱いほうがいいよ」

「もう遅い。ロックオンされた。背中を見せたら走り出すぞ」

「なんで!?」

「そうやって大声出すからだよ!!」

「あっ……」


 私、凡ミス。狩りは静かにってのが鉄則だ。うり坊がかわいいんだも~ん。


「ちなみに恐怖とか感じてないか?」

「なんの話??」

「あとで説明する! きたぞ! 避けろ!!」

「うん!!」


 後ろ脚で地面を蹴っていたクイーンボアは、ゼンマイが巻き切られたチョロQのように突然走り出したのであった……



「大丈夫か!?」

「うん!!」


 クイーンボアの突撃は、2人とも同時に分かれて跳んだから、お互いダメージはナシ。ただ、遠くでクイーンボアは横向きに急ブレーキをかけているように見える。


「何あれ? 獣って、あんな止まり方できるの??」

「さあ? リアルは知らない。ここではドリフトとか呼ばれてるって。その分、戻りが早いんだ。きた! このまま同時に避けて、距離が詰まるの待つぞ!!」

「わかった!!」


 私達は集まっては左右に跳んで避けるを繰り返すと、クイーンボアは行ったり来たり。その行ったり来たりする距離は、回を重ねる事に短くなる。

 これは暴走ダンプカーではない。ダンプカーの姿をした、小回りの利くサーキットカーだ。


「もうそろそろだぞ! 挟撃の準備しておけ!!」

「うん!!」


 一度でも轢かれたらゲームオーバーな状況。冷や汗を垂らしながら何度も避けるを繰り返せば、クイーンボアは私達の射程距離でついに切り返した。


「俺から行く! 追い越せ!!」

「オッケー!!」


 準備万端。私達は同時に走り出し、お兄ちゃんはクイーンボアに斬り付けた。私はそれを横目にクイーンボアを走り抜け、後ろに回り込む。


「つ、強い! 代われるなら攻撃してくれ!!」

「わかった! フレイムソード!!」


 私的には「もう?」っと思ったけど、レアボスだからそんなモノかとタッチ交代。炎を(まと)った剣でお尻に斬り付けた。


「ブモーッ!!」


 私の攻撃が痛かったのか、クイーンボアは怒りの声と後ろ蹴り。すでに私は後ろに跳んでいたから、掠りもしないよ。


「わっ。怖い顔~」

「ブモッ!!」


 ちょっと距離ができてしまったので、クイーンボアの突撃はファイアーボールで潰してからの、疑似Vスラッシュ。後ろに跳び、着地際にファイアーボールでまたクイーンボアの出だしを潰す。

 私が危なげなく攻撃を繰り返していたら、クイーンボアのHPはグングン下落。1人で3割は削ったんじゃない?


「カノ! 回復終わったぞ!!」

「あっ……合図するから合わせて戦技使って!」

「わかった!!」


 たぶん私のほうが攻撃力が高いから、いま覚えている一番強い戦技を使わないとヘイトは奪えないだろう。

 数秒後、タイミングを合わせて私が「いま!」と声を出すと、お兄ちゃんの掛け声と共に戦技が炸裂した!


「クソッ! まだヘイト奪えてないぞ!!」

「また合図するよ!!」


 なんてことでしょう。お兄ちゃんがヘイトを奪えたのは、3回目。クイーンボアに蹴られたのか、「うぐっ」と(うめ)き声が聞こえたあとだ。

 クイーンボアがやっとお尻を向けたので、私はMP回復薬を飲みながら、ちょっとだけ真後ろから移動してお兄ちゃんの戦闘を見学する。


 あぁ~……上手く立ち回らないと、牙とか頭突きで攻撃されるのか。なんでダメージを受けているのかと思ったら、足を止めて殴り合っているからだったんだね。そりゃ回復薬足りなくなるわ~……え? もう!?


 私が眺めている間に、お兄ちゃんは早くも限界。私はまた剣に炎を纏ってヘイトはあっという間に奪い返した。


「お兄ちゃん! 作戦変更! 私がヘイトを受け持つ! 回復したら、後ろから弱めに攻撃して!!」

「お、おう……」


 これが最適解。私の策は見事に嵌まり、難なくクイーンボアのHPを削りきったのであった……


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