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神ゲームの最古参~初心者JKの師匠は猫さんです~  作者: ma-no
二章 猫の訓練と卒業

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035 チョロイ子


 レベリングは、今日は少し早く切り上げて、第4フィールドにある猫さんの拠点にドラちゃんに乗って移動。入り方をすっかり忘れていたので、5回もやり直してしまった。


「やっと入れました~」

「お疲れさんにゃ。こっちきて座れにゃ~」


 猫さんの前には、丸太のテーブルの上に乗った初級錬金釜。また初級回復薬を作るのかと思ったら、違う回復薬を作るそうだ。


「初級回復薬を2個入れて掻き混ぜるだけにゃ」

「はあ……あ、初級って文字が取れた回復薬になりましたね」

「それで今まで通りの量が回復するからにゃ」

「猫さんは本当に無駄がないですね~」


 あんなに毎日大量に作らされていたのは、このためだったんだね。錬金スキルばかり伸びていたから、本当に合っているかはわからないけど……


「んじゃ、今日は回復薬を作り終わったらあがりにゃ。お疲れにゃ~」

「はい。お疲れ様でした~」


 私は残業で猫さんは帰宅。働いたことはまだないけど、私は上司に仕事を押し付けられた部下の気持ちで、せっせとせっせと回復薬を作るのであった。


 MP使って作ればいいと気付いたのは、初級回復薬が残り(わず)かの時でした……



 ログアウトした今日の夕食は愚痴多め。さすがにママに止められました。


「愚痴も言いたくなるよ~。いっつも猫さん、私が失敗するの待ってるのよ?」

「失敗するのを待ってるんじゃなくて、自分で気付くのを待ってるんでしょ?」

「え? なんでわかるの??」

「ママは親だもの。子供の成長を(うなが)すなら、失敗する子供をハラハラ見守ることはあるわよ」

「猫さんに子供扱いされてたの!?」


 よく考えてみたら、お菓子で機嫌を取られることがよくある……


「私、ひょっとしてチョロイ子だった?」

「どうだろうね。うふふ」

「その笑い方はチョロイって言ってるようなモノだよ~」


 家族全員にアンケートを取ったところ、ママにしかチョロイと思われていませんでした。私はお兄ちゃんとパパをチョロイと思っているから、我が家の生態系頂点はママだと理解した私であった……



 翌日もパンゲアヒストリーオンラインに休まず出勤。いつもより早くログインして、カフェにてステータス画面を穴が開くほど確認する。


 このチョコ、あんまり美味しくない。猫さんのチョコ、残り(わず)かなんだよね~……口直しに1個、コソッと……やっぱり美味し~い。

 チョコの感想を言ってる場合じゃなかった。猫さんにツッコまれそうなことを調べておかなくちゃ。


 かといって、ゲーム初心者の私には何が失敗に繋がるかわからない。気になった点を全部質問したら、どれかは正解するかな?

 思ったより早く確認が終わってしまったので、ちょっと早いけどバグエリアへ。ドリルジャンプでダメージを受けてから、昨日ダメージ軽減を聞くの忘れてたと思い出した。こういうところか~。


 気を取り直して薬草採集をしようと歩き出したら、猫さんの声とギターらしき音が聞こえてきた。


「早口言葉、諦めたのかな?」


 それは歌。しかも、ちゃんとした歌! AメロもBメロもサビもある歌! 猫さん、まともに歌えるじゃん! 所々「にゃ」とか言ってるけど!!


 感動した私が早足で声のほうに向かうと、ツリーハウスの屋根の上でギターを掻き鳴らして歌う猫さんの姿があった。

 私は気分良く歌っている猫さんの邪魔をしないように、曲が終わるのを待つ。そしてジャカジャカとギターのアウトロが流れ、ジャーンと鳴って静かになった数秒後に拍手をした。


「にゃ!? にゃああぁぁ~~~……」


 私、猫さんを驚かせてしまったみたい。猫さんは足を滑らせ、屋根から落下。でも、3回転して綺麗に足から着地して、ジャーンとギターを鳴らした。


「ビックリしたにゃ~~~ん♪」

「フッフフフ。驚いた人はそんなにカッコよく決められないと思いますよ。フフフフフ」

「めっちゃ笑ってるにゃ~」


 そりゃ笑う。漫画の一コマみたいなんだもん。猫さんは漫画に出て来てもおかしくないし。


「フフフ。あ~、おかし。今日はすっごくご機嫌なんですね~」

「まぁ、にゃ。ツリーハウスが完成したから、テンション上がっちゃったにゃ~」

「あっ! ついにですか? そのわりには選曲が……」

「にゃんか変だったかにゃ?」

「世界の終わりがそこで待ってるとかやってくるとか言ってませんでした? 完成したその日に、そんな物騒なことを……」

吾輩(わがはい)の好きな曲にゃんだからいいにゃろ~」


 確かに個人の自由だけど、もっと相応しい曲があると思う。最近の流行りの曲とか……知らないのですか。そうですか。



 猫さんの音楽の趣味は聞いても私がわかりません。古いロックが好きなんだって。私はJ-POPが好きと言ったら鼻で笑われた。何が悪いんだ?

 悪いと言えば、やっぱり猫さん。会う度に変なことしてるから、聞きたいことも聞けないのだ。私、悪くない。


「私、防御力上がってるんですよ? 最近、ここに入る時あまり痛くないので」

「そうだろうにゃ~」


 この気付きは猫さんは褒めてくれない。想定内なのだろう。私も想定内だから、本命の話題だ。


「ヒノキノツルギ、耐久値が2割切ってるけど、これって大丈夫なんですか?」

「おお~。よく気付いたにゃ~。今日辺り折れるから、慌てるところを見ようと思ってたのににゃ~。にゃしゃしゃしゃ」

「なっ……」


 ママ! 猫さん、親心で見守ってくれてなかったよ! 私の言った通りじゃん!!


 勝ち誇って笑う猫さんを、私は頬を膨らませて睨むのであった……


「ガディバ風のチョコまた作ったけどいるにゃ?」

「わっ! 欲しいですぅぅ」


 でも、すぐに機嫌は直ったのであったとさ。


 なんで私の欲しい物が完璧にわかるんだろうね~? チョロイからか……


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