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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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051 お兄ちゃんと一緒1


 ジュリアさん達の勧誘は丁重にお断りした私は、もう一度掲示板を見てから外に出る。帰り際に見たジュリアさん達はスキンヘッド達の下へ向かって行ったから、誰が餌食になるんだろう……ドキドキ。


 スキンヘッドさん、ゴメンね。私、口止めされたし、関わり合いたくないの。新人からPKにハマる女子って怖すぎるでしょ?


 ブルブル頭を振ってヌイーダの酒場から出た私は早足で移動。何度も後ろを確認したから、つけられてないはずだ。

 そのまま地図を頼りに料理人ギルドに足を運んだけど、料理教室は人気なのか要予約らしい。それなら仕方がないと、指定の日に予約をして教室を覗かせてもらったら、男だらけ……


「あ、あの……」

「ああ。アレね。新人が多く集まる時期は、男女別にしてるのよ」

「またナンパ男ですか……」

「何かあったの? 嫌なことされた??」

「いえ、さっき……」


 案内をしてくれた女性プレイヤーにジュリアさん達の話をしたら「それ、面白そう……」とのこと。ジュリアさん達の連絡先は知りません。ギルドメンバーとパーティ組むのですか~……頑張ってください。


 私の出会う女性プレイヤー、PKばっかり!? ひょっとしたら、男が女に迷惑かけまくってるのか!?


 と思って夕食の時にお兄ちゃんに聞いてみたら、「俺はそんなことしねぇよ!」と逆ギレ。やってる反応じゃねぇか。


「違うって言ってるだろ。野良パーティ組んでる時に、女の子がチョッカイかけられていたから止めたことがあるんだ」

「ふ~~~ん……その子とどうなった?」

「べ、べっつに~」

「晴信……正直に言いなさい」

「母さんまで!?」


 女2人でネチネチ問い(ただ)したら、助けてから正規のパーティメンバーになったんだって。やっぱりな~。なんかちょっと嬉しそうに喋ってたもん。


「もうその話はいいだろ。カノ、パーティ組みたかったら明日は俺と一緒にやるか?」

「お姉さん紹介されるのは、ちょっと……」

「まだお姉さんじゃないし!!」

「「まだ~~~??」」


 私とママ、絶好調。失言したお兄ちゃんが悪い。でも、からかいすぎた。口から魂出そうだ。


「一緒にって、猫さんに止められてたんじゃないの?」

「ずっとはよくないって言われただけだ。たまに会うくらいはカノも嫌じゃないだろ? ネコさんに教えてもらったカノがどうなったか見たいし」

「そうね。カノちゃん何か隠してるし。ママが許可する。明日はお兄ちゃんといなさい」

「えぇ~。隠し事なんて………………」

「「……ないと言え」」


 いっぱいあるから言えません。


 こうして私は、初日振りにお兄ちゃんと一緒にプレイするのであった。



 翌日は同じタイミングでログインしたから、待ち合わせもしていないのにお兄ちゃんと隣り合わせでスタートだ。


「おお! 魔法使いじゃなくなってる……どうしたんだ??」


 フフン♪ 驚いてるね。このために魔法剣士や装備のことは隠していたのだ。ドッキリ大成功だね!


「猫さんに本当は何をやりたいか聞かれて、前衛って答えたら魔法剣士になりました~」

「魔法剣士!? カッケー……でも、カノは前衛やりたかったんだ……俺、魔法使い押し付けてたんだな……」

「はいはい。落ち込まないの。猫さんのおかげで遅れは取り戻したし、半分は役に立ってるんだからね。それより早く行こうよ」

「あ、ああ!」


 最初は不満だったけど、今はそんな気持ちは微塵もない。どちらかというと申し訳ない。取り戻したどころか遥かに追い越しちゃったんだよね~……


 私が歩き出すと、お兄ちゃんは追い付いてきて「すげーすげー」うるさいな。普通に歩いてるだけだろ。涙ぐむな。

 あ、そうか……リアルでは同じ速度で歩いてないもんね。ちょっと私もグッときました。


「あ、回復薬とかって持ってるか? なかったら露店に寄っていいぞ」

「回復薬はいっぱい持ってるし、足りなくなったら道中で作ればいいかな?」

「作る? 生産スキルも持ってるのか??」

「うん、錬金。猫さんに最初に取らされたの。お金に余裕が持てるからって」

「うそ~ん。いっつも俺、回復薬で金欠だったのに~」


 あらら。猫さんのやり方、常識じゃなかったんだ。これはアレだ。回復薬の供給力不足を経験した人しかなかなか思い付かないやり方なんだな。


 お兄ちゃんが嘆いていたから逆に、「回復薬大丈夫?」と聞いたら走って行った。お兄ちゃんが買いたいだけだったんか~い。

 ま、私もMP回復薬作ったことないから10本買ったから同罪です。作り方も教えてもらってないということは、自分で気付けということだったのかもね。お兄ちゃんより罪が重いかも……


 戦闘準備が整ったら、始まりの町を出てモンスター退治。お兄ちゃんは剣を振り回し、私は突いて倒す。


「なあ? そんな戦い方、力が入らないだろ??」

「そこまで力を入れなくても倒せるからいらないでしょ? スタミナの節約にもなるし」

「それも猫さんの教えか!? 俺もマネしよ!?」


 お兄ちゃんは「うおおぉぉ!」とか言ってスライムに剣を突き刺したけど、まず、力を抜け。本気で突いたら一緒だろ。



 それからも腰から下ぐらいしかないモンスターは2人で突いて倒し、私が薬草を見付けては採取していたら、お兄ちゃんはハテナ顔。


「なあ? さっきから何を採ってんだ?」

「薬草だけど……見えないの?」

「俺、採取系のスキルないから……マジか、そこら辺にある草って、薬草もあるのか」

「私はまだ錬金セットしてるから見えるのかな? 確か猫さんは、目の前で採取した物を食べさせたらわかるようなことを言っていたような……」

「薬草、苦いんだよな~」


 そうか。お兄ちゃんは空腹で死に戻りしそうになった時に食べたことがあったな。私がいま摘んだ草も食ってるよ……こんな家族は見たくなかった。

 これで薬草はわかるようになったらしいので、手伝ってくれるようになったけど、私に作れだって。まぁ経験値が入るからいいんだけどね。


 時々薬草を採取しながら歩いていたら、ゴブリン発見。2匹いたから、別々にアタックだ。


「おお~。カノも一発か。俺ぐらい強くないか?」

「どうだろうね」

「いや、なかなか動きもよかったぞ。これなら第2フィールドまで行けるかも?」

「パーティ組んだら取り掛かろうと思ってるけど、いつになるかな~」

「たぶん2人でも勝てるぞ。俺、ソロでもいいところまでいってるから。勝てたことないけどな」

「え? お兄ちゃん、1人で進もうとしてるの??」


 今のは愚問。お兄ちゃんは野良パーティの5人で、けっこう前に第2フィールドまで進んでいたそうだ。ソロで戦っている理由は、負けてもいい経験値が入るから、ログアウトする前の日課にしてるんだって。


「よかったら手伝うぞ? そんなに強くないし、進んだとしても似たようなレベル帯だから、新人なんかは移住しないらしい。ひとつ目のストーリーが第1フィールドにあるからな」


 確かにストーリーをクリアーしてから、先に進むべき。クリアーを楽にするためにレベリングするなら、先に進む人がいてもおかしくない。


「それって、お兄ちゃんが手伝ってほしいからでは……」

「べ、べっつに~」


 それ、彼女候補さんの時にした反応だろ。


 私はわかりやすいお兄ちゃんに免じて、フィールドボス戦を了承するのであった。


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