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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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042 猫さんと薬屋の出会い


 薬屋のロッコさんと猫さんの出会いは、およそ20年前。今まで40年以上前の話をしていたのに、なんで今さら大幅な年数詐欺するんだ。照れんな。

 その頃のパンゲアヒストリーオンラインは、プレイヤーが増えすぎてアイテムの供給力不足になっていた。特に足りない物が、回復アイテムだ。


 最前線でストーリーのクリアを目指すパーティやクランは、日夜強敵と戦っているのだからHPの回復は必須。MPを回復できるアイテムも少ないのだから、回復魔法だけでは追い付かない。

 回復アイテムを落とすモンスターもいることにはいるが、それだけでは日に日に増えるプレイヤーには行き届かなかった。


 そこで重要なのが、回復薬を生産できる薬師。まだ生産職が少ないパンゲアオンラインでは、薬師の引き抜き合戦が過熱する。


 その頃のロッコさんには店はなく、回復薬を作っては馴染みの露店に売るだけの細々とした活動をしていた。生産量は少ないが、高品質ってのが売り。転売に転売を重ねて、すんごい高値になっていたそうだ。

 ロッコさんはさぞかし怒っていただろうと思ったら「まぁそんなもんだよね~」とのこと。新人プレイヤー支援をやっている薬屋の言葉とは思えませんでした。


 何故、そんなに興味がないのかと言うと、その頃は中級回復薬を作る素材を探していたから。プレイヤーの不満も不安も興味なかったんだって。猫さんと同類だな。

 ただし、高品質回復薬を作れるロッコさんだ。すぐに生産者だと特定されて、大小のクランや多くのパーティが群がる。


 ロッコさんは興味がないと一蹴していたら、不穏な情報が耳に入った。PKギルドが狙っていると……


 これもロッコさんは興味ナシ。「だからなに? 本当に死ぬワケじゃないのに」と引き留めるプレイヤーを振り切って町の外へ出てしまった。

 第1フィールドの僻地まで足を伸ばしたロッコさんは、中級回復薬の素材を探していたら、迫りくる影……


 PKギルドだ。それも、その当時、最強を(うた)っていた、火雷獅子(ひらいしし)隊という大手PKギルドだ。


 いきなり殴られたロッコさんは恐怖に震える。ワケもなく、「邪魔なんですけど~?」と口答え。PKは煽られたと殴る蹴るの暴行を繰り返す。

 挙げ句の果てには「お前の仲間を殺してやる」との脅し。その脅しにロッコさんは「仲間なんていないんですけど~?」とナメた答え。そりゃ殴られるよ……


 そこに偶然通りかかったのが、我らが猫さん。いや、その当時は人間のネロさん。

 リンチされるロッコさんを見たネロさんの第一声は……


「そこ、ちょっと邪魔なんですけど~?」


 とのこと……そりゃ怒るよ。私だって、PKしたいと思ったもん。


 もちろんPKは激怒。薬師でもないネロさんなんて、即刻死刑だ。PKは全員、武器を抜いて襲いかかった。


「あ、PK? PKってヤツ??」


 でも、ネロさんはヒョイョイ避けて、相手が何者かと質問。怒ったPKが「PKだよ! 俺達は火雷獅子隊だ!!」と言った瞬間に、全員ご臨終。ロッコさんでも驚く早業だったそうだ。


 いちおうロッコさんは助けられた手前、礼ぐらいはしとこうと声をかけたら……


「そこ、バグの可能性があるからどいてほしいんだけど~?」


 とのこと……せめて言い方! そりゃロッコさんも怒るよ。


 そこから口喧嘩。ロッコさんは「バグなんてあるか!」とキレて、ネロさんは「中級の素材はこんな所にありませ~ん。薬師なのにそんなことも知らないの~?」と煽る。


 これが猫さんの大失敗。ロッコさんはどこにあるか教えてくれと頭を下げたから、長い付き合いとなってしまったと悔しそうに言ってるよ……



 話に一区切り付くと、私はロッコさんが出してくれたお茶をズズッと飲んでため息を吐く。


「はぁ~……2人とも、もうちょっと危機感とか持てなかったのですか?」

「「若気の至りってヤツ??」」

「PKさんのほうがかわいそうに聞こえたんですけど~~~??」

「いや、俺は暴力も振るってねぇし……」

「いや、吾輩(わがはい)は正当防衛にゃし……」


 思い返してみたら、自分達でもナメすぎた対応をしていたと気付いたみたい。若いって凄いね。私は若いけど、PKさんにそんなナメた口きけません。


 猫さんたちの出会いはわかったので、続き。本命のファーストキングダムと猫さんの出会いだ。いや、拉致されたってアレだ。


 その前に、大手PKギルドの火雷獅子隊が関わっているらしいから、そこから。

 大手らしく、人数が恐ろしく多かったので、人海戦術でネロさんはすぐに見付かる。でも、全て返り討ち。バグ探しのほうが話が長い気がする。


 ただ、日に日に人数が増えてバグ探しに支障を来したからって、火雷獅子隊に単身殴り込みをかけたんだって! 面白くなってきた~!!

 いや、聞いた話だったな。ギルドホームに忍び込んで1人ずつ消して、残りは最強のPKだと言っていたマスターとその他10人を倒した愚痴だ。ザコばっかりって愚痴はいま聞かされました。かわいそうなマスターさん……


 それからは平和。というか、ネロさんが中級回復薬の素材を採取し、ロッコさんが中級回復薬を作るという分業になったそうだ。仲良しだな。

 次にやってきた刺客は、ファーストキングダムではなく、何故か生産者ギルド。中級回復薬のレシピを寄越せとやってきたらしい……マフィアか。殺伐としてるな……

 ロッコさんがグレたのは、こういう厄介事に巻き込まれまくったせいではなかろうか。元々の性格ですか。そうですか。


 しかし、中級回復薬の素材がある場所を知っているのはネロさんだけ。この頃からバグ技使って、まだ開放もされてもいない第2フィールドに行ってたんだって!

 アホか! そりゃ生産者ギルドに睨まれるだろ! 2人してアホほど稼いでたんだから! 喧嘩ばかりしてた2人が手を組むワケだ。


 ロッコさんが裏で密売人をやっているのは、猫さんの助言ではないだろうか……


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